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転生したら、魔王城総務課の新人でした。

駄文ですが読んでくれると嬉しいです。

多分設定とかグダグダなので、雰囲気だけ楽しんでってください orz

──俺の人生、働いて終わった。


毎朝、満員電車に揺られ、会社で働き、終電でる帰る。

土日も「納期が近い」だの「取引先が─」と言われ、ちゃんと休んだ記憶がない。


ここ数年そんな生活を続けていたが、とうに体は限界を迎えていたようだ。

ある日の朝会、ホワイトボードの前に立ち、スケジュールの確認や昨日の報告をしていると世界が、

ゆっくりと傾き始めた。


最初はほんのわずか、視界の端が揺れるだけだった。

だが次の瞬間、床が波打つように遠ざかり、重力の方向がわからなくなる。

視界の端が灰色に染まり、中心だけがやけに明るい。

音が遠のく。人の声も、椅子のきしむ音も、全部、水の中に沈んでいく。


身体を支えようと手を伸ばしたが、腕が鉛のように重く、思い通りに動かない。

重力が一気に引き戻してきて、世界が斜めに崩れた。


もう終わりなんだ。


せめて次は、もう少し人間らしい生活がしたいな。




── そして、目を覚ますと。


「…ようやく起きたか、人間。」


目の前にいたのは、長い白髪と黒い2つの角をもつ美しい女性だった。

周囲を真渡せば、黒いつやつやとした床、宙に浮かぶ大きな岩のようなもの、赤黒い旗。

職場でも病院でもない。


「俺…職場で。えと…どちら様ですか?」


「我が名は魔王ヴェスティア。この城を滑るものだ。──そしてお前は、新しく我が軍にやとわれた、総務課の新人だ。」


「…はい?」


耳を疑った。

雇われた? 総務課? 俺が? てかあの人魔王って…


「お前、前世では会社にとても貢献していた。魔王軍にとって、今そういう人材は貴重なのだ。」 


「ちょ…ちょっと待ってください。状況が全然わからないんですけど…」


「……ふむ。少しこの世界について説明してやろう。」



──とんでもないことが起きた。話を聞いてみると、ここは俺からいう異世界みたいなものらしい。

  魔族たちが暮らす国家『ヴァルクレイン』

  俺がいるところはこの国の中心、魔王城らしい。


  そして、この国は北方に広がる人間や勇者が暮らしている『アルディナ』と対峙しているとのこと。

  といっても勝手に勇者が戦いに来るんだとか。

  俺がここに呼ばれた理由は「‘‘効率化思想‘‘を持つ魂を探していた」らしい。

  だからここにいる…と。


ありえねぇ。ありえねぇよ…こんなこと。



「──これで話は終わりだ。では早速で悪いが、今日から総務課勤務よろしく。

                  担当は‘‘勇者討伐‘‘の予算管理だ。検討を祈る。」


そう言って彼女は指を鳴らした。

次の瞬間、俺の足元で魔法陣が光、体がふっと宙に浮く。


──そして。


ドサッ


「いっ…てぇぇ。ここ、どこだ?」


周りには足の踏みどころがないくらい、資料や本が積まれている。

どこかの部屋のようだ。壁にはびっしりと本棚が並んでいた。少し薄暗いがいい雰囲気だ。


しばらく部屋を見回していると、後ろから誰かが近づいてきた。

恐る恐る振り返ると、ローブを着たガイコツが立っていた。


「おぉ!君が魔王様の言っていた新人君だね。

    私は総務課主任を任されたアッシュ=ドノマールだ。よろしくね。」


「が、ガイコツがしゃべった !?」


「あっはっは。そんなに驚くことではない。君もすぐになれるだろう。じゃっ、今日のノルマだ。」


アッシュさん──いや、主任は、少し奥に引っ込み、たくさんの資料を抱えてきた。


「これは、戦死者たちの再雇用申請書だ。勇者との戦いでやられた魔物たちを復活させて、もう一度はたらいてもらうんだ!エコでしょ。」


エコってそんな命をものみたいに…やっぱり魔界は魔界か。


「そうだなぁ…まずは魂の所在確認から始めてくれる?」



「え?待ってください!こういうのって人事課の仕事じゃないんですか?」



「総務は何でも屋だ。あぁ、それと‘‘魔王軍懇親会‘‘もやるから。その会場予約も頼めるかい?」



「まじか。転生しても社畜なのか…俺って。」


しばし唖然としていると、どこかから香ばしい香りが漂っていた。


「あぁ、もう昼の時間か。新人君!案内がてら食堂に行こうか。

    まぁ魔族用のメニューだから、人間の舌に合うかはわからんがな。」


俺は恐る恐る、アッシュさんと食堂へ向かった。

そこには、さっきの部屋より開けた、明るく活気に満ちた空間だった。

ゴブリンや、リザードマンなど、アニメで見たことがあるようなモンスターが呼び込みをしていた。


「いらっしゃいませ~! 本日のメインはマンドラゴラの根っこ煮込みでーす!」

「そこのにーちゃん!揚げたてのバジリスクどお? おいしいよ~」

「ビール、キンキンに冷えてるよ~」


食堂の片隅では、大柄なモンスターたちが大声で談笑していた。



「お、見ない顔だな!新人か?俺はオーガ部隊の長。ラグノスだ!

    そうだ!今度新人歓迎会でも開くか!ビスターちゃん今度飲み放題のコースよろしく!」


「はいはい。ごめんねー騒がしくて。いつもこんな感じなんだ。」


どうやら、魔王城の職場環境は思ったより‘‘人間臭い‘‘。

ほんの少し、懐かしさすら感じた。



 午後、俺は机の山積みにされた書類と格闘していた。

内容はどれも突っ込みどころ満載だ。


例えば「勇者戦で失った腕の再生費を経費で落としてほしい」だとか「上司のハラスメント」とか。



「これって…どう処理するんだ。」



「あぁ!内容を確認して、承認の印をもらえばいい。──ただ、魔王様はとても気まぐれだ。」


そういってアッシュさんはため息?をつく。

話を聞くと、「寝てる」「散歩してる」「気分が乗らない」などとなかなか印を押してくれないらしい。


「現世のブラック企業と変わらねぇな…」


Excelはないが、表を作り、仕分け、優先度別に分類していく──

気づけば、俺の机だげがやけに整っていた。


「ふむ…やはり手際がいいな。さすが魔王様が見込んだ人間だ。


「まぁ、地味で地道な作業、嫌いじゃないんで。」


「そうか…ならば頼もしい。実は明日、‘‘魔王軍労働環境調査会‘‘があるのだ。」


「…何ですか?そのいやそうな響きのイベント。」


「まぁ、要するに、勇者対策より重要な‘‘労働改革会議‘‘だな。」


──嫌な予感しかない。




翌日


俺は魔王城の会議室にいた。長机の両脇にはいかにも「長」という風格の者たちが座っていた。


「うぅ…緊張する。」


すると隣の席にドカッと誰かが座った。



「おう!お前が最近入ってきた奴か?俺はイグナ!よろしくな。」


「おぉ….お願いします。」


──すっごい明るい人だなぁ。



そうこうしていると進行のアッシュさんが口をお開いた。


「では会議を始める。これは‘‘勇者討伐‘‘よりも重要な問題と、魔王様がおっしゃっている。」


「勇者討伐より重要な問題…?」


「それでは魔王様。お願いします。」



そのとき、主催席に座っていたヴェスティアさんが立ち上がり


「あぁ──それは残業時間の削減だ。」


「えぇぇぇぇ!?!?」


全員が頭を抱える。イグナさんが吠える。


「しかし、魔王様!そんなことをすれば、戦場維持ができぬ!われらの誇りは戦いにあるのだ!!」


「しかしだな、イグナよ。部下たちの不満も高まっている。‘‘休日が欲しい‘‘などという意見も……」


「休日!?戦士に休日など──」



「あの…イグナさん。燃え尽き症候群って知ってますか?」


俺が思わず口を挟むと、全員の視線が俺に集まった。


「人間……貴様、何を知っている?」


「いえ……その、俺の世界の言葉なんですが。働きすぎると心が壊れるんです。

                 俺の世界では、それで多くの人が倒れました。」


会議室が静まり返る。


ヴェスティアさんがゆっくりと頷いた。


「ふむ…人間の言葉も一理ある。では、休暇制度を導入しよう。」


「ま、魔王様。本気ですか?」


「うむ!‘‘魔王城下記休暇制度‘‘の創設だ。企画は人間、お前たち総務課がまとめよ。」


「うぇ!?おれぇぇ!?!?」


こうして、魔王城初の労働改革が始まった。




夜。


書類の山を片付けながら、俺は思う。


転生しても、やっぱり仕事は仕事だ。


でも、ここの連中は──不思議と嫌いになれない。


ラグノスさんやイグナさんは豪快だけど仲間思いだし、アッシュさんも見た目は怖いけど面倒見がいい。

ヴェスティアさんも意外と真剣に、部下をみている。


「ふふ……ようやく良い人材が来たな。」


ふいに背後で、魔王様の声がした。

振り向くと、月明かりの下でヴェスティアさんが微笑んでいる。


「今の我が軍に必要なのは、武力よりも秩序。お前のような者が、我々を強くするのだろう。」


「……買いかぶりすぎですよ。俺、ただのサラリーマンなんで。」


「いや、その‘‘ただの‘‘が、一番難しいのだ」


そういって、静かに去っていった。


机の上には、一枚のメモが残されている。



──『新入社員研修会:明日午前9時より。遅刻厳禁』


「……結局、どこでも朝は早いのかよ。」


俺は苦笑しながら、ろうそくの火を吹き消した。



いっぱいアドバイスとかほしぃ

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