表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【終末ファンタジー】いつの日かの俺が正解の道に辿り着くまで〜世間知らずの少年は滅びゆく世界で林檎を食べる〜  作者: 鈴木 柊
ツクヨミ本部編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

14/22

第13話 フィルの真意

目を覚ますと、俺はフカフカなベッドの上に居た。


ぼんやり天井を眺めていると突然フィルが顔が俺の視界に入り込む。



「きゃあ!!!」

「おわあ!!!」



フィルと俺の驚いた声が重なる。



「起きてんなら言いなさいよっ!!!」



フィルは頬をプクっと膨らましている。



「今起きたんだよ」



俺は頭を掻きながら辺りを見渡し、


フィルはベットの傍にある椅子に腰を掛ける。



「ねえ、なんでこんなにボロボロになるまでギルと闘ったの?勝てると思ってたの?」



フィルは何かを確認したいかのように俺へ尋ねる。



「俺が俺らしくいれるためだ。大事なもんはしっかり掴んどかなきゃな。」



嘘じゃない。


俺は後悔など微塵も感じていない。


寧ろ俺はギルと闘えて良かったとさえ思っている。



「ごめんなさい。私、あんな態度……貴方に取るべきでは無かった。」



突然フィルは立ち上がり俺に頭を下げた。



「お前……さては何かに取り憑かれてんだろ。コロコロ表情変わって見てておもしれぇけどな!」



俺は無神経なことを言ったのか

フィルの目には涙が浮かんでいる。



「わあー!!!すまん!!!言い方?悪かったか!!」


「私は、貴方が……いや、誰かがシンバ班に加入するのが嫌だったの……ずっと三人で居て欲しかった。」



フィルは突然心の内に秘めた本心を語り始めた。



「貴方の存在を認めては、皆兄の存在をいつの日か忘れ去られてしまうんじゃないかって怖かったの……」


「兄?」


「3年前死んだの。」



フィルはスカートの裾をギュッと握り、両目に溢れんばかりの涙を貯める。



「俺、そうゆうのに疎いんだ。だから無理に話す必要はねえ。」



こういう時に適切な言葉を掛けてやれる程出来た人間じゃないのは俺が1番分かってる。


しかし、フィルは首を横に振り、俺をジッと見つめる。


「聞いてくれるだけでいいの。何も言わなくて。それに貴方が今から任務で行くところユアン王国よね?」


「だったかな。」



フィルの問いに俺は反射で答える。



「私の兄はユアンで死んだ。国王ハリー・ミエーダの何らかの才によって。」


「兄は行く前言ってたの。「ユアンは、差別的な国家。本来の目的をも忘れ、ただ『汚染エリアという悪しき風習』だけが残った異様な国に俺は革命を起こし、再建してやる!」

って。」


「へぇ。立派な兄ちゃんだな。」



俺は率直にそう思った。


俺の言葉にフィルは笑顔を作る。



「でも、それは叶わなかった。」


「あの時、他の班の皆は別任務に行ってて、兄は1人総本部に残っていた。

その場に留まるのが苦手な人だった。だって、5分もその場にジッとして居られないくらいよっ?!」



ハハッと楽しそうに話すフィルに俺の表情も釣られて笑みが浮かぶ。



「だから、余計ユアンの情勢を知った兄は居ても経っても居られなかったの、俺1人でユアンを再建するんだ〜!!って!」



確かに。外に出てきた今なら俺の育った国の異常さは少しは分かる気がする。


そして、どんなに俺が小さな世界で生きてたことかも。



「その時、本当ならシンバ達に知らせるべきだったの。でも、正直当時の私は兄が死ぬかもなんて考えも無かった。だから、さっきの貴方の言葉を聞いて目が覚めた。」



__『……このままじゃ、俺はもしかしたら強いかもって…実力はねえのに、プライドだけが残り続けちまう。それは今後、俺の人生にとって障害になりそうな気がする。しょうもない人生を送ることになっちまいそうな気がする。そしたら俺、この道を選んだことさえも後悔する気がするんだ。』__



「独りよがりな思いで、貴方の人生の邪魔してる私がとても恥ずかしくなったの。任務…頑張りなさい。そして生きて。帰ってきて。お見送り必ず行くわ。」



フィルは拳を前へ突き出し、俺の胸へ当てる。



「ああ!!俺達が悪しき風習とやらをぶち壊してやるよ!!……あっ!!!それとも一緒に行くか?」



俺の提案にフィルは表情をコロコロと変えながら考え込み、小さく頷いた。


どうするか答えが決まったようだ。



「行きたいところだけれど、私『ヒーラー』だから、何かある時のために、ここに残らなくちゃいけないの。」


「ふーん。ヒーラーってのはなんだ?」



俺が何も考えずに聞いてみると、フィルはよくぞ聞いてくれたと言わんばかりにフフンと自慢気に答える。



「アナタほど特別なものではないけれど、医療機関施設で特別なカリキュラムを受けた者は『リリース』という称号を名乗れるの。基本的には『リリース』が班に一人は配属されるんだけど、班での任務をこなし、実績を積み、医療機関施設代表と軍隊長達に認められた者のみ、『ヒーラー』を名乗ることが出来るの…って聞いてる??!」


「うん!お前がすげぇ頑張った事はわかった!!」



自信満々に答える俺の様子にフィルは笑みを浮かべる。


サンの言葉にフィルは一瞬時が止まり、何事も無かったかのように咳払いをする。



「んんっ!私の事はいいから!!サンは無事に帰って来てよ。ミエーダの才……何かは分からない。生きて。生きて。帰ってきなさい。」



「ああっ!!じゃあな!!」



俺はフィルの頭に手をポンッと置いた。


こういう時、いつもシンバは頭に手を置いてくれる。



あんま見てなかったから気付かなかったけどよく見るとフィルの顔は綺麗だな。



窓から風が吹き抜け、フィルの赤色の長い髪が揺れる。


その美しさに俺の心臓は高鳴る。


あれ。ギルから胸殴られてたのか?気づかなかったな。



《この気持ちが何なのか、当然知りえないサンが向き合える日は来るのだろうか。》



暫くしてフィルの部屋の扉が勢い良く開く。



「サンくん!元気か!!……あれ?居な〜い。も〜サンくんって本当に気配ないから見つけるの大変……ってあれ?フィル大丈夫か?」



フィルの姿を見たプラチナは心配そうにしている。



「自分の部屋にドカドカ入られることが大丈夫って言うのなら大丈夫よ。」



フィルは腕を組みながら軽蔑の眼差しをプラチナへ向ける。



「いや、顔赤ぇからさ!!あっ!さてはフィルちゃん、もしかして俺に惚れちゃった〜??」



「へ?」



プラチナは調子良くフィルに向かってウィンクをする。


フィルはサンの手が触れた頭が熱くなっていくのを感じていた。


フィルは思いっきりプラチナを突き飛ばし、勢い良く部屋から出ていく。



私が?サンの事を?……

フィルの脳内にポッ……とサンの顔が浮かぶ。



もー!そんなんじゃないんだから!!


私はただ仲間として……



__『お前がすげぇ頑張った事はわかった!!』__



……ボボボッ。フィルの顔が赤くなっていく。



「あああああー!!!違うからあああああ!!」



何かから逃げるようにフィルはひたすら走り回った。


いよいよシファレンが出てきましたね!

シファレンはどんな人物だったのか……!

乞うご期待下さい!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ