表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
灰の先へ  作者: ユイ
1/6

【プロローグ:闇のなか】

こんにちは!ユイです!

2作目となります!


1回消してしまったのでまた載せておきます!

彼女は銃を抱いて、壁に凭れ、蹲っていた。

戦場は静まり返っていた。


硝煙と、黒煙と、焼けた血の臭い。

空は黒く染まり、遠くで爆弾の光が赤く揺れていた。


足音が一つ、ゆっくりと近づく。

彼女は動かない。

闇に慣れた目がなければ、誰も彼女を見つけることはできないだろう。


「まだ生きてるか」


男が小声で言った。

彼女は返事をしない。

代わりに、膝の上で銃がわずかに揺れた。


男はその隣に腰を下ろし、壁にもたれた。

焼け焦げたビルの内部には何も残っていなかった。

道路には瓦礫が散らばり、それがこの建物の一部だったことだけが分かった。


戦争は空爆で始まり、三日目にしてようやく落ち着いた。

だが、仲間の大半は、その三日間で焼かれていった。


彼女は、何も言わなかった。

話す気力もない。


「水、あるぞ」


男が水筒を差し出した。


「なら、いい」


それだけ答えて、彼女はまた黙った。

それは確認でしかなかった。


二人はしばらく、眠った。

夜明けはまだ遠く、夢は昨日の続きだった。

お読みいただきありがとうございました。


たった三人の物語ですが、誰かの心に残ってくれたなら、それがなによりの救いです。


「静かな物語」が好きな方の目に届くことを祈っています。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ