表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/41

竜巻

 僕らは卒業した。

長かったようで短い6年間だった。

それと同時に僕はリャカヤと共に生きていこうと思った。

プロポーズもした。

そして僕の心をリャカヤが受け止めてくれた。


 さて、僕は上記のことを経て今、リャカヤと共に旅に出ている。

なぜ旅に出ているかというとディクシア先生の卒業後の課題のためである。

僕ら精霊は非常に長生きだ。

そのため生きる目的を見失いがちになる。

そこでディクシア先生の課題である。

僕らはディクシア先生の故郷の地である「風の国」に向かうことにした。

ディクシア先生曰く僕らに必要なのは風の能力、それを手に入れれば完璧な精霊としての第一歩となるだろうと言っていた。

「風の国」は僕らが住んでいるところから地続きで1000キロほどの距離。

飛行するのはかなり体力を使うので歩いて行くようにとのこと。

もちろん、交通機関など無い。

精霊は普通の人間の大きさの12分の1の大きさ。

ましてや僕らの姿は小学生ぐらいだ。

「風の国」まで9ヶ月ぐらいで着くだろうとのこと

もちろん、これは眠らず休み無く歩いてでの計算だ。

僕らは人間の時の記憶と習性が染みついている。

眠らないということが出来ない。

恐らく1年以上かかっていたと思う。

しかも「迷いの森」を通らないと「風の国」には行けないらしい。

「迷いの森」は精霊の力を削ぐ森で力尽きると森の入り口まで戻ってしまうらしい。

しかもこの森では決して眠ってはいけないとディクシア先生は言っていた。

つまり、「迷いの森」に僕らが一端の精霊だと認められないと「風の国」に行けないと言うことだ。

ディクシア先生はこの旅で僕らの6年間は非常に役に立つだろうと行っていた。

それを僕らも実感していた。


 この旅は非常に大変な旅だった。

マグマの川を渡ったり、氷の海を渡ったり。

ジメジメした密林やえらく標高の高い山を登ったり。

そういえば砂漠の中をさまよったこともある。

何よりつらいのは僕らはなぜか暑さ寒さを感じることだ。

精霊というものは普通感じないものらしい。

しかし僕らは感じるのだ。

おかげで何度倒れたことか。

看病したりされたりの繰り返し。

本当にこの旅は困難な旅だ。


 そして今僕らはまさに「迷いの森」の中で遭難絶賛中なのだ。

もう一週間になるだろうか。

毎日一回は眠らないと行けない体なのにもう一週間も寝ていない。

体もクタクタだ。

幸い野獣などがこの森にいないことが幸いだ。

リャカヤは

「大丈夫?

もう体がボロボロじゃない。

精霊としての鍛錬が出来てないのよ。」

と言っていた。

しかしリャカヤの目の下には大きなクマができている。

恐らく僕もそうなのだろう。

お互いにボロボロなのだ。

リャカヤは口は悪いがいろんな所で僕を助けてくれた。

いわゆるツンデレである。

この森でもいろいろと助けてくれたがもう限界みたいだ。

僕も限界だ。

そう思っていたらいつの間にか気をを失っていた。


 気がつくと僕らは砂漠のど真ん中にいた。

森は跡形もなく消えていた。

僕は夢でも見ているのかと思い頬をつねってみた。

痛い!!

夢ではないようだ。


 リャカヤは先に気がついていたみたいで

「ようやく起きたのね。

しかし、ここは一体何処なの?

見当もつかない」

と言って困りあぐねていた。


 しばらくするとリャカヤはあることに気がついて指を指した。

そこに1つの竜巻の渦が見た。


 そういえばディクシア先生が言っていた。

「風の国は竜巻の中にあるの。

その竜巻をくぐらないと風の国には行けないの。

しかも一端の精霊で無い限り吹き飛ばされてしまう。

でも、あなたたちは基準をクリアーしているわ。必ず竜巻をくぐり抜けて風の国に行けるから安心して」


 つまり、あの竜巻をくぐらなければいけないのか。

そう、決心をした。


 僕はリャカヤと手をつなぎ竜巻に向かった。

生まれて初めての共同作業だ。

しかし、竜巻はかなり風が凄い。

僕らは何回も吹き飛ばされた。

でも僕らはあきらめない。

何回もチャレンジした。


 多分、1日以上経っているのだろうか。

時間の感覚は無い。

僕らは一体感を持っていた。

せっかくここまで来たんだ。

諦めるものか。

そう思ってチャレンジしていたら2回目の夜がやって来た。


 不思議なもので何回もチャレンジしているとコツを掴む。

100回以上のチャレンジでようやく光明の一筋が見えてきたのだ。

そして、僕らはチャレンジに成功した。


もうクタクタだ。

僕らは風の国に着く共にまた気をを失った。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
cont_access.php?citi_cont_id=906122788&s
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ