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寝たふりして机に突っ伏していると近くから僕の配信について感想を言い合う美少女たちの声が聞こえてくるんだが!?〜あれ、僕をいじめてた彼はどうなったんだろう〜  作者: マグローK
第二章 ゲーマー女子との出会い編

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第5話 風香さんを紹介といこうか

「まずは何より、あいさつといきましょうか」


 場を仕切り直して、放課後。


 風香さんもいるためか、彼女と遭遇したあのゲーセンのある、スーパーのフードコートに集まった。


 なんだか怜が居ることに違和感を覚える環境だが、それはそれ。


「何よ。文句がありそうね」


 心を読まれていたのか、不服そうに怜ににらまれてしまった。


「いや、なんでも?」


「ふざけてたら進まないよ」


 やれやれと言った感じで、日向があきれた様子で口を挟んできた。


 流石に気にしすぎと判断したのか、怜の方も、それ以上僕につっかかってくることはなかった。


 そんな様子を受け、風香さんが笑っていることに気づいた。


「あはは。三人とも仲良いんだね」


「まあ、ほどほどに……」


 ここで彼女に、僕たちの関係を詳細に話していたら、話がややこしくなるため、じゃれるのもここまでにしておこう。


 こほんと小さく咳払いすると、怜がテーブルに手をついた。


「司会進行は私に任せてもらおうかしら」


「構わないよ」


「影斗が言うなら」


「あたしもそれでいいよ」


「それじゃあ、まずは順番に自己紹介をしましょう。風香さんは同じクラスでなかったものね」


「そうだね。そうしてもらえるとありがたいかな」


 ということで、僕と怜、日向の三人は、風香さんへ向けて、軽めの自己紹介をした。


 省いた詳細に触れない程度の、基本的な情報だ。


 さて、本題はここから、


「それじゃあ、次は、風香さんね」


「うん」


 元気よくうなずくと、風香さんは全員の顔を見回してから口を開いた。


「あたしは浪川風香。怜ちゃんの言った通り、これまでクラスとかは一緒になってないけど、よろしくお願いします。えっと、後は、あ、知ってるかもしれないけど、特技はゲームで趣味もゲームです。他には、今日はわざわざありがとう。まだ知り合ってそんなに経ってないのに、こんな場を用意してくれて、かな」


「ううん。気にしないで」


 こんな時にも、さりげない優しさを見せられる日向は強いよな。便乗しておこう。


「そうそう。僕だって対処したい問題だからさ」


「ええ。こうなった以上、浪川さんだけで抱える話じゃないわ」


「みんなありがとう。本当に、できることはなんでもするから、よろしくお願いします!」


 改めて、風香さんは頭を下げた。


 本当に責任感が強い子みたいだ。


 あんな幼なじみ、関係を切って、無視してもいいだろうにな。


「そうかしこまらなくても大丈夫だよ。二人とも、心強いし頼りになるからさ。頼っちゃって大丈夫だよ」


「うん。こうして手を差し伸べてくれたんだもんね。そんな気がする」


「へへへ。頼りになるって」


「あなただけを言ったんじゃないわよ」


「わかってるよぉ」


 そう言いつつも、人に頼られたのがよほど嬉しかったのか、にへらとした顔で日向はいつまでも笑っていた。


 そういえば、僕も日向には感謝してるけど、彼女になってからは恥ずかしくて、面と向かっては言えてなかったな。


 き、気をつけよ……。


「それじゃあ、ひとまずお互いのことを軽く知ることはできたかしらね」


「ちょっと待って。風香さん、さっきの自己紹介は、もう少し掘り下げて話しておいた方がいいと思うんだけど」


「たしかにそうだね。さっきのじゃあ、ちょっと言葉足らずだったかも」


 頭の上に疑問符を浮かべている怜と日向。


 それはそうだろう。学年初めの自己紹介だって、だいたいこんな感じで終わるものだ。


 ただ、風香さんについては、もう少し、補足しておいた方がいい情報がある。


 と言うより、今回の火種とも言えるような情報だ。それも、多少僕と関わりのあること。


「風香さんは、プロのゲーマー兼配信者なんだ。多分、そのことについてなら、僕より詳しいと思うよ」


「え!? そうなの?」


 日向が立った。周囲の目を一身に集めるほどの大きな声で叫びながら……。


 そして、


「あ……」


 と、一瞬硬直してから、恥ずかしそうに小さくなって、おずおずと座り直し、


「そうなの?」


 と、改めて聞き直した。


「うん。そうだよ」


「プロなの? すごいね」


「この中だったら一番上手いと思うよ」


「すごい自信ね」


「そりゃ、負けるわけにはいかないからね」


 風香さんは、臆することなく言ってのけた。


 実際に見た僕としても、その実力はすごいと思う。


 正直、ゲームに関しては、人並みの実力しか持たない僕からすれば、何をしていてもスーパープレーみたいな、驚きまみれの動きだった。


「もっとも、顔を隠してプロをしてたら話は別だけどね」


 と付け加えたものの、謙遜でしかないだろう。


 僕の知る限り、この中で一番ゲームが上手いのは彼女に決まっている。学校中に条件を広げても、答えが覆ることはないだろう。


「それもそうね。でも、プロゲーマー、ね。いいことを聞いたわ」


 ニヤリ、と怜は笑った。


 そういえば、今回、どうやって坂元くんの対処をするのか聞いてなかったな。


「怜、何かいい方法が思いついたのか?」


「ええ。せっかく風香さんがプロなら、相手をこちらのフィールドに上がらせるとよさそうね」


「え?」


 そんな至極当たり前の提案に、一番驚いたのは風香さんだった。


「使えるものを使わないなんてもったいないじゃない。詳細を詰めるためにも、ここは一度解散でいいかしら」


「え、うん。もちろんだよ。こんなことでよかったなら、いつでもあたしのことも頼ってね」


「もちろんよ。これからは、あなたの協力が必須だもの」


「ああ。これからよろしく」


「よろしくね!」


「うん」


 怜から送られてくる視線からすると、どうやら、このまま僕らの作戦会議に移るらしい。それも、配信についての作戦会議の方だ。


 まったく、怜は何を思いついたのやら。とても楽しそうな顔をしていらっしゃる。

新作を書きました。


「妹の代わりに転生して幼女にされましたがヤンデレ化した妹が追ってきたようです」

https://ncode.syosetu.com/n2549jf/


よろしくお願いします。

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