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狂人理論  作者: 金椎響
第二章 不都合な事実
19/30

雪解け

 ハーキュリーズが出て行って、ひとりノリーンだけが残された応接室。

 ノリーンは自身よりも大きな窓を開け放つ。庭へ降りながらポケットから携帯端末(モブ)を取り出し、電話帳から相手を検索するとすぐに電話をかける。

 昇り切った太陽が西へ沈もうとしていた。

 ノリーンは穏やかな日のさす庭を黙々と歩いていく。


「よう、元気か?」


 ジョリオンの気取った声がノリーンの鼓膜を震わす。


「ええ、まぁ……ね。ねぇ、今大丈夫?」

「ああ」

「さっきね、ハーク――ハーキュリーズ・H・ヒギンズに会ったの」

「ああ、彼か」

「それで、これはハークから聞いたんだけど、クラリッサはすでに四・五年前に亡くなっていたの。彼女を殺したのは、ハークとわたしの父エドワード・エヴァレット」


 電話の向こうで、ジョリオンが息を飲む声がする。


「……それは、どういうことだ? エドワード・エヴァレットはクラリッサによって殺されたはず」


 ジョリオンの声には明らかに困惑を滲ませ、なかなか言葉が出て来ないようだった。


「ええ、わたしも驚いてる。それで、その時回収された頭部をニューロスキャンして脳内神経マトリクスが分析されてるわ。あとで、諜報軍(インテリジェンス)のデータベースで確認して」

「あ、ああ……」

「ハークによると、今のクラリッサは完全に別物だそうよ。IRISアルテア本社ビルで彼女に会った時、右腕一本でわたしの攻撃を受け止めたのは、前にジョリーへ伝えたわね。その時彼女は、自分の遺伝子情報を元に設計され、人工的に生成された生体部品で組み上げられた人工生体義手だって言っていたけど……」

「どうやら、人工生体義手ならぬ人工生体義『体』とでも表現すべき存在だったわけか」


 ジョリオンはどこか苦々しさを感じさせる口調で言う。


「だが、信じられん。こんなことってあるのか……」

「わたしだって同じ思いよ。あと、“プリクライム”を欺くために、クラリッサ・カロッサの脳内神経マトリクスと、他のロボットのニューロ・シナプス・チップを適宜切り替えるような……なんらかの対抗策を講じている恐れがあるわ」

「つまり、諜報軍(インテリジェンス)の諜報特権がなくても、クラリッサは十二分に脅威だ」


 ジョリオンはわざとらしい咳払いをする。


「……それで?」

「うん?」


 質問の意味を図りかねて、ノリーンは思わず訊き返す。


「それで、ヒギンズ氏はなんて言ってた? 彼もクラリッサを追うのか? 次の彼女の標的に何か目星はついたのか?」


 ノリーンは堪らず、これ見よがしに溜め息をつく。


「それがね、断られたのよ。クラリッサはいずれ“処理”されるから、手を引けってね」

「それは。まぁ、彼らしいと言えばらしいが。……で、どうする? 彼の言葉通り、大人しく手を引くのか?」

「まさか。それで、ジョリーの方は何かわかった?」


 ノリーンが怒気を含めて訊く。

 すると、ジョリオンの苦笑が伝わってくる。


「いいや、今日は新しい銃と車を受領して、隠れ家(セーフハウス)にいる。きみも来るか? みんな勢揃いだぞ?」


 笑いながら言ってくるジョリオンに、ノリーンは怒りを通り越して呆れていた。


「馬鹿言わないで。クラリッサはIRISアルテア本社ビルの件を『前夜祭』みたいなものだって言ってたのよ。つまり、本番はこれからなのよ?」

「そんなこと、言われなくてもわかってるさ」


 とは言うものの、どこか緊張感に欠けた口調で言うジョリオン。

 彼の反応に、ノリーンは込み上げてくる怒りをどうにか収めながら言う。


「なんとなく、クラリッサの考えることはわかるけどね。でも、それが本命じゃない線もあるから動きにくいのよ」

「だったら、いつでもおれに相談してくれ。こっちは軍隊で部下を動員できるんだからさ」

「それが嫌だって言ってるでしょ!?」


 ノリーンの気も知らないで抜け抜けと言ってくるジョリオンに、ついに声を荒げてしまうノリーン。

 電話の向こう側でジョリオンが必死に彼女を宥めようとしているのがわかる。


「はいはい」


 唐突に訪れた、重苦しい沈黙。

 それに耐えられなくなって、ノリーンはつい(たず)ねてしまう。


「……ハルートの調子はどう?」

「直接本人に訊けよ。きみのロボットだろ?」

「……勝手にしろ、って言っちゃたのよ? いまさら『今何してるの?』だなんて訊いても『勝手にしていますよ、ノリーン』とかなんとか言われるに決まってるじゃない」


 ノリーンは三日前、IRISアルテア本社ビルでのやり取りを反芻すると、額に手をやる。

 あの時はクラリッサの対応に気を取られて、思いがけずハルートに八つ当たりするような言い方で突き放してしまった。そのことを彼女は今、激しく後悔していた。


「まぁ、そうだなぁ……」


 笑いながら言われて、ノリーンは眉間に皺を寄せる。


「彼、落ち込んでない?」

「いいや」

「寂しそうじゃない?」

「全然」


 何故だろう、それはそれで今度は面白くないとも思ってしまう、そんなノリーンだった。


「……そう」

「ノリーン、おれは自分の仕事を果たすためなら、きみがクラリッサを殺してもいいとさえ思ってる。だが、きみとハルートは今までずっとふたりで一緒にやって来た。近接格闘プラグインのことだって、ハルートに教えても差し支えはないだろう? 堪えたんなら、潮時じゃないのか?」


 ジョリオンの正論に、ノリーンは言い返せない。

 ノリーンだって、ジョリオンの指摘が正しいことは頭では理解している。

 だが、それを行動に移すことができないでいた。ノリーンは口を開きかけたが、結局言葉は出て来なかった。かわりに、ふうと弱々しい溜息が零れ落ちる。


「……また電話するわ。何かあったら、すぐに教えてね」

「おい、こら」


 そこでノリーンは通話終了のアイコンに触れると、携帯端末(モブ)をポケットのなかに押し込んだ。



「ハーク!?」


 応接室に入ったチェルシーはすぐさま部屋を飛び出し、廊下を歩いていたハーキュリーズを大声で呼び出す。


「どうした、チェルシー?」

「ノリーン、いませんよ!?」

「そんな馬鹿な」


 ハーキュリーズが駆け足で応接室へ入って来る。

 そこにノリーンの姿がないことを確認すると、すぐに窓際に駆け寄ってきた。チェルシーが手にした携帯端末(モブ)をいじり、情報を検索しようとする。


「大丈夫だ、チェルシー。ノリーンは庭だ」


 ハーキュリーズはガラス戸を開け放つと庭へ降りていく。慌ててチェルシーも後を追う。

 手入れの行き届いた庭園に、一見するとノリーンの姿はいないように見える。一体、何故ハーキュリーズにはノリーンが外にいるとわかったのだろうか。

 チェルシーが不思議そうな顔をしていると、ハーキュリーズは言う。


「外に放った猟犬型ドロイドが館の近く、庭園の端にいる。猟犬には、人やドローン、ドロイドの姿を確認すると、近寄って様子を確認するよう、あらかじめ躾けてある」

「な、なるほど……」


 庭園の端、大きな木の下に隠れるようにしてノリーンの姿があった。


「ノリーン!?」


 チェルシーが大声で彼女の名を呼ぶと、ノリーンのもとへ駆け寄っていく。


「ごめんなさい。ちょっとジョリーに電話を」

「それはいいけどさ、せめて一言二言言ってからにしてよ」


 ノリーンは笑みを消し固い表情で、ふたりのもとへやって来るハーキュリーズを見据えた。


「クラリッサを追うわ」


 そして、揺るがぬ決意を言葉にして彼に放つ。


「きみらしからぬ、非合理的な選択だ。もっと賢明な選択肢がいくらでもあっただろう」


 ハーキュリーズは苦々しく言う。


「クラリッサは父の仇じゃないという話、非常に興味深かったわ。だけど、きちんと裏を取らなくちゃね」

「……おれが、嘘を言っていると思うか?」


 ハーキュリーズの厳しい視線がノリーンに突き刺さる。

 だが、それでもノリーンは動じずにハーキュリーズの顔を正面から見据えていた。


「いいえ。あなたはわたしにいつも誠実に応えてくれたわ。それは今回も変わらない。だけど、これは理屈じゃないの。損得勘定でもない。まして、合理的だ非合理的だとか……そういう次元の話じゃないのよ」


 ノリーンはそこまで言うと、不意に笑う。


「父の同僚であり、相棒であり……そして親友だったあなたならば、わかってるでしょ? 許せないし、腹が立つし、殺してやりたいの」


 ノリーンの押し殺したような低い声で発せられた言葉に、ハーキュリーズは天を仰ぐ。深い溜息をつきながら、後頭部を軽く掻いた。


「まったく、おれの言うことをこれっぽちも聞きゃしない」


 ハーキュリーズが苦笑しながら言う。

 ついノリーンも複雑な表情を浮かべた。


「ごめんなさい。悪い子で。せめて、あなたの前だけでも、いい子でいれたらどんなに良かったかって……これは心の底から思ってる」


 ノリーンらしからぬ言葉に、ついハーキュリーズは目を丸くする。

 そして、彼は笑い出す。

 豪快な笑い声に、つられてノリーンも年相応の微笑みを浮かべる。

 なおも笑い続けているハーキュリーズを、彼女はそれをどこか温かさを感じさせる面持ちで見つめていた。


「何、手のかかる子は可愛いもんだ。まぁ、なんだかんだ言っても、久しぶりに会えて良かった」


 ハーキュリーズは少しだけしゃがんで、ノリーンの視線の高さに合わせる。

 それはノリーンが幼い頃、よくハーキュリーズがやってくれた仕草だ。


「中身はエドとそっくりだが、見た目はリズ――エリザベス、きみのお母さんと瓜二つだ。特に、目元なんかはリズそのものだ」


 ハーキュリーズの不屈の意志を宿す瞳が心なしか潤む。


「リズがきみを産む直前、彼女はおれに言った。エドと生まれてくる子ども――ノリーンのことをお願い、と。結局、おれは相棒のエドを救えなかった。それに、そのことできみとも向き合えなかったことを、おれは深く後悔している」


 幼い頃に喪った母の名前が出てきて、ノリーンが思わず息を飲む。


「ノリーン、よく聞いてくれ。おれはただ単に、復讐は非建設的だ憎しみの連鎖だ、そんなことをしたってエドは帰ってこない云々と下らん戯言を言いたいわけじゃないんだ。ただ、おれは喪いたくないんだよ、もう」


 ハーキュリーズの両手がノリーンの肩を掴むと、そっと彼女の身体を抱き寄せた。

 ノリーンもその力に身を任せる。その力強い抱擁が、ノリーンの頑な心を溶かしていく。

 そして、それはかつてハーキュリーズがしてくれたものであり、かつて父もまたやってくれたものでもあった。


「クラリッサのクソ野郎やアルテアの未来なんざ、おれにとってはどうでもいい。犬にでも食わせてやればいい。だが、ノリーン、きみは別だ。おれはきみの葬式になんか行きたくない」


 ノリーンの背に回った手の感触に、ノリーンはなんとも言えない気持ちが心の奥底から込み上げてくる。


「……だから、わかってくれ。ノリーン」


 それが、心のなかに満ちて行き、ついには溢れそうになる。

 ノリーンは反射的に歯噛みしていた。

 そうでなければ、到底耐えることができないと思ったからだ。


「ハーク、あなたは卑怯よ。わたしを大切だと言うのなら……どうして? どうして今まで放っておいたのよ?」


 ノリーンの掌にも自然と力がこもってしまう。


「それだけ、きみが大切だった。だから、遠ざけた。それに怖かった。『どうしてエドを守ってあげられなかったの!?』、そう言われると思ったら近付けなかった……」


 どことなく涙声になりながら、ハーキュリーズは絞り出すようにして言葉を紡ぐ。

 その言葉が、そして抱き締められたノリーンに伝わってくるハーキュリーズの腕の強さが、ノリーンを過去の呪縛から解き放っていくように感じた。

 そして、かつて失われたはずの帰るべき場所が、唐突に自分のもとへ戻ってきたような、そんな感じがする。


「馬鹿ね、そんなこと言うわけないじゃない」


 それが答えだ、と言わんばかりにノリーンは力強く抱き締める。

 ノリーンは願った。

 この気持ちが少しでも、彼に伝わって、と。そして、もしもその願いが叶わないというのなら、せめて抱き締める強さと感触、そしてこの温もりをその証としてハーキュリーズに残そうと思った。


「もっと早く、ここに来るべきだったわ」

「そうだな。それに、もっと他の話題で盛り上がるべきだったな」


 ハーキュリーズが意を決したかのような、真面目な表情を浮かべる。

 そして、ノリーンの身体を剥すと唐突に歩き出し、庭園を抜けていく。

 そんなハーキュリーズの姿に、反射的にチェルシーが彼の名を呼ぶも、ハーキュリーズは振り返らるどころか返事すらせずに、ひたすら歩みを進めていってしまう。

 ノリーンが続き、事態を見守っていたチェルシーが慌てて後を追って駆け出す。

 三人はそのまま、屋敷から離れていく。


「ハルートと仲直りするんだぞ」


 ハーキュリーズはそう言うと、チェルシーのピックアップ・トラックの隣に停めてある黒塗りの厳ついイタリア製高級車に乗り込む。

 パネルに光が灯り、フロントガラスに情報が投影され始める。そして、モーターの駆動音が轟く。


「わかってるわよ、もう……」

「じゃあな、風邪をひくなよ」


 言うが早いか、ハーキュリーズの車はすぐに動き出す。

 すぐにスピードに乗って、住宅街の風景に溶けていく。

 置き去りにされたふたりはただ、彼の過ぎ去った後を見送っていた。



「ハーク、どこ行っちゃったのかな?」


 チェルシーのピックアップ・トラックはアルテア市中心街(セントラル)へ向って走り出していた。

 ノリーンが機械人形(オートマトン)に屋敷のことを任せてから、チェルシーの車に飛び乗ったのだが、すでに先行したハーキュリーズの車はどこにも見当たらなかった。

 チェルシーが取得した情報を絞り込むものの、なかなか具体的な成果には結びつかない。


「ハークは元諜報軍(インテリジェンス)よ。当然、尾行の撒き方だって心得てるはず。あんな形で放り出されたら、誰だって最初は後をつけることに思い至るもの」

「でも、それらしき車は見当たらないけど」


 チェルシーが運転席で腰を浮かす仕草をする。


「どうせ、どこかにあの目立つ車を置いて、タクシーにでも乗り換えてるわ。あの車とハーキュリーズ・H・ヒギンズの情報は紐付けされてるんだからね」

「そんなこと、言われなくたってわかってるって」


 チェルシーが唇を尖らせる。


「で、最終的な目的地は?」

「アルテア市警察署《APD》第七分署」

「えええっ!? なんで断定口調なの?」


 何気なく聞いたら、思いの外すぐに返事が返って来て、慌てふためくチェルシー。


「言ったでしょ? クラリッサの考えることは大体わたしにだって思いつくって」

「いや、あたしはそれ、聞いた覚えないけど」

「ああ、そうだったわね」


 ノリーンがひとりで勝手に納得する。


「で、根拠は?」

「実は、確証があるわけじゃないの。ただ、ハークの話から、クラリッサはハークとわたしの父に殺され、その時に回収された頭部を使って、米国陸軍(アーミー)に正式採用されることになる試作型近接格闘プラグインが生み出された」

「うん」

「IRIS社を襲ったのは、確かに戦闘用ドロイドの奪取という物質的な意味と、諜報軍(インテリジェンス)に対する挑戦、そしてわたしを舞台へ引き摺り出す意味もあったと思うけれど……」


 ノリーンはそこで一旦、言葉を切った。


「ひょっとしたらクラリッサの本当の目的は試作型近接格闘プラグインだったんじゃないかって思うの」


 思いがけないノリーンの言葉に、チェルシーは険しい顔を浮かべる。


「……ホントに?」

「仮説の裏付けはおいおい、ジョリーにでも詳しく調べてもらうとするわ。となると、今までの話で残されている要素は……?」

「試作型の元となった、クラリッサの頭だね」

「そう。そして、おそらくそれはIRIS社か諜報軍(インテリジェンス)が保管しているはず。だけど、アルテア本社ビルで会った時、クラリッサは手ぶらだった。それに、あれは前哨戦でしかなかったっていう言葉から考えると、おそらく本命は諜報軍(インテリジェンス)アルテア戦術センター《TOCA》インフォタワーだと思うの」


 ノリーンの言っていることと、さっき言われた目的地が異なっていることに、チェルシーの頭は混乱してしまう。


「ちょ、ちょっと待った!? じゃあ、なんで本命に行かないの?」

「彼女の作ったIRIS社のロストナンバーのロボット、あれが本命へ動く本隊。だから、本隊を隠匿する陽動として、あえてクラリッサはアルテア市警察署《APD》第七分署を狙う、そんな気がするのよ」


 ノリーンの脳裏に浮かぶ、クラリッサの笑み。

 IRISアルテア本社ビルで、(さら)ったツクシを用いた「選択」を強いるために、わざわざトゥエルヴを離脱させるばかりか、ノリーン対策のために生み出しておいたサーティンを戦力として投入しなかった。

 つまり、クラリッサは隙あらばノリーンを排除する、という方策(ポリシー)で動いているとは考えにくい。むしろ、クラリッサの行動に対し、ノリーンがどう動くか、その反応を見ている節がある。

 それ故、単に戦力を戦況に最適化させるような、極めて合理的な行動を取るとは思えない。積極的にこちら側の裏を読んでいき、ノリーンたちになんらかの「苦渋の選択」を強いる奇手奇策を好むだろう。


「へ、へぇ……。なんかよくわかんないけど。じゃあ、それで行くよ」

「ええ、お願いね」


 チェルシーはちらりと助手席に収まったノリーンの横顔を窺う。


「でもさ、ホントにいいの?」

「……本当に、って何が?」


 チェルシーの質問の意味がわからず、ノリーンが訊き返す。


「だって、ハークと抱き合ってたじゃん。なのに、クラリッサのところに行くって、ハークが聞いたら絶対悲しむよ?」

「だからこそよ」

「だからこそ?」

「ここまでクラリッサが計算に含めていたかはわからないけれど……もしかしたら、わたしを巻き込んだ本当の目的は、ハークを表舞台へ上げるためだったのかもしれないから」

「どうして? って、あっ! そっか。クラリッサを殺したのはノリーンのお父さんとハークだから!」


 チェルシーが素っ頓狂な声を上げる。


「ええ。そうなるとハークが気がかりね」

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