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【最終章:朝】
建物の中。
風の通らない場所。
壁に凭れ、二人は座っていた。
銃はもう、手にはなかった。
ノノは目を閉じていた。
彼女にとって、夜も朝もない。
風の音も、遠ざかっていた。
ハルは、わかっていた。
窓の隙間から、うっすらと朝の光が差し込んでいる。
それでも、何も言わなかった。
小鳥の声が、どこかで一度だけ聞こえた。
それに気づいたのは――
どちらか、あるいは、両方だったかもしれない。
朝は来た。
それ以上のことは、誰にもわからない。
見て頂きありがとうございます。
悲しい作品に仕上がってしまいました。
2人はこの後どうなるのか。
この世に生まれてきてよかったって言えるようになるかな。