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【終末ファンタジー】いつの日かの俺が正解の道に辿り着くまで〜世間知らずの少年は滅びゆく世界で林檎を食べる〜  作者: 鈴木 柊
ツクヨミ本部編

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第11話 ザザンvsサン サンの覚悟

俺はザザンと距離を空けて向き合い開始の合図を待っていた。



プラチナ軍隊員、プラチナ、ギル、シンバ、キーマンはギャラリーで試合を見届ける。



「ルールは簡単〜今持てる最大の力で真剣に闘う事!!怪我しても恨みっこ無し!

ただ、殺すのは無し!!

殺しちゃったら『ヒーラー』でも、元には戻せねえからね!!死んでなければヒーラーがなんとかしてくれる!さあっ頑張って!!!」



楽しそうなプラチナの声が訓練場中に響く。



頑張ってって言われてもな〜、前は三人から逃げようとしてギルから呆気なく捕まっちまったし、


思いっきり殴ろうとした拳はあっさり簡単に止められちまったしな。


ここの連中って、もしかしてバケモンしか居ねえんじゃねえのか?


……あぁ。死んだら死んだで、この道選んだ俺の運命だな。



「!」



ザザンが攻撃体勢を取っている。


静寂が支配し張り詰める空気の中ザザンは一気に俺との距離を縮めてくる。



右の足!蹴り上げ来るっ!……ん、遅いな。

フェイントか?だったら本命の攻撃が来るよりも先に俺が。


瞬きする合間に、俺はザザンの懐へ入り込んだ。


息をつく暇もなく、蹴り上げようとしているザザンの右足を素早く右手で地面へ叩き落とす。


そのまま右へ一回転し俺の後ろ左肘が体勢を崩したザザンの顔面に入る。



ダァァンッ_____


その威力でザザンは壁に打ち付けられる。


その衝撃で打ち付けた壁の一部がボロボロと落ちている。



ザザンは何が起きたのか理解できず放心状態だ。


早くて見えなかったッス。

何が起きたッスか。

これがプラチナが言ってたサンくんの才…ッスね。


なーんてザザンの奴思ってんだろうが、違ぇぞ。


プラチナはザザンの思考を完全に詠んでいる。


あれは____



「才じゃない。」



シンバとプラチナの思考が重なる。


おっと、やっぱ班長も気づくか…!気が合うねぇ〜。



「サンくんはスピード系の才ッスか!油断したッス…なかなかやりまッグバッ」


起き上がったサザンの顎を思いっきり蹴り上げる。


ザザンの体が宙へ投げ出される。


空中で体勢を変え、俺との距離を取る。



あれっ…どこッスか。


ザザンは俺位置を掴めないでいる。


「ほれ。」


ッ!?いつ間に後ろに…気配が…消えていた?…


ザザンは突然力が抜け、ストンと座り込む。


「へ?」


膝カックン???


「顔、平気か?」


俺は加減が分からずやり過ぎたのかも分からないが

ザザンの顔を見ると不安になった。



「へ?」


ザザンの顔は原型を留めない程に腫れあがっていた。


「ひ、ひふのまひふひろひひはっふは…」


「すまん。分からん。」



思いがけない結果に訓練場は騒然としていた。



驚いたな。勝てずともいい勝負は出来そうと思っていたが、才も使わず、ザザンを一蹴するとは…


「おい、班長!!バケモン連れてきやがって…」


プラチナは慌ててシンバへ耳打ちをする。


「俺じゃねえ〜もん。ギルだもん〜。俺は、賛成しただけ〜」


シンバ班の三人だけは最初からこういう結果になる事を分かっていたようだった。



「おーい!そしたら『リリース』は、『ヒーラー』が来るまでザザンの治療開始!!」



プラチナ軍に所属するリリース達が一斉にザザンへ駆け寄る。



「顔ばかりすまねえな。隙があるところ顔しかなくてよ。俺がお手柔らかにって言ったせいだよな。ありがとな。」



俺は少し申し訳なくなり、謝った。



「傷に塩擦り込みすぎだバカ。」



キーマン俺の言動に呆れている。その様子にサザンは照れたように笑う。



「ひは、ほへはほはひほははふひへふはは。」


「分からん。」


「可哀想ー。」



ピーマンの冷たい態度に俺は冷ややかな視線を送る。



暫くして訓練場の扉が強く開いた。


その先には総本部前で遭遇した、長い赤髪のフィルの姿が現れた。



「お!!フィルこっちこっち!」



プラチナが手招きし、フィルはザザンへ駆け寄る。



俺の姿を見るや否や鋭い目つきで睨み付ける。



「ザザンがこうなるまで、ボコボコにして…優秀な才持ちの最年少くんは随分優遇されてさぞお気持ちのよろしい事でしょうね」



フィルは俺に悪態を着きながら的確な治療をしている。



「よし、もう終わりよ。」


「ありがとうッス!でも、サンくんにそんな事言ってはいけないッス!サンくんの才、早すぎて見えなかったッス!」



ザザンの羨望の眼差しに俺は少し戸惑う。



「ん?俺、才使ってたのか?気づかなかった…」



俺は戦闘中を振り返るが、心当たりは全く見当が付いていない。



「いや、サンくんは才は使っていないよ。あのスピードは純粋なサンくんの身体能力から来るものだよ。気配が無いのも、身のこなしもね!!」



プラチナが端的に説明すると、ザザンは肩を震わせる。



「才を使ってない…それなのにその強さを…俺、めっちゃ悔しいッス。」


「ザザン、お前は決して弱くない。腐るなよ?」



プラチナはザザンの肩にポンと手を置く。



「了解ッス!!次は勝つッス!!」




《戦闘が終わり盛り上がる。__ただ一人を除いては。》



俺が…強い?…そんな訳ねえだろ…



「ザザンに勝っちまった…」


「あいつあんなに強かったのか」


「今まで色々言ってたの大丈夫かな」


「復讐されたらどうする…」



試合の全てを見ていた隊員が分かりやすく動揺している。



止めてくれ…このままじゃ…俺は…


周りの称賛に俺は気持ち悪さを感じる。



「ギル。」



俺は不快感を振り払うようにギルへ語り掛ける。


「一戦頼む。」


「おいおい!サンくん、勘違いはいけねえ、ギルと闘うのはまだ早…」



プラチナの忠告は今の俺にとっては邪魔でしかない。



「このままじゃ!!!!……このままじゃ、俺はもしかしたら強いかもって…実力はねえのに、プライドだけが残り続けちまう。それは今後、俺の人生にとっての障害になりそうな気がする。しょうもない人生を送ることになっちまいそうな気がする。そしたら俺、この道を選んだことさえ後悔する気がするんだ。頼む。」



シンバはニヤリと笑う。


俺はただギルの返答を待つ。



「俺でいいのか。」


「お前がいい。」


「いいだろう。手加減は期待するな。」


「ああ。」



《訓練場にて ギルvsサン 戦闘が始まろうとしていた》

サンの描写に今までで一番の熱が入りました。彼の『後悔したくない』という叫びが、読んでくださる皆さんの心に少しでも届けば幸いです。続きも全力で書きます!

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