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寝たふりして机に突っ伏していると近くから僕の配信について感想を言い合う美少女たちの声が聞こえてくるんだが!?〜あれ、僕をいじめてた彼はどうなったんだろう〜  作者: マグローK
第二章 ゲーマー女子との出会い編

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第6話 参謀担当どうしやしょう

 いつものメンツみたいな感じで、僕たちは家に帰ってきた。


 家と言えば僕の家だ。恒例の作戦会議場である。


 帰ってくるなり、真っ先に口を開いたのは日向だった。


「それで影斗、あの子はどういうことなのかなー?」


「う……」


 いつもは見せない冷ややかな目で真っ直ぐに僕のことを見据えてくる。


 部屋に入るまで、ドアを閉めるまでは普通だったのは、外では見せないためだろう。


 僕の彼女という存在に、名実ともに就任してから、日向の僕に対する独占欲は目に見えて肥大していた。


 正直、日向のこんな一面、今まで見たことがなかった。ただ、隠していた一面を見せてくれているようで、嬉しい気持ちもある。


 だが、普段ならまだしも、今回に関しては何も恥じることはない。


「別に、やましい理由はないぞ。たまたまゲーセンで知り合って、たまたまそこで縁ができて、たまたま学校で問題に巻き込まれて、たまたま協力することになっただけだよ」


「たまたまねー」


 疑う視線を向けてくるが、僕だって嘘はついてない。


 きっかけこそ、二人から逃げていたからだけど、それだって、彼女と一緒の時間を大切にしたいから、べったりじゃない時間を取ろうという僕の意思だ。これは悪いことじゃないはずだ。


「はいはい。そこまでにしましょ」


 割って入ってきたのは、日向ともう一人、僕が逃げていた相手である怜だった。


「日向さんだって、浪川さんのことを見過ごすことはできないのでしょ?」


 我が軍師のその言葉に、日向も少しペースダウンした。


 持つべきものは公平な裁定者だ。


「そうだけど……」


「ね? 決まったことなんだし、影斗を責めても仕方ないわよ。今は浪川さんの力になる方法を考えましょ」


「……選ばれなかった女のくせに」


「何かしら?」


「別にー」


 今度はそっちで喧嘩になるのかよ。


 バチバチし出した二人の間に、今度は僕が割って入った。


「おい。なんでここで喧嘩になってるんだよ。そんな自爆みたいなことしたら、それこそ坂本くんの思うつぼじゃないか」


「そもそも誰のせいだと思ってるの?」

「そもそも誰のせいだと思ってるのよ?」


 二人の綺麗なハモリ声。


 どうやら、怒りの矛先は僕へと向いた、いや、戻ってきてしまったらしい。


「すみません。僕のせいです」


 閑話休題。


 気を取り直して本題に入ろう。


 すっかり緊張感のなくなった作戦会議だが、効果はしっかりと出ている。ひとまずは、今の形でいいのだろう。


 さて、そうなると、風香さんのことをどうしたものか。


「そうだ怜。何か思いついてたんじゃなかったか?」


「そうね。浪川さんとコラボしましょう」


 一瞬、怜が何を言っているのか分からず固まってしまった。


 いきなりだな。


「え、なに? コラボって言った?」


「そうよ」


 僕の頭上には多数の疑問符が浮かぶ。風香さんの紹介時の意趣返し、とかではないのだろう。


 疑問から返答までのスピードが早いだけでなく、怜の中では結論まで出ていそうな素早さだ。


「ど、どうしてそうなるんだ?」


「簡単な話よ」


 そう言いながら、怜は人差し指を立てた。


 イケてるキャリアウーマンみたいでかっこいい。


「ゲームの実力で坂本くんに勝って、浪川さんの凄さを見せつけるのよ。結局、彼が彼女のことを軽んじているのは、その本質を理解していないからでしょ? だったらやることはシンプルよ。実力差を見せつけてやればいいんだわ」


「いや、そんなことができるなら、そもそも問題になってないんじゃないか? 第一、それが僕、この場合キララなんだろうけど、そのキララとコラボすることにどうつながるんだ?」


 僕はたしかに、風香さんとは主戦場こそ違うものの、雲母坂キララ、バ美肉系VTuberとして、日夜配信を行っている。


 コラボ自体は効果的なら構わないのだが、僕の視点では、いまいちその先が見えてこない。


「だから、影斗もやるのよ」


 こともなげに怜は言った。


「え、僕も? なにを?」


「ゲームを、よ。浪川さんの実力を納得させるだけじゃ、矛先が影斗に向くだけでしょ?」


「ああ。それもそうか」


「だから、二人に勝てないという事実だけを刻みつけるってわけよ。場は私の方で用意するわ。それが、浪川さんのできなかったことでもあるのでしょうし、私が協力する価値といったところかしら」


「となると、コラボする目的は、ゲームで勝つため、その実力アップってところか」


「ええ。そんなところね」


「なるほどな」


 怜のやりたいことがようやっとわかってきた。僕の役割も、今の話でなんとなく見えてきた。怜のことだ。ゲームを軽んじている相手に、ゲームで勝って敗北感を与えられるよう、うまいこと演出してくれるのだろう。


 となると、ここでうまくない実力を高めることが、今回首をつっこんだ僕の責任ってところか。


「え。それじゃあ、わたしは怜ちゃんのバックアップ?」


「そうなるけど、不服かしら?」


「ううん。一緒に頑張ろうね」


 なんだか不穏な雰囲気を放っている二人だが、別に仲が悪いわけじゃないので大丈夫だろう。


「よし、そうと決まれば、風香さんとコラボだな」

新作を書きました。


「TS薬を同僚にぶっかけられた精神魔法研究者は追放を機に全力を出してみたい〜研究者時代は力を抑えていましたが、晴れて自由の身になったので力を解放していこうと思います〜」

https://ncode.syosetu.com/n6491jj/


よろしくお願いします。

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