第6話.契約
読み直して見ると、かなりエロくなってしまいました。
行為の描写も無いから、全年齢対象で大丈夫でしょ?
こんな論理で大丈夫か?
大丈夫だ、問題ない。
ウェルナーとハスターさんが並んで正座しているのを見下ろしながら、ため息をつきます。
この二人に悪気がないのは分かっているのですが、好意の示し方が極端すぎますよね。
これが、邪神さんと暮らすということでしょうか?
あっ、ヴェルナーは邪神じゃなかったです。
最近、ハスターさんと息がぴったりなので私の中では、ほとんど邪神扱いです。
「で、どういうことなんですか?判る様に説明してください」
ハスターさんにはハスターさんなりの理由があったはず、そこを聞いてみたいところです。
ハスターさんは、ちらちらと私の方を盗み見ながら答えます。
「私達、邪神が人間と契約を行うには、相手の精を受ける必要があるんだ。身体も心も一つになることで、強い加護を与えることができるようになる...とこれに書いてある」
ハスターさんは、胸の谷間から古文書を取り出して私に見せます。
「ひ○ぼ▲の書?」(作者自粛)
受け取って目を通すと思わず赤面する様な内容ですが、やっぱり思ったとおりです。
「はぁ~。ハスターさん、やっぱり男性限定の方法のようですよ」
がっくり、うな垂れるハスターさん。
「なぁ、これって遺伝子を使った個人認証じゃないのか?」
横から眺めていたヴェルナーがそんなことを言い始めた。
実は、私も同じことを考えていました(本当ですよ)。
「となると、特にエッチしなくても、良いはずですよね」
「そ、それは、そうだが、せっかくのチャンスが…」
ごにょごにょ言っているハスターさんをスルーして、契約について考える。
(やっぱり定番は『血』でしょうかね?『血の盟約従い、なんとか~』とか言いますし...)
痛そうですね。
髪の毛でもいいのかな?とか考えながら髪を見ると、枝毛になっている髪が何本かあります。
(最近、トリートメントをさぼってたからな)
なんとなく、いじってたら爪に引っ掛かって一本抜けました。
ちょっと痛い。
「髪の毛、のどか殿の...」
それを見ていたハスターさんが、熱に浮かされた様に呟いた。
いきなり風が吹いてきて枝毛(毛根付き)は、私の手を放れハスターさんの指先に摘まれている。
私の枝毛(毛根付き)をまるで愛しいものにキスするように唇を近づけ、そのまま『ちゅるん』とそれを飲み込んでしまいました。
その途端に、部屋が名状しがたい色の光に包まれます。
「ちょ、ちょっとハスターさん!大丈夫ですか?」
光の発生源であるハスターさんは、しゃがみ込んだまま動きません。
慌てて抱き上げると、頬が赤く息が荒くなっています。
瞳も『とろん』として、焦点を結んでいません。
「んっ...はぁっ...くっ..ひゃん...」
「まさか、私の髪の毛で食中毒ですか?」
ハスターさんを支えようと細い腰に手を回します。
『さわっ』
「ひん...んんっーーーー」
名状しがたい色の光を放って、ぴくぴくと痙攣を起こしている。
「ごめん、ハスターさん。痛かった?ヴェルナー!貴女も手伝って!」
確かこういう場合、確か脇から手を通してお腹の方で手を組んで運ぶんでしたっけ?
ハスターさんの駄肉が邪魔してお腹まで手が届かず、駄肉辺りを摑まえて引き起こすことになってしまいます。
『むにっむにっ、むにーーーっ』
「んんっ、くぅぅ..んっ...はぁぁぁ」
ごめん、痛いかも知れないけど、ちょっと我慢してね。
一刻も早くベットに連れて行ってあげるからっ。
「ヴェルナー!貴女もボケッとせずに手伝って!」
しかし、ヴェルナーは何時になく歯切れの悪い感じで答える。
「のどか、ハスターは..その、大丈夫だと思うよ」
「何言っているんですか!ハスターさん、こんなに苦しそうなのに!」
抱きしめている身体もぴくぴくしっぱなしだし、顔だってこんなに赤い。
「いや、ハスターは、その...あれなんだよ」
「あれってなんですか!こんな時に手を貸さないなんて見損ないましたよ!」
少しでも安心出きるようにハスターさんを抱きしめている力を強める。
しかし、余計にぴくぴくが酷くなってきた気がする。
いゃだ、ハスターさん死んじゃったらどうしよう...
「いゃ..だからね。ハ、ハスターはね...」
真っ赤な顔をしていたウェルナーは、急に怒ったような大きな声で叫びます。
「もう!イッてるだけなんだって!」
「行ってるってどこに行ってるって言うんです...えっ?イッてる?」
ヴェルナーを見返すとばつが悪そうに、そっぽを向いています。
赤い頬、潤んで焦点の無い瞳、切なそうな息遣い...急にヴェルナーの言っていることが理解できました。
「ごめんなさい!」
慌て手を抜こうとしたので、駄肉の先端を激しくこすってしまいました。
「いいん、んんっーーーーあぁぁぁぁっくん!」
ハスターさんから溢れていた名状し難い色の光が、これまで以上の強さで部屋を満たしました。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい...」
そんな気はなかったとしても、ハスターさんを...その..私が...
恥ずかしくてハスターさんの顔をまともに見れません。
「そんなに謝らないで欲しい。のどか殿の髪の毛を見たとたんに本能的に取り込んでしまったんだ。おそらく、これが正しい契約の方法だったんだろう」
ハスターさんは、まだちょっとふらついていますが、大丈夫そうです。
「それより、のどか殿との契約がうまく行っかの方が重要だ。のどか殿の身体のどこかに私の印が出ているはずなのだが...」
左手の甲に何やら光る印が入っている。
「あぁ、それだ。印が光っているときは、私の加護が働いている。特に必要がないときは消えているから大丈夫だ」
それは便利です。
プールや温泉への入場をお断りされることは無さそうですね。
「こほん。それではハスターさんを狙った悪い狙撃者を懲らしめに行きましょうか」
「ミスカトニック大学...ですか?すみません。聞いたこと無いですね」
「そうだな。理工学系の大学ではないので、のどか殿は知らないかもしれないが、その筋では名の通ったところだよ」
「その筋と言いますと?」
「魔術、邪神、魔道書など、人類のる暗い部分を主に研究している大学だ」
次回、フレシット弾邪神編 第7話 エンカウント




