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第30話 希望と絶望とそして展望を

俺たちは、一度ギルキーの船へ戻り作戦を練り直す。



「くそッ!!!!ピーマンを連れてかれた!!!」



俺は仲間が死ぬかもしれないという状況にイマイチ実感が湧かず、焦燥感だけが募る。



「なんでッ!!俺は!!!あの時動けていればッ!!」



俺は言葉に詰まりながら、自己嫌悪に陥っていく。



「顔を上げろ。キーマンは強い。そう簡単には死なない。キーマンを信じよう。」


「は、何を呑気に言ってんだよ……今すぐ行かねえと……」



なんだよ……キーマンを信じようって。


ギルのありきたりな言葉に俺は腹の中にドス黒い気持ち悪い感情が渦巻く。




「サン坊、ここでギルに突っかかっても、キーマンは死なない訳じゃない。」



シンバ……俺だって分かってるんだよ。ギルにぶつけたって解決しないなんて事は。



一方、ギルはいつものシンバとは懸け離れた姿に混乱しているようだ。


しかしシンバは構わず淡々と話を続ける。



「キーマン救出は俺に任せてくれ。それに、入国申請リストにジョインの名があった。しかも今日の夜、王城にて大規模なパーティが開催される予定だ。警備はバツサイの対応に国の連中は人員を割かれるだろう。その時が任務遂行のチャンスだ。」



「シンバ……何があった。」



そうか。ギルはシンバのこの姿を知らなかったのか。



「シンバを……シンバをどこにやった!!!お前は何者だ!!!」



ギルは激昂し声を荒らげる。


そんな様子にシンバは微笑み、ギルの頭に手を乗せた。


_______


______


_____。



「毎回頭に手を乗せるな!」



ギルはいつもの調子でシンバの手を振りほどく。



「っ!?」



俺は今起きた事が理解出来ずに居た。


ギル……まるで記憶が無いみたいだ。


この現状にシンバだけは全く動揺することなく、戸惑う俺へ近づいてくる。



「今は何も分からなくてもいい。ただサン坊の才はあまりに君にピッタリだよ。」



シンバはただ俺の頭をポンと叩いてこの場を去る。


シンバは俺の才が何かを知っているのか?

なんでだ。



「とにかく作戦はそれでいこう!」



ギルが話を戻すと、俺はなんの事だか綺麗さっぱり忘れてしまっている。



「何だよ作戦って。」


「何って、本日の夜、王城でパーティが開かれる。それに乗じて侵入する。」


「あ?ああ。侵入ね。」



正直俺はそんな事より……お前だよギル。



「体調悪いのか?」



ギルは俺を心配そうに見てくる。



「いや。ギルは?何も……覚えてねえのか。」



「何をだ?」



俺の言葉にギルは首を傾げる。


そうか。今ならシンバの気持ちが少しだけ分かる。

お前はずっと……。



「お前が、死なずに……みんなが死なずに……絶対…任務を成功させたい。」



俺が言葉に詰まっているとギルは豪快に笑う。



「当たり前だ。俺がお前を死なせない!!」


「絶対だぞ!俺が死んだら呪ってやるからな!!!」



俺とギルは不安を吹き飛ばすかのように高らかに笑った。



ありがとう。ギル。


一緒に笑ってくれて。



「声響いてんな〜」



甲板から一人。シンバは海を眺めていた。




シンバ。いつかお前が本気で笑える日が来れたら、この道はきっと正解だったってことだよな。


お前はいつになったら楽になれる。


俺はどうすればお前の力になれる。


シンバを助けるのは誰なんだ。




《それぞれ心に誓った思いは深い夜空が呑み込んだ。


王城潜入まで__あと6時間。》




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