元生け贄で現ペット(?)
前作の銀色の聖花の外伝ですが、こちらから読んでも大丈夫だとは思います。
フェイ様が気になった方は是非、銀色の聖花の方もよろしくお願いします!
軽い仕上がりとなっております!!なんちゃってファンタジーの世界ですので
現代用語もばっちり出てきます。
「リリー!リリー、どこだ!」
広い屋敷を探すのはフェイと呼ばれる美しい青年で、彼は人間界とは別の世界の住民で人間からは神とも魔とも呼ばれる存在だ。
探されているリリーは悪徳領主たちの陰謀で彼への生贄とされた哀れな(?)少女である。
人間界では神である彼が少女を悪の手から救い聖女として神界に連れて行ったとされている。
「どうなさいました旦那様?リリーは森に出掛けておりますが、なにか御用でしたか?」
そう問うのはフェイの邸の一切を取り仕切る執事セイレスだった。
「いや、たまには外に連れ出して日の光にあてないととストレスで病気になるらしいからな。森に行けるほど元気なら大丈夫だろう」
ホッとしたように言う主人をじと眼でみながら執事は問う。
「旦那様、僭越ながらお聞かせ下さい、それはいったいどこから得た情報でしょう?」
「んっ?カイドがこの本をくれてな。」
「人間界のペットの飼い方ですか…旦那様、僭越ですがリリーさまは人間です。
これは、人間が動物を飼う方法ですのでリリー様には当てはまらないと思いますが。」
「そうなのか…じゃあリリーの飼い方は一体何を参考にすればよいのだ?」
「これなんていかがでしょう?」
そういってセスがどこからともなく取り出したのは人間界の育児本たま○よだった。
「フム、これによるとオモチャを与えて知能の発育を促し…よく遊ばせ眠らせる…夜泣きはいずれ止みます、怒らずに添い寝して愛情を感じさせてあげましょう…セス…これは赤子の育て方だろ、リリーは16だぞ。」
呆れたようにフェイは執事に言うが、ペットの飼い方よりは育児本のほうが近いかも…。
「16など赤子ではないですか、フェイ様の10分の1も生きておりませんぞ!」
実はフェイの母ぐらいしか人間と話したことがない執事セイレス。
彼は人間界の知識があまりなく某育児本もフェイの母が子育て中に読んでいたものだったりする。
「セス…母上は父上の誓いの祝福を受けて我らと同じ時を過ごしているが、普通の人間は100年ぐらいしか生きないんだと母上が言っていたぞ。」
実はハーフなフェイだか母親の親しい人達が死んでからは人界に下りていなかった上、教えた母自体が浮世離れした人だったためにその知識は偏っている。
「なんとそれほどに短命なのですか。不憫な…リリーはそんなに若くして死んでしまうのですか…」
悲嘆にくれるナイスミドルな執事を前に自分の知識が間違ってったっけ?とちょっと不安になる美貌の麗人フェイ。
「いや…年を取るのが我らより速いだけで若くしてっていうのか?あれ…?でも100年は若いか?でも我らとは違うんじゃあ???」
「そうだ!!!旦那様、リリーを眷属にすれば500年は軽いですよ。
あんなに旦那様を讃えるセンスのあるいい子はそういませんよ。
なにちょっと血を飲ませて魔方陣で絶対服従を刻み込めばいいんですから!」
そうかと乗り気になってきた主従コンビ、彼らにリリーの意思を確認する気はあるのか!?
『どうしよう…ちょっと木苺をつみにいっただけなのに人間やめさせられそう。なんで?』
最後の方の発言からしか聞いておらず、物陰から覗きながら交わされる会話に恐れおののく…リリー。
引きこもりが長すぎて天然になっている主従コンビに負けるなリリー!
頑張れリリー!怪我でもすれば即、人外だ!!!
彼らに人間とは何かを教えてやってくれ!!!
銀色の聖花はこれからもちょいちょいお話を増やす気です。長編というよりシリーズとして書いていこうと思っています。フェイの両親の出会い話とかも書く予定です。もし待っていて下さる方がいたら、気長におまちくださいね~。




