登場人物
読んでも読まなくても問題ありません。ネタバレは避けています。
【登場人物】
~コルストの村周辺~
◆エレナ
この物語の主人公。孤児院に住んでおり、触れただけで花を枯らせてしまう少女。魔法は禁じられているため、普段はその力を隠しているものの、感情が乱れると制御できなくなってしまう。
森の奥で出会った少年、クリスと友達になるが、彼の秘密を知るうちに、自分の出生や伝説の真実も知ることになる。
クリスを大切に思っており、彼に会うためならどんな危険も厭わない。
◆クリス
森の奥の庭に閉じ込められている少年。
普段は物静かで無表情だが、その目が物を言う
庭の主を嫌っており、外に出ることも諦めていた。
エレナと友達になり、彼女が庭に来るのを待ち望む反面、危険に晒すことを危惧している。
◆リーラ
孤児院の主。厳しい性格だが、時折子ども達に優しい一面を見せることもある。
貧しい生活を続けているせいか、お金のことに敏感なところがある。
◆マルクレーン
庭の主であり、クリスを閉じ込めた魔法使い。
常に朝焼け色のローブを纏っており、庭に他人が近づくのを激しく嫌う。
相手が誰であろうと、侵入者には容赦しない。
昼間はどこかへ出かけており、夜になると帰って来る。
◆ダリウス・ベルモント
鋭い目をした、黒づくめの男。
貴族であり、立派な服を纏っている。
老人を連れ、行方不明の息子を探して各地を回っている。
◆ロレンツォ
本人いわく行商人であり、情報屋。
剣の腕が立ち、口もうまいが、逃げ足も速い。
城の人間には変人扱いされているものの、根は優しい男。
飄々(ひょうひょう)としていて掴みどころがないが、自ら本心を隠しているような部分がある。
~城の人々~
◆ジェローム
現国王であり、前王の正妻の息子。
英雄アシオンの子孫であり、「魔」がいつ来ても戦えるよう、騎士達の訓練には手を抜かず、魔物の討伐も行っている。
周りからは人望が厚いと言われているが、腹違いの妹シルヴィアを疎んでいる節があり、彼女に関与しようとしない。
◆シルヴィア
前王の妾の娘であり、たった一人の王女。
金髪に青い瞳を持つ美しい姫だが、妾の娘であることから、幼い頃より周りから疎まれてきた。
わがままで気が強い性格だが、根は優しく、寂しがり屋。
ロレンツォに好意を寄せている。
◆レイモンド
騎士団の団長。生真面目な性格で、女性には年下でも敬語を使う。
王を敬愛しており、彼に忠誠を誓っているが、堅すぎて融通が利かないところもある。
仕事の時は厳しいが、部下のことを大事に思っている。
◆レヴィ
騎士団の副団長であり、団員の中で最も若い青年。
侯爵家の次男坊であり、騎士団の中でも二番目という立ち位置が気に食わない。
努力家のレイモンドを目の敵にしており、若さ故の怒りをもてあましている。
不条理なことが受け入れられず、その苛立ちを「魔」を狩ることへ向ける。
エレナが「魔」ではないかと密かに疑っている。
◆ルーバス
初老の宰相であり、白髪に鋭い目をしている。
真面目な性格だが、きびきびしていて、仕事にはうるさい。
怒ると怖く、エレナにとっては恐怖の対象である。
~その他~
◆ラズール
気の強い魔物の少女で、赤毛と大きな瞳が特徴。
主人を敬愛しており、彼のためならどんな命令でもこなす。
とある事情からエレナに敵意を持ち、憎しみさえも向ける。
甲高い声で笑い、怒ると赤毛が炎のように煌めく
◆リューシル・ヴィエータ
芽吹きと共に生まれた精霊。青い瞳に、透き通るような体をしている。
訳があってヴァーグの牢獄に閉じ込められていた。
感情が顔に現れにくいが、時にはこちらが驚く程はっきりしていることもある。
エレナを大切に思っており、魔法について教える。
◆エルマローゼ
花のほころびと共に生まれた、真紅の髪を持つ妖精。
他の精霊や妖精と違い、人間に強く興味を持つため、変わり者とも言われていた。
明るい性格で、思いやりもあり、考え方も妖精らしくない。
人間の男と恋に落ち、ついには平穏な森を飛び出してしまう。
◆トラヴィス
金持ちの貴族で、町でも有数の権力者である。
あちこちから役者や歌い手を引っ張り、仕事に応じて多額の報酬を支払う。
~音楽一座エイブル・ホーリエ~
◆アンセルモ
黒髪を持つ、情熱的な青年。
感情が表に出やすく、正しいと思ったことは突き進む。
喧嘩は手慣れており、腕も強い。
エイブル・ホーリエや一座の仲間を第一に思っている。
劇では重要な役どころを担い、演技力もあるが、歌はダイアが一番だと考えている。
◆ダイア
一座の花形スターである、美しい歌姫。
演技もできれば歌もできる。
思ったことはずばずば言うため、気が強いと思われがちだが、根は穏やかで優しい。
仲間の一人がしょっちゅう喧嘩でけがをするため、手当てが得意になってしまった。
一座の人々曰く、「エマニエルの役をやらせると大陸一」。
◆トニー
裏方担当の少年。
手先は器用な方で、幕の開け閉めや照明を一人でこなす。
気弱なところがあるが、一旦勇気を出せば、行動力を見せる。
暇があると、立ち寄った町の探検をすることもある。
◆ニール
音響担当。
背が高く、ひょろひょろとした体つきをしている。
音楽全般が得意。笛やリュート、なんでもござれ。
必要があれば役としても出るが、基本は音楽で舞台を盛り上げる。
◆団長
本編で名前は出ていない、音楽一座の団長。
太めの体つきで、人好きのする顔をしている。
司会や狂言回しの役を務め、舞台を支えている。
エイブル・ホーリエ一座を誇りに思っており、団員達に信頼を寄せている。