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第21話 汚染エリアにて

3人と僕はミーティングルームで作戦会議をしていた。



「僕の名前はシファレンだ。班長と呼んでくれ。お前達の名前は。」


「はい!私はこの2人と別の1人の班長をしております。グラウンドです。皆、グランと呼びます。」


「私は、キヤラです。」


「私は、バックです。」



三人は素早く自己紹介を終えると、少しソワソワした様子で僕を見る。


何だ……?まあいいか。



「グランとキヤラとバック。お前達は記録係だ。作戦は無い。あるとすれば汚染エリアからユアンへ入るということだけだ。」


「班長、質問よろしいですか?」



グランが手を挙げる。



「一々許可を取るな。効率が悪い。勝手に喋っていい。」


「はい!では、先程班長から頂いた資料には汚染エリアの塀は足場が無く登ることは不可能。とありましたが……。」



ほう。グランはしっかり資料を読み込んでいる。

他のふたりは……まあしょうがない。急に連れ出したしな。



「ああ。それは僕も分かっている。さっき試しに助走なしでジャンプしてみたら総本部の最上階の窓にギリギリタッチできた。総本部は8階立て。恐らく30メートル。そう考えると25メートルほどは跳べたという事になる。汚染エリアの塀も25メートル程と聞いているからまあ、いけるだろ。」


「流石です!」



グランとキヤラとバックは僕を崇拝してるかのように何にでも反応をしてくる。

それがとてつもなく鬱陶しい。


各々潜水艦内の時間を過ごした。

グランは、資料に念入りに目を通している。

キヤラはトレーニングして、バックは報告書を書き始めていた。



「よし、そろそろだ。浮上するぞ。」

「「「はい!」」」



3人は声の揃った返事には緊張しているのが伝わってくる。


班長ならこういう時、見兼ねて声を掛けてくれるはずだ。


「お前達、いつもはどんな任務をしてるんだ?」


「我々は世界中を周り才持ちを探し出しメモリーで才を取り出しています。とは言っても任務は1回だけの新米隊員です。その後すぐにゴールド軍が警備担当になりましたから。普段はそんな重要な任務は一部の隊員にしか任されませんから、ドキドキします。」


「そうか。気負い過ぎるなよ。」



グランの肩に僕は手を置いてみる。

グランは嬉しそうにしている。


それにしても始めからシンバ班に居るから知らなかったが、皆が皆バツサイと対峙してる訳じゃないんだな。



「行くぞ。」



3人と共に僕は汚染エリアの地に降り立った。

そこは想像を絶する世界が広がっていた。


海から逃げようとしたのか、岸には死体が山のように転がっている。


死体で足の踏み場がない。死体から放たれる異臭も鼻が曲がりそうだ。


僕は一瞬動揺を見せてしまった。



「班長……」



しっかりしろ。今の僕は班長だ。

僕がこんなんじゃ班の指揮に関わる。



「死体は見慣れてくる。進むぞ。」



死体を踏み歩き進んでいくと、酷く衰退しているが生きている者も現れた。



「みず……みずくれ」



僕たちを見ると腹這いをしながら近寄ってくる。



「み、水ですか!?……待ってくださいね。」


「無視しろ。目も合わせるな。」



僕はキヤラに声を掛け、また歩き出す。




結構歩いたが……。


暫く歩き進めると、ゴミが積み上がり視界が開けない中、巨大な塀を視界に捉えた。


近づくと確かに25メートル程ではあるが、それ以上に圧倒的な存在感を放つ。


ここに捨てられた者はこの塀を登ろうとしたのか、途中まで積み上げられたゴミの山、岸近くに転がっていた死体と同じくらい。いや、それ以上の死体の数に僕も流石に言葉が出なかった。



「あ、水()り忘れちまった。」



突如背後から聞こえる声に僕は驚いた。


何だコイツ。気配がない。

すれ違った事さえ気づかなかった。

更に僕が驚いたのはここからだ。


赤髪の少年はくるりと方向を変え、巨大な塀を造作も無く軽々と跳越えて行った。


僕達はその異様な光景に唖然とした。




《バックの報告書にはこう記してあった。

___汚染エリアの景色に少年の赤色の髪がよく映えていた___と。》

サンとシファレンの出会いに過去編が動き出しましたね!


是非感想をいただけたら執筆の励みになります……



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