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第48話 極秘任務

「君はさ、ツクヨミのサン……で合ってる?」


「……誰だそいつ。知らねえな。」


「……そっか。違うのか……。」



ずっと俯いていたマントの男は、突然天に向かって手を振りかざす。



「ごめんね。」



次の瞬間、マント男が手を振り下ろすと同時に数十本もの短剣が光のような速さで次々に俺目掛けて飛んでくる。


俺は、剣を紙一重でかわしていく。



こいつ、強い。


避けれはする。だが、隙が一切無い。


反撃の一歩が踏み出せない。


一瞬、男の目線が俺から逸れた。



今だっ!



俺は体勢を一気に低くし、一直線に距離を詰める。



よし、脇腹っ!いける。



しかし、次の瞬間俺はその場を動けずにいる。



何故ならば、俺の後頭部をゴールドの短剣がピタリと突き立てているからだ。


少しでも動くと、刃先に当たってしまいそうだ。



くそッ!一本の剣が、突然二本に別れたように見えた!



しかし、男は有利な戦況にも関わらず、何処かたどたどしい。


終いには、数十本の剣が男のマントの内ポケットに戻っていく。



「えっと……ボク。」



男は自分の顔を指差すが、どんな意図があるのかさっぱり分からない。



「何だよ。はっきり言え。」


「ゴールド軍、軍隊長ゴールド。名前は、ユノ。君の……一応、上官にあたる訳なんだけど……」


「へ?」



俺は自分でも驚く程、気の抜けた声が出た。


こいつが?ゴールド……?

てっきり俺の中のゴールドはひょろっちい奴を想像してたけど、やっぱり幹部、強ぇな。



「そうだったのか。じゃあ、嘘をついて悪かったな。名乗らない方がいいのかと思ったんだ。」


「ううん、いい判断だと、思うよ。しかも、ボクは君がサンくんって知ってたのに……意地悪して、ごめんね……」



ゴールドは頭から被っていたマントを脱ぐと、シリウスがシンバの時と同じ金色の髪が現れた。



「何で俺って分かったんだ?」


「えっと、シリウスくん殉職の、報告が来たから……幹部は総本部へ集まったんだけど、君は、ボク達が司令室に居ても、全く……気付いてなかったよ。」



てことは、俺が泣いている所も、コイツらに見られてたってことか……



「そうか。港で葬儀したんだってな。ごめんな、行けなくて。」


「ううん……」



「……ボク、シリウスくんが、負けるなんて、死ぬなんて……想像が出来なかった。しかも、ボクの才……発動してなかったんだよね。」



俺はユアン王国での出来事を思い出す。



____ギルの元へ駆け寄り、ギルの指輪を外す。

すると、ギルの身長は縮み出し、いつもの鋭い顔つきの面影が消えていく。


ギルなのか?!磁力は?!


これって本部に引き寄せる指輪じゃねえのか?


今、俺達に何が起きてる。_____



くそ……俺もまだまだだな。


俺は目に浮かぶ涙をグッとこらえる。



「ああ。本部にはピクリとも引っ張られなかったし、アルクもシリウスも変身した。」


「やっぱり……あの時ボクが……。もしかしたら、二人は助かってたのかも……しれないなあ。悔しい……悔しいよ。」



ゴールドは、きっとあの件から自分を責めているんだろうな。


幹部として共に闘っていたんだ。思いも深いはずだ。


少し一緒に居た俺ですら、頭からシリウスとアルクのことが離れなかった。


俺がもっと強ければ。

もっと早くに才に自覚出来ていれば。


って。



「ゴールド。俺も悩んだけどさ。シリウスは死ぬ時、笑顔だった。俺は、それが答えだと思うんだ。」


「そう、だね。」



俺の言葉に、ゴールドは俺が言いたいことを汲み取ってくれたようだった。



「……ボクは任務に、戻るけど、君は……どうする?」


「任務?闇市で商売する事がゴールドの任務なのか?」



ゴールドは首を横に振る。



「ボクなりに、考えて、この方法を選んでるけど……これも、失敗なら、また違う手を、考えるよ……」


「違う手?何回か失敗してんのか?」



ゴールドは顔を曇らせる。



「ハ、ハハハ……もう3年くらい、経つかな……ハハ、ボクがこの任務任されて。」



おっと。負のエネルギーが凄まじいな。



「なら俺も協力するよ、何するんだ?」


「極秘任務、なんだ……。だからボクの、任務は教えられない……」



すると突然、ゴールドが紙とペンを取り出し、真剣に報告書を書き出した。


おぉ……熱心だな。


書き終えた報告書を鉄の箱に入れた途端に、鉄の箱は宙に浮き出し、あっという間に遥か彼方へ飛んで行ってしまった。



「ボスへ、報告したんだ。君に会ったこと。直に返事が来るよ……」



ゴールドはそう言うと右手を上げた。

すると物凄い速さで、先程飛ばした鉄の箱が帰ってきた。


おいおい、そこら辺の大砲よりよっぽど威力あんだろ。



「おい避けろ!死ぬぞ!」



俺の声に、ゴールドは肩をビクッとさせ、辺りを警戒する。



「え、何何何……ッ!」


「いや……何でも、ない。」



俺は、恥ずかしくなった。


俺の目の前に居るのはゴールドだぞ。

幹部だぞ。

どんなやつの心配をしてんだ。


ゴールドの右手には、当たり前に鉄の箱がすっぽりと収まっていた。



「ふぅ〜……何もないなら、良かった。あ……君への指令も入ってる、みたいだよ……」



ゴールドから差し出された指令が書かれた紙を受け取る。



【ツクヨミのサン。

ゴールドと合流した報告を受けた。それに際し、お前はゴールドと共に任務を遂行しろ。詳しくはゴールドに確認しろ。

以上】



よし、俺にも読めるぞ。


それにしたってゴールドの任務って、極秘っていうあれの事か……?



「ゴールド。これ。」



俺が指令の紙を差し出すと、ゴールドの方にも書いてあったようで状況を理解しているようだった。



「まずは、どんな任務してるのか……それは……



『バツサイの本拠地』



を探し出すこと……だよ。」



本拠地?

俺たちで言う本部みたいなことか?



《ゴールドが3年間も痕跡が掴めなかったバツサイ本拠地を、サンは手繰り寄せることが出来るのか。》

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