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第33話 鍵の男

俺は大きく肺を膨らませ、深呼吸をする。



ふぅーーーーー。



よし、息が整った。



「俺たち運が良いかもな。」



ギルの示す先に1つの部屋がある。



「ざむかりしつ?」


「財務管理室だ。ここに目当ての書類がある可能性が高い。入ろう。」



部屋の中に入ると、そこには膨大な書類が所狭しと並べられている。



「嘘だろ……ここから探すのか?」



字が読めねえ……。



「いや、ここは俺がやる。字が読めないんじゃ意味が無い。こっちは書類を探して持ち出すだけだ。シンバと合流してやってくれ。」



ギルの的確な指示に俺は頷きシンバの元へ急いで向かう。


って、ピーマンの方はシンバに任せっきりで、作戦も何も知らない!!


シンバ、どこだ〜!!




《一方シンバ地下牢へ続く長い階段を降りていた。》



延々と薄暗がりの続く地下牢へ到着し、オイルランプに火を灯す。



「広いな〜〜!やっほ〜!キーマン〜!居るか〜?」



俺の声は地下牢中に響き渡る。



「ゔぅ……ここだ。」



声を辿りに檻へ近づいて行くと、キーマンは拷問でも受けたのか服は破れ、体中を殴ったんだろう。キーマンの体には打撲痕が残っていた。



「おい、足大丈夫か〜?」


「足?あぁ。足は大丈夫だ。」



俺の言葉の意味が理解出来ない様子だ。

キーマンは戸惑っているように見える。



「だって、キーマンってば義足だろ〜?9年前から。」


「何を言ってるんだ。サルは今何処にいるんだ?」


「サン坊……?お前を助ける為に必死で王城に来てるぞ〜」


「そうか……無事ならいい。」



ハッ……自分の事よりサン坊の心配か。

キーマンの白々しさに、段々俺の頭に血が上っていくのが分かる。



「おい、いつまでやるんだ。その大根芝居。」



突然の俺の豹変ぶりにキーマンは混乱している。



「何、言ってんだ?お前……誰だ。」


「ククク……ハッハッハ!!!」


混乱している様子のキーマンが俺は可笑しくて笑いが止まらない。



「茶番はいい。って意味だが。分からなかったか?」


「シンバ。何が言いたい。」



キーマンの表情には焦りが見える。



「ユーリ。」



キーマンはその名を聞いた途端、全てを理解したのか笑い出した。



「ああ。そうか。そうゆうことか。お前、シルバーか。」



キーマン、いやユーリの声はいつもの青年のような声の面影はなく落ち着きのある低音の声に先程の焦りは感じず、むしろ堂々とした姿に余裕すら感じさせる。



「俺が探していたシルバーが、こんなに近くに居たとはな。俺にいつから気付いていた。」



ユーリの問いに俺は笑ってみせる。



「知ってるだろ?俺の才。一度見たもの、聞いたものを俺は忘れない。お前は常に俺を警戒し、声も姿も変えていた。ただあの時の1回を除いてはな。」



サムグ国での一連の出来事を思い出す。


__『サンッ!!!』


『キーマン、そんな声も出るんだな〜!大きな声初めて聞いたぞ〜』___



「あれで確信したさ。こいつはあの時のユーリで間違えないと。サン坊に感謝だな。」



するとユーリは肩を竦め、開き直る。



「あのバカのせいか。」



ユーリは袖をめくると身体にシールの様なものが貼ってあった。それを剥がした途端に、ユーリの黒髪の長髪は、見覚えのある金色の短髪へと変わった。



チッ。9年前のあの時のままじゃねえか。



「シルバー軍隊長様は消息不明とばかり思っていたが、すぐ近くに7年程居たとはな。しっかり騙されていたな。素直に賞賛するよ。」



ユーリの見え透いたお世辞に俺は鼻で笑う。



「そんな事ねえよ。口調でも変えないと抑えられない殺意でお前の事殺しそうでさ。」


「ヒュ〜♪怖い怖い。」



ユーリは口笛を鳴らし、俺を挑発してくる。




「軍隊長様はこんな所に居ていいのか。シンバがシルバーとはな。あえて似たような名前にしたのか?口調が変わり過ぎて気づかなかった。そもそも9年前初めて会った時と、俺がツクヨミに入った時から今までのお前の顔や髪は違ったよな?……思い出せねえけど違う事だけはわかる。」



俺の顔をユーリは覗き込んできた。


名前気になるよな?俺も笑いそうだったからな。



「名前か。懐かしいな。俺の弟が聞き間違えたんだ。シルバーをシンバだってな。可愛いだろ。」



俺が笑うとユーリは頭の上で手を組み、俺の周りを挑発するように歩いている。



「健気だな。涙が出そうだ。俺だって嫌だったよ?君の可愛い弟くんから才奪るなんて。」



ユーリはニヤリと笑い、話を続ける。

俺は反応せず真っ直ぐ前を向く。



「そして、当の本人は才を奪われた事すら気づかず、出来た兄に大事に大事に守られているだけどはな。」



ユーリは腕を広げ背後から俺を抱きしめた。そして耳元まで近付いて俺を嘲笑う。



「なぁ、ギルがあの時の坊主なんだろ?アルク……だったか?」


「あれれ、よく喋るな〜?俺との力量の差忘れたかな?一瞬で俺に足を飛ばされてたくせによ〜」


「でもその時のお前のまぬけズラも忘れてねえぜ?」



ユーリの挑発に、抑えていた感情の糸がプツンと切れた。



「殺す。」



次の瞬間、俺の剣はユーリの喉元へ剣を突き立てていた。


シンバ=シルバー という重大情報が飛び出しましたね!

ギルはなぜアルクと呼ばれているのか。

9年前何があったのか。

全て明らかになります。是非感想等頂けたら嬉しいです!

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