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【終末ファンタジー】いつの日かの俺が正解の道に辿り着くまで〜世間知らずの少年は滅びゆく世界で林檎を食べる〜  作者: 鈴木 柊
ツクヨミ本部編

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第14話 束の間の休息

よし、疲れもすっかり吹き飛んだ。


いつまで本部に居る予定なんだろ。



もう大体は本部は見て周ったしな〜…今日何しよう。取り敢えず訓練場でトレーニングして〜それから考えよ〜と。


ザザンとの闘い、ギルとの闘いを経て、隊員達の俺への評価は変わっていった。



とある日__


あぁ〜腹減ったな〜奪ってこよ〜っと。



俺は電気も付けず食堂の食料保管庫を探る。


ん〜?なんだこれ、タ、バ、ス、コ。


タバスコ!!……ってなんだ?飲みもんか?


蓋を空けて、口が付かないように高い位置からタバスコを飲むことにした。



「ごらぁ!!!飲みもんじゃねえぞ、そりゃあ。」



突然聞こえる怒鳴り声に驚き、ポタッと一滴のタバスコが俺の口へ落ちていく。



「…な、なんだごれぇ」



感じた事のない口の中の違和感に俺の味覚がタバスコを拒絶している。


振り向くとガタイのいいエプロン姿の男が仁王立ちしている。



「料理に使うから旨えんだ。何勿体ねえことしてくれてんだ。作っからよ。ちと待ってろ。」



慣れた手つきで米を握る。



「ほらよ。簡単なもんしか今すぐには出せねえけどな。」



米をわざわざ固めたのか?腹に入れば一緒だろ…



「っ!?……一緒じゃない!!なんだこれ!!うめえな!!」



エプロン男はテーブルに肘をつき俺の食べっぷりに感激しているようだった。



「サムグ国に行ったんじゃなかったか??『おにぎり』はサムグ国の代表する料理の一つなんだ。」


「しっかしそんな美味そうに食ってくれたらぁ、これ以上の幸せはねえ。」


「しかし、なんでまた食料庫荒らしてたんだ??食いたきゃ声掛けろ。」



エプロン男は息をつく暇も無く立て続けに来る質問に何から答えればいいのやら。



「すまん、いままでの習慣が抜けなくてな。」



俺は頭を掻きながら反省する素振りを見せる。


そんなこんなですっかりエプロン男の料理長から懐かれている。



更にとある日__


あぁ〜腹減った〜奪ってこよ〜


部屋から出ようとすると、丁度料理を持ったザザンが俺の部屋に立っていた。



「あ!!サンくん!良かったッス!!気配ないから部屋に居ないかと思ったッス!!」



エプロン姿のムキムキ高身長男。おまけに純粋無垢ときた…



「もしかして、また奪りに行こうとしてたッスか??食堂でちゃんとサンくんの分も作ってあるんスから!!まだ食べてないって食堂で皆心配してたッスよ!」


「あ、すまん。習慣が抜けなくてな。」



俺が適当に謝るとザザンは呆れたように深く息を吐き俺の部屋へ入っていく。



「それ今日で1週間連続で聞いてるッス。」



「え、マジ?…」


「マジッス…」



かなり本気で俺を心配している様子だ。



「ザザンが年は多分上なんだから、敬語である必要無いんじゃないか?」



俺の問いにザザンは一瞬ポカンとした後軽快に話し出した。


「ああ!この口調は憧れの先輩の受け売りッス!別に敬ってるとかじゃないッスから気にしないでいいッスよ!」


悪びれる素振りも無いザザンに俺はすっかりペースを握られる。


「お、おう。」


ザザンは食堂当番の1週間、毎日俺とご飯を一緒に食べてくれている。


俺にばっかり付き合って貰ってるから今日はザザンの好きな事を聞いてみたが、


科学研究?開発?とか何とか言って、

付き合ってはみたものの、

勿論、全くさっぱり何一つ分からなかった。



それまたとある日__


俺はプラチナに聞きたいことがあり、プラチナの部屋へ訪れていた。


部屋の扉をノックして、プラチナが出てくるのを待つが、

出てきたプラチナはやけに服が乱れ、

顔が火照っている。



「サンくんか、どうした〜?」


「今、ちょっといいか?」


「今か……今はちょっと……な」



そう言いながらプラチナは親指を立て、

部屋の中をクイッと指している。


なんだ??


部屋を覗くと、フィルの姿が見える。



「もう!今しなきゃいつするの!!!」



俺とフィルの目が合う。



「「へ?」」



俺は何故か反射的に扉を閉めた。


扉越しに二人に声を掛け直ちに逃げ去る。



なるほど。これはあれだ。



「すまん!お前たちの邪魔したな!!じゃあな!!」



ダッダッダッダ……!!!!


段々足音が近づいてくる。


俺が振り返ると、鬼の形相でフィルが追いかけて来ている。



「うわああ!!そんな怒んなよ!悪かったって。」


「勘違いしてるわよ!!」


「勘違いも何もプラチナとフィルは愛し合って……」


「なーーーい!!」



フィルは俺の言葉に勢い良く遮る。



「ないないないない!!!ないから!!!」



フィルの必死な姿に、俺は戸惑う。



「分かった、分かったから落ち着け!」



フィルの肩をガシッと掴む。



「へ?」



ポポポポッ…フィルの体温は急上昇中。



「ポポポポ?おい。顔から煙出てんぞ?」


「……て……いで。」


フィルは恥ずかしそうに下を向くとブツブツ呟いている。


俺は聞き取れず聞き返す。



「ん?フィル?」


「そうやって……すぐに触らないでええええ!!!」



俺の手を払い、フィルはプラチナの部屋へ走り去っていった。



ガーーーーーン。


俺は膝を着き衝撃を受けている。


もしや、この前シンバ達が話していた生理的に無理というやつか。


俺はギルとシンバの会話を思い出していた。


それは昨夜の事


………

……


「やはりボスはかっこいいな。生命力の強さを感じる。」


ギルの思いにシンバは決して共感しようとしない。


「うげえ。あんなのゴリラが人間の皮かぶってるバケモンだろ〜。()()()()()()〜」


()()()()()()


……

…………


これか。これが生理的に無理。


ズキンッ__。


俺、ギルと闘った後から時々心臓が煩くなったり、痛くなったり……俺病気??


バイ菌も綺麗にしたら死ぬっていうし。俺もあんな所に16年ぐらい居たんだもんなー。同じようなもんか。



「よしっ!これで大丈夫!!」


「なんだ……熱があったならそう言えよ。てっきり……」



俺が言葉に詰まっていると、見兼ねたプラチナが揶揄ってくる。



「てっきり〜?なになに〜??何を考えていたのかな?16歳、サンく〜ん?」



ニヤニヤと気色の悪い笑みを浮かべているプラチナにフィルは呆れている様子だ。



「じゃあ、行くから。サン、誤解だけは絶〜対に!!やめてよね!!!」


「あぁ。()()()()。」



俺の言葉に一瞬間が空いた気がした。



「え。あ。それじゃ。うん。じゃ。」



フィルは慌てて扉を閉める。


……………

……


良かったって何よー!!

良かったって何だ?


《サンとフィルは思考は違えど頭を悩ませるのであった。》


「もう!!びっくりして最後変になっちゃったじゃない!!!」


フィルはブツブツ言いながら、廊下を駆け抜ける。

かと思えば、ピタッと止まり、思い出しては悶々としている。



「ていうか、プラチナと誤解されてたの、すごい嫌。」



「もーーーう!!!!」



廊下へ響き渡るフィルの声にすれ違う者たちはフィルのサンへの気持ちを汲み取っていく。


ガンバ。フィルちゃん。



《当の本人は心の内で応援されている事も、ましてやサンに好意を抱いている事を気付かれている事も思考が追いついていなかった。》


「フィルの奴、大丈夫か?……ん、それで?何の用だったんだっけ?」


プラチナが俺へ用件を尋ねる。



「あ?あぁ。俺、才の使い方知りたくて。どうやって才に気づいたんだ?」


「え〜多分参考になんないよ??」


「いいんだ。少しでも前に進みたい。」



俺の頼みにプラチナは自身の胸をトンと叩く。



「そんなに言うなら、仕方ないよな〜可愛い新人の為だ。プラチナ様が人肌脱いでやろう!!」



「それはそれは俺の才は不運の才なのでは無いかとそれはそれは真剣に考えていた頃の話だ。」



プラチナの話出しに俺は期待に胸を躍らせるのであった。


フィル可愛いなと思った方は是非評価お待ちしております。


プラチナは如何にして才を自覚したのか……続きが気になる方は応援お願いします!

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