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第5回小説家になろうラジオ大賞byごはん

アナタを愛する事はありませんから! ── のはずが? 〜冷笑を捨て去った雪山辺境伯に愛をそそのかされて〜





「アナタを愛する事はありませんから!」



 顔が良くてお金持ちだからって自意識過剰過ぎでしょう!? 


 と、内心思いつつ。冷笑を浮かべていた雇い主に私は声を張り上げた。


 魔物蔓延(はびこ)る雪山をふくむベルガ辺境伯領。


 ご息女の家庭教師としてコチラに来たはずが、雇い主にれたら即刻クビだと言われ。

 仕事で来たのに開口一番言う事がソレなのかよと、私はドン引きした。


 けれど、訳を聞かされてコチラが謝罪する羽目に。

 この冷たい態度に関わらず、かなりモテるらしい。

 


「申し訳ありませんでした。でも第一印象最っ悪ですよ?」


「ひと言余計だ」


 奥様と離婚してからワンチャン狙いされて、家庭教師も私で三人目だとか。


「僕はかまわないが娘の前ではキチンとしてくれよ」


「はい。そこはちゃんとします」




 次の日。ご息女であるアリス様の可愛さにメロメロにされつつ、お話されている内容を繋ぎ合わせて軽く絶望した。


 子ども部屋にはあふれかえるほどのオモチャや絵本。

 でも、親子が一緒の時間は少ない。


 会話がない?

 嫌われてるかも知れない?

 ちょっとお父さんと大事なお話してくるね。



「娘の前でキチンとするのはアンタでしょうが馬鹿野郎ぉー!!」



 執務室に突撃した私のその後は、口下手なベルガ様と、わがままを言わなさ過ぎるアリス様の橋渡し。

 上は三人、下は五人の兄弟姉妹にはさまれていた私は、主張の激しさや喧嘩の取りなしはお手のものだった。


 まぁ。そうなって来ると必然的にベルガ様と過ごす時間も増え。


『ちょうどよかった。来月のキャンプの話を』

『アリスの誕生日プレゼントなのだが』

『君がいてくれて助かったよ』


 寒々しい印象が、あたたかな雰囲気で笑うようになり。

 あ、なんか胸がキュンとするかもとか、べべべべ別に思ってないんだから!



「いい酒が入ったから飲まないか?」

 

 

 ベルガ様の部屋でワインを口にしながら。


 あれ? 夜に男女二人っきりは不味いなぁと思っていたら、いきなり話を切り出された。



「なぁ、君は本当に僕を愛してくれる気はないのか?」


「ゴフッ!? げほっげほ……」



 酒にせ、クビになりたくないと伝えたら──




「家庭教師じゃなくて僕の妻にしたいんだ。全く脈なしか?」



「とっくに好きだよ馬鹿!」


 最初の自信満々な態度はドコ行った? とツッコミたくなるほどしょんぼり悲しそうにしていたので、反射的に答えてしまった。


 悔しいので、私の返事にとろけるような笑顔を浮かべたベルガ様に。さらに惚れました! なんて口が裂けても言えない!


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― 新着の感想 ―
[良い点] はじめまして。リアル友人に勧められて拝読させていただきました。 面白かったです。居酒屋で友人とおしゃべりしながら作品を品評しています。 偉そうにどこかに投稿するなどはしない人間ですが、…
[良い点] いい。 いいですね! 印象最悪同士から始まる恋。 その過程でのきゅんきゅんが読みたくなる素敵な作品でした!
[良い点] 割とテンプレに忠実なベタアマw [気になる点] バツイチ雪山辺境伯……前作の後日談ですかしら? だとすると、離婚に至る経緯の方に食指がががwww
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