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第20話 今生の別れ

任務の前調べに立ち寄った図書室だったが、ユアンの事を知って行くうちに今回の任務の目的が班長から褒められたいから僕が革命を起こして国を変えてやりたいへと変わっていった。



なんでもユアン王国は国王ハリー・ミエーダの完全なる支配にて国が成り立っている。


何しろ気味が悪いのが『汚染エリア』という存在だ。



18年前に流行病がユアン王国を襲った。


ミエーダは、流行病に冒されている者、動物を1箇所の区域に集めた。


すると、この政策は大成功。


流行病のウイルスは消滅し、ユアン王国は存亡の危機を脱した。



しかし、ミエーダは『汚染エリア』を解放せず、そのまま残した。



その理由は見栄えを気にしたからだ。



要らないものを一箇所に集められる『汚染エリア』はミエーダにとって好都合な存在だった。



ユアン王国は王都ハリー・ボーテ。ソウソウ街、セイル街、そして汚染エリアの4つの区域に分かれている。



ユアン王国へ入る方法は、一つだけのある港からしか出入り出来ない。


その港は王都ハリー・ボーテのみに存在し、外からはセイル街、ソウソウ街、汚染エリアは見えないようになっている。



外部から来た者は錯覚するのだろう。



国全体が王都ハリー・ボーテのように煌びやかで美しいと。


流行病も消え去った今のユアン王国にとって『汚染エリア』とは不要な“モノ”を捨てる場所でしか無くなった。



街や王都で犯罪を犯した者は即刻汚染エリア行きだ。


後は貴族のその時の気分で要らなくなったペット達。

勿論、要らなくなった家具なども捨てられていく。


誰も近寄りたがらないので塀の前は街側に警備が三人程常駐しており、街側の塀には階段を昇り降りできる階段があり、そこから汚染エリア内に投げ捨てていると。



汚染エリア側の塀には登れる足場も無いためまず普通の人間であれば、まず汚染エリアから出ることはできないだろう。



こんなに短時間でここまで調べられたのはザザンの存在が大きい。



「……ん。……レンさん。シファレンさん。……聞いてます?」



突然ザザンが僕の顔の前に現れる。



「あぁ……なんでザザンはそんなに物知りなんだ?」



僕の問いにザザンは特に気にしてない様子で答える。



「俺、この前ここに来たばかりなんです。俺、才多分取られたみたいで何も覚えてないんです。だから知識だけでもと……。」


「才持ちか!すげえな。」


「さあ、そんな事より、次はお金の勉強です!ユアンの通貨はダースと言って__」



コイツも色々大変なんだな。



「おい。ザザン。」


「何ですか?分からない所でもありましたか?」


「僕さ、ユアンから帰ってきたらザザンを弟子にしてやるよ。強くしてやる。」


「何言ってるんですか。僕は今後は研究機関への配属を目指しているんです。僕は闘えないですよ。怖いですし。」


「余裕無い男はモテないッス!」


「もういいですからそれ。じゃあ俺の師匠になるなら俺より賢くなってくださいね。」


「それは……無理だな。」



ザザンと過ごす図書室も悪くねえが。


俺は任務に行く。


連れていくならザザンにしたいが、学校の生徒は本部から出てはいけないというルールがある。



「じゃあ行ってくるよ。」


「はい。健闘を祈ります。」



ザザンと僕は固く握手する。


図書室を後にすると、フィルが嬉しそうにスキップしていた。



「フィル!どうかしたのか?」


「あ、兄さん。医療長と軍隊長達に認められて、この度『ヒーラー』フィルが誕生したのよ。」


ヒーラーか。今はまだ8人しか居ないって聞いたぞ。


流石はフィル。


確か学校を卒業してまだ3年ちょっとか?凄いな。



「まあ、シルバーはやっぱり居なかったけど。」


「シルバーの消息は途絶えたままだもんな。あ、それよりヒーラーになったフィル様へ、兄シファレンよりお願いがございます。」


「何よ。」



僕の話出しにフィルはとてつもない程、怪訝な顔をしている。



「一緒にユアンへ任務行こうぜ。」


「嫌。私、ヒーラーだから本部に当分は居るわ。ん〜5年くらい?その後なら良いけど?」



フィルは僕の提案をバッサリと切り捨てていく。


5年……そんなん待ってたんじゃユアンは腐敗していく一方じゃねえか。



「僕は5分動かなかったら死ぬんだ。」


「なら無理ね。サヨナラ。」



愛しのフィル。兄さんは悲しいぞ。


僕は地面に膝から崩れ落ちる。


もう1人で行こうかな。



__『約束その1一人で行かない。』__



グッ。


班長、貴方はやはり天才だ。

僕の行動は完全に貴方へ読まれています。


ふとゴールド軍の隊員が3人組が寮へ戻って行く姿が見える。



「おい、そこの三人衆。僕と来い。任務だ。」



突然僕に声を掛けられて戸惑う様子の3人だったが、次第に笑顔へと変わる。



「我々がシファレンさんと同じ班になり、任務を遂行するという事ですか。」



何だこいつら目を輝かせて気味悪いな。



「……そうだが。」


「光栄の極みにございます!今すぐ支度しますので先に港へお向かい下さい。我々も直ぐに向かいます。ほら行くぞ。」



僕に一礼し、3人は慌てて寮の方へ走り出した。



「いいの?」



一連の流れにフィルは呆気にとられている。



「いいんじゃねえか。それより僕は汚染エリアという悪しき風習だけが残った異様な国に革命を起こし、再建してやるんだ!待ってろよ兄さんは国一個救ってくるから!」



僕は決意を語ると、フィルは笑ってくれた。



「頑張りなさいよ。お見送りは要らないんでしょ。」


「ああ。」



直に3人は港へ到着した。僕達は潜水艦に乗り込み、


班長との約束、作戦を立てるを遂行していた。

読んでいただき誠にありがとうございます。


サンのお見送りに必ず行くからと言ったフィル。

シファレンの時にお見送りに行かなかった事を悔いていたからでした。


シファレンの悲惨な最後共に見届けていただけたら嬉しいです!

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