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【終末ファンタジー】いつの日かの俺が正解の道に辿り着くまで〜世間知らずの少年は滅びゆく世界で林檎を食べる〜  作者: 鈴木 柊
ツクヨミ本部編

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第15話 才の上限

「それはそれは俺の才は不運の才なのでは無いかと考えていた頃の話だ。」



プラチナは何処からかハンカチを取り出し涙を拭う素振りを見せる。



「昔の俺は、ギャンブルにハマっちまって、あくる日もあくる日もパチスロ巡り。それが俺の唯一の楽しみだった。」


………

……

《遡る事13年前、星歴1737年。

プラチナが一隊員に過ぎない頃。軍隊長ではないプラチナのコード名が無い時代。

彼の名前はエディ。

任務放棄は日常茶飯事。転生の才を持つ男によって持ち込まれたという、パチンコ、スロット、即ちパチスロに明け暮れる日々を送っていた。》



「おい、にいちゃん。そこ俺ん台だろうがよ?」



突如俺の背後から聞こえてくる声に振り返ると、カッチリとスーツを着こなす男の印象からは掛け離れた口調に俺は鼻で笑う。



「そんなにストレスでおかしくなっちまったんなら仕事辞めな〜?」



まあ、任務サボってこんな所に居る俺が言えた義理じゃないけど〜っ。


スーツ男は舌打ちし、俺が先程まで遊んでいた台に座ろうとしていた。


あーあ。その台のデータ、吊られちゃうよね〜俺もまんまとやられたもんだ…。


俺は自分の事は棚に上げてスーツ男を憐れんだ。


しかし、途端にスーツ男の方が賑やかにしている。



「「すげぇ〜」」



俺は胸騒ぎがして急いで自分の台を離れスーツ男の台を見に行く。


おいおい……嘘じゃ〜ん。


俺が目の当たりにした物とは、先程まではピクリとも反応しなかった台が今まさに大当たりしている場面だ。



「すげえ!!お兄さん、たった1000サイン紙幣1枚で確変に入ったぞ!!!」



俺は絶望と虚無感で現実を直視出来ないでいた。


なんだよ、へらへら笑っちゃってよ〜……さっきあんなに凄んできたじゃんか〜。

あーあ。俺の才って不運の才とかそんなんだろうな……ハハ…ハァ。


そんな事を考えながら目を閉じていると俺に異変が起きる。


ん?なんか視界が開けていく。目も開けてねえのに……。


周りの騒音が徐々に遠くなっていき、視界が鮮明になって行く。


もうちょっと。もうちょっとで何か見える……っ見えた!


と同時に目を開くと先程まで見えそうだった何かは消えてしまった。


もしかして…俺の才って不運じゃねえのか?!


その事実だけで俺が我を忘れて走り出すのには十分すぎる理由だった。



「おい、兄ちゃん!!まだ途中じゃねえか!いいのか?」



俺を見兼ねたオジサンは急いで声を掛ける。



「ああ!!くれてやるよ!!俺は大当たりをたった今引いたところだっ!!!おっちゃん、いい日になるといいな!!」



俺の屈託の無い笑顔にオジサンは苦笑いしている。



「くれてやるよっつったって、兄ちゃん……かすりもしてねえよ……ハッおもしれえ兄ちゃんだ。」


……

………


「それが俺様が才の自覚をした瞬間だ〜!!」



プラチナは、誇らしげに語った。

パチスロ……?

それだけは分からなかったが、俺にしては殆ど理解できた。


よし、俺も成長している。



「なるほど、目をつぶるのが発動の条件なのか。」



俺は目を閉じてみる。


変化はない。


「むむむむむ」


俺は更に強く目を閉じてみた。


だが、以前変化はない。


「むむむむむむむむっ」


俺は目から出血しようとも目を開けない!


しかし、全くもって変化なし。


「ふぐぬぬぬぬぬぬぬぬぬぬ」


俺の奇行っぷりににプラチナは呆気に取られている。



「っかー!!!見えねえ……!!!!」


俺は目を血走らせながらプラチナの顔に詰め寄る。


スパーーンッ!


プラチナは反射で俺の左頬に爽快な平手打ちが入る。



「近づくなー!!!怖いわー!!!!」


「痛えっ!!!!!!」


「才によって、発動条件はち・が・う・の〜!!びっくりするから辞めてよ、サンくん!!。あ・く・ま・で!!俺は、目を閉じて、集中することで、先詠みが出来るようになったの!」



プラチナは俺を赤ん坊だとでも思ってんのか、身振り手振り大きく動かして話す。



「先詠み?つまり未来が視えるってことか?最強じゃねえか!!!プラチナも希少才ってやつなのか??」


「ううん!希少才じゃないし、未来が視えるって訳でもない。増してや、無制限で視える訳でもない。僕の才はあくまで先詠み。現状を把握し、先を予測する事に過ぎないんだよ。」



__『5秒先のサンくんは死んでたよ』__



あれがそうなのか。


俺はギルとの闘いの際のプラチナの発言を思い出す。



「そもそも才を自覚するきっかけが必要なのか。」


「そうそう!!だから、焦ってもしょうがない!才を自覚したら、発動をいかにスムーズに出来るか。ただ注意点があるの、覚えてる?」



情報量の多さに俺の頭はショート寸前だ。

そんな中でも俺は必死に思考をフルで回転させる。



「才は増減しない……だったたか…?」



俺の声は自分でも驚く程に小さかった。


プラチナは一瞬間を置いて笑顔見せる。



「……そう!!!」


よし。俺やっぱ成長してんな。

俺は自分を称えてやりてえな。後で林檎食うか。


「だから、俺の場合、1秒から2秒の先詠み、3秒、4秒、5秒と、徐々に長く先詠みできるようになっていったが、5秒以降の先詠みはいくら集中しても視えて来なかった。つまり、俺の才の『上限』ってこと!」


「……」


やべえ。何も分からねえ。


俺を見兼ねたプラチナは少し考えて口を開いた。



「サンくんってリンゴ好きじゃん?リンゴ1個分は切ってウサギにしたり、擦りりんごにしたり、アップルパイには出来るけど、2個目は無いよってこと!」


「は?リンゴはうさぎ?スリリンゴ?アップルパイ?……へ?」



リンゴがうさぎに出来るならウサギは食べたらりんごと一緒の味がすんのか?



「あぁ、待って待って。やっぱ無し。じゃあ〜……元々サンくんはリンゴを1個持ってます。そのリンゴは大きくも小さくもならないままなの。」


「それは最高だな。」



プラチナは俺が分かる言葉で探り探りに伝えてくれている。



「最高でしょ?それで!サンくんの特訓次第でリンゴの形をハートの形のリンゴにしてみたり、四角のリンゴにしてみたりは出来るけど、そのリンゴの大きさは大きくなったりは小さくなったりはしないよって意味!……分かる?」



何となく仕組みを理解した。……気がする。



「分かったような?気はしてる。」


「ふぅ〜。そしたら俺はそろそろ行くよ!一応これでも軍隊長なんでね。忙しい身なのさ〜!」


「あぁ!ありがとうな。何か掴めそうだ。」




《しかし、サンは才の自覚しないまま、本部を発つ日を迎えた。》


プラチナ(エディ)がギャンブラーという意外な一面が分かったところで、疑問がありますよね。


先詠みの才を持った今もギャンブルをしているのかと。


答えは否です!ギャンブルは負けがあるから勝った時の喜びが大きいのでしょうか。


皆さんもギャンブルは程々に。

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