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卒業

 あっという間に6年が経ち、僕らはいろんな経験をした。

ディクシア先生はとても優しい先生でいろんな知識を僕らに教えてくれた。

多少ドジっ娘な所もあったがとてもいい先生だ。

それに前世では経験できないこともいっぱい経験できた。


 前世では元同僚(学生として)クラスメートのリャカヤもとてもいい奴だ。

前世では憧れの存在であり、知的なお姉さんでもあったリャカヤはとてもツンデレではあるが僕の面倒を見てくれる素敵なお姉さんだ。

プライベートでもデートを重ね自分でも親密な関係を重ねてきたと思う。


 僕もこの6年間でかなり人間(精霊)として成長できたと思う。

前世では11年間しか生きられなかったので今は人間の時よりも長生きしていることになる。

それに前世ではしっかり運動してこなかったので見た目はあれだがかなり肉体的にも精神的にもたくましくなったと思う。

 

 精霊というのは見た目が小学生ぐらいにしか見えない。

そのうえ不老不死ときた。

つまり永遠の子供と言うことだ。

ただし自分は一精霊としてまっとうに行きたいと思う。

リャカヤも同じ気持ちだ。

見た目が子供でも中身はずっと成長が出来る。

僕はリャカヤと共に立派な精霊になろうと思う。


 そして卒業の日、いつものようにディクシア先生は授業を始めた。

どうやら精霊の世界では卒業式という概念はないらしい。

しかしディクシア先生は心なしか涙ぐんでいるように見えた。


 午後になりディクシア先生は

「今日、みなさんに連れて行きたいところがあります。これが最後の場所になると思うと悲しいものですね。」

と言いい、いつものようにゲートをくぐった。


 そこは小さな洞窟の入り口の前だった。

「人間は絶対にこの洞窟に入れないから。」

とディクシア先生は言うとその洞窟の中に入っていった。

確かに入り口の大きさは人間では入れないだろう。

ちなみに僕たちの大きさは人間の小学生ぐらいの大きさの12分の1ぐらいの大きさだそうだ。

そんな話を思い浮かべながら僕らはディクシア先生の後に続いた。


 僕らは暗闇の中でも目が見える仕様になっている。 

洞窟の中はしばらく行くと崖になっていた。

ディクシア先生は

「この下は川になっていて崖を降りるよりは飛んでいった方が速いわ。」

と言うと羽をばたつかせ飛んでいった。

僕らも遅れまいと必死に飛んでついていった。

1時間ぐらいすると川が途切れ陸地が見てきた。

ディクシア先生は

「ここからは火気厳禁。ユワン君(僕)は絶対に火を出さないでね。ここには有毒ガス。可燃ガスが充満しているの。私たち精霊は呼吸をしないからどんな有毒ガスでも問題は無いのだけど人間がこの場所にも強いるとすると1分も持たずに死ぬぐらいの濃度よ。」

そう言うとふたたび歩き出した。


 僕は何回もゲートをくぐりいろんな所へ行ったがこんなに時間をかけ冒険をしたことはなかった。

最初のうちはワクワクしていたがもうとっくに疲れていた。

ディクシア先生はそんな僕の様子を見て

「あと少しだから頑張って!!どうしてもあなたたちに見せたい場所があるの。」

と励ましてくれた。


そしてしばらくするとディクシア先生は

「ここがゴールよ。」

と声をかけてくれた。

そこは洞窟の行き止まりだった。

ディクシア先生は

「私たち精霊のことについて教えてなかったことがあります。それは私たち精霊は自ら発光することが出来るのです。イメージは...そうそう、体全体が光ることをイメージして。決して力まずリラックスした状態で体全体が発光することをイメージして下さい。そうしたら自ずと体が光ります。」

いきなりそう言うことを言われ戸惑ったが瞑想するイメージで僕は体を光らせようとした。

意外と簡単だった。

5分ぐらい時間がかかったと思うが。

そうして僕はその洞窟を改めて見上げた。


 そこは金色に光る洞窟だった。

それも金ピカだ。

その金色に光る洞窟は僕らが発光する光を吸収しそしてその光を僕らに浴びせるのだ

金色の光を。

その光景に圧倒した。

僕らは金塊の中にいるのだ。

こんな光景見たこともない。


ディクシア先生は

「この金色の光は微生物の活動による副産物です。何万年、何億年かけこの金色の洞窟が出来上がったのです。あなたたちもこれから何万年、何億年生きるでしょう。それは気の遠い話ではないのです。我々精霊はたまたまどの生物よりも長い寿命を得ることが出来ました。それは絶望ではなく希望の未来なのです。時間はかかれど何でも出来るし何にでもなれる。(精霊として)あんたたちは精霊として明日から希望を持って行きなさい。これが最後に私からあなたたちに言いたかったことです。」


 あ〜、これが僕らの卒業式なんだなと感慨深げに思った。

そんな思いでいるとディクシア先生はこんなことを言い出した。

「あ、そうそう、あなたたちユワン(僕)とリャカヤはつきあっていることは知っています。今世で結婚したいと思っていることも。ここで1つ忠告をしておきます。まず精霊は100歳にならないと大人として認められません。よって結婚も出来ません。100歳になるまで我慢して下さい。それと結婚が出来るのは同じ属性を持つもの同士。このままでは結婚も出来ません。ちなみにあなたたちの両親は属性が違うのに結婚できたのはお互いの属性を学び合い獲得できたからです。あなたたちは既に2つの能力を持っています。それもそれぞれが全くばらばらの能力。そこで私から提案があります。5大属性のうちあなたたちが持っていない風の属性をお互い獲得しなさい。つまり風の国へ行くのです。それがあなたたち2人に課された卒業後の最初の課題です。」


 どうやら僕らの精霊ライフも一筋縄ではいかないようです。







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