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エピソード シンバ〜軌跡〜

ああ。俺はアルクに会えた。


未来にも希望を繋いだ。


やることはやった。


俺はやっと俺になれた。


………

……


俺が剣の型を繰り返していると、そばに居たシファレンは目を輝かせていた。



(シファ……?ああ。走馬灯かな。)



「僕も班長みたいに剣2つ持って舞うように切りたいです!!」


俺は腰から剣を抜くと、シファレンに渡した。


「やってみな〜」



俺は目の前の木を指差すと、シファレンは木に斬りかかる。


ガガガッ。


シファレンの剣に鋭さはなく切りきれず刃が途中で止まっている。


「ん〜……やっぱり力の流し方がシファには合ってないのかもしれないね〜……あっそうだ!これあげる〜」


俺は、ヌンチャクをシファレンに渡した。


「これあげるよ〜、剣よりは殺傷力は低いけどシファならこっちの方が実戦では使いやすいと思うよ〜。」


「いいんですか!!僕の一生の宝物です!!」


シファレンは大事そうにヌンチャクを抱えた。



(ああ。こんなに慕ってくれていたのに、この時の俺は周りを見れていなかったんだな……シファ……大切に思えてなくてごめんな。)



「おーい!シリ……!シンバ!!」



プラチナがシンバを呼ぶ。



「なに〜。」


「ギルティーノが呼んでるぞ〜!!俺も呼ばれてるから一緒に行こうぜ〜。」



プラチナがシンバの肩に手を回す。


「ええ〜。めんどくさい。俺が行かなきゃなの〜?ギルは〜?」



シファレンは俺に笑いかける。


「班長が班長なんですから!!頑張ってきて下さい!!おい、プラチナ。班長と近いぞ。離れろ。」



シファレンがプラチナを睨み付ける。



「おい、ちょっと見た目が良いからってよ〜!俺がお前の命の恩人だろ〜!優しくしろ〜!」



プラチナがシファレンの顔を揉みくちゃにしている。

俺はプラチナの襟を掴み、歩き出した。



「じゃあ、どうせ任務だろうから、ギルと潜水艦に向かっててくれ〜。」


「はい!!!」



プラチナと俺がギルティーノの待つ部屋へ行くと、珍しく幹部が揃っていた。



「6年振りだな、皆が揃うのは。」



ギルティーノの声に俺は口を開く。



「あ!そういえばさ、ウチが考えたペルじゃなくてシンバって名乗ってんの、許してないから。」



コッパーは銃で俺の額を突ついている。



「前置きはいい。何かあったのか。」



するとゴールドが口を開く。



「今、ボクの軍が警備当番なんだけど、ボク極秘任務でしばらく本部を離れるんだ。その前にアルクくんとシリウスくんの指輪の確認しておきたくて……」


「確認?」


「うん……ボクは大丈夫だと思うけど、あれから6年付けっぱなしだからさ、ボクの才がしっかり発動するのか……確認してから行こうかなと思って。」


「そういう事なら問題ない。あの時から6年も経った。アルクも力を付けた。それより指輪を外して元に戻った姿を見た時の方が問題だ。」


「そっか……そうだようね。うん……分かった。そういう事ならボクは任務に行くね。」


「ああ。ありがとうな。」



(ああ。これがゴールドとの最期だったな……

ありがとうな。ゴールド。お前が居たから奪り戻せた。)



「俺さ〜、さっきさ!シファレンの前でシリウスって呼ぼうとしたんだ、そしたら、シリウスってば殺気凄くて!!俺、死んだ。と思ったね〜!」


「お前は呼び方を気をつけろ。催眠、掛けられたいのか。」


「じゃあ班長って呼ぶ〜!」


「班長?……好きにしろ。」



俺とプラチナの様子にコッパーが揶揄う。



「プラチナって弱いからシルバーにすぐ殺られるもんね。」


「なんだ〜?やんのか?」


「あら、ウチに勝てんの?エディなんてヘッドショットで即死。ゲームオーバーよ!」


「はっ!ルカ。お前、俺が「お前はモブキャラだからコッパー」って言ったの気にしてんのか?」


「コッパーは気に入ってるわよ?あんたがプラチナじゃなければね!!!」



プラチナとコッパーは息が上がりながらも、お互い言い合いを止めない。


(ルカ……エディ……お前達の掛け合い悪くなかったよ。)


………。


「いやだ。自分の道は自分でしか歩けねえんだぞ!!……シンバの道なら、シンバが自分で歩けよ!!何諦めてんだよ。約束したじゃねえか。俺強くなるからさ。だからさ……」



(ああ。サン坊か。なんでそんなに泣いてんだよ。)



「絶対に強くなれ。俺が居なくても強くなれ。そして滅びゆく世界の真実を知れ。」



(お前は未来の世界の希望だ。お前なら強くなれる。俺が居なくても。きっと滅びゆく世界のお前は太陽だ。)



「兄さん!!!死なないでよ!!やっと兄さんと会えたのに。ずっと一人にさせてごめんなさい!これから俺と一緒に居てよ。帰ろうよ!一緒に。」



(アルクだ。9年経っても面影は残っている。ギルではない。そこに居るのは紛れもなく、アルクだった。)



「俺……めちゃくちゃ頑張ったんだぞ。褒めてくれよ。」



「兄さんは強い。兄さんはカッコイイ。兄さんありがとう。」



「ああ。俺は今、幸せだ。」



ありがとうみんな。

アルク。ギルティーノ。サン坊。


お前たちが居てくれて俺幸せだったよ。


………

……


その後、シリウスよりギルティーノへ渡された遺言書はツクヨミ隊員を震撼させた。


【ツクヨミ隊員へ。

訳あって、俺は正体を隠し任務を遂行している。この遺言書が知れ渡る時、俺は力及ばず、この世を去っているということだ。

皆に掛けた催眠も解けているだろう。騙されたと怒る者も居るかもしれないな。

俺はアルクと一緒に帰ることは出来なかったかもしれないが、俺はこの結果を決して後悔はしない。

皆、今までありがとう。

ツクヨミ シルバー軍 軍隊長シリウス】



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