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寝たふりして机に突っ伏していると近くから僕の配信について感想を言い合う美少女たちの声が聞こえてくるんだが!?〜あれ、僕をいじめてた彼はどうなったんだろう〜  作者: マグローK
第二章 ゲーマー女子との出会い編

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第3話 幼なじみを認められないのはかわいそう:影斗視点

〜影斗視点〜


「動画配信もやってるんだ。よかったら見てみてよ」


 と、帰り際に教えてもらったので、見てみようと思う。


 しかし、連絡先がいつの間にか交換され、風香さんのチャンネルへのリンクが送られてきている。


 調べる手間が省けた。


 ありがたい。


「本当にやってる。いや、嘘はつかないか」


 しかし、疑っていたわけではないが、風香さんは本当にプロだったらしい。


 自己紹介動画や、フーカというハンドルネームをもとに、さらにネットで調べてみると、色々と経歴が出てきた。


 動画では、本人の姿が映っていることから、まず間違いない。


 いや、嘘はつかないか。


「すげぇなぁ」


 プロゲーマーについてはよくわからないけど、多分すごいのだろう。


 見た目もかわいいからそっちでも人気らしいし、僕なんかよりよっぽどすごいんだろう。多分。


「おっと、無能がこんなところで何を見てるんだ? 貸せっ!」


「あっ」


 スマホを取られた。


 パクられた!


 見た目がよくても、必ずしも心までいいとは限らないという証明をされてしまった!


 こいつはっ……! 誰だっけ? 確か、よし、よし……。なんとかさん。


 よし、よし……。


「ヨシゾウ! くん。僕のスマホを返してくれないかな?」


「ヨシミネだっ! 坂元ヨシミネ! お前、なめてるのか? この学校にいて俺を知らないなんて、焼きそばパンに焼きそばを入れないようなものだぞ!」


「知らないよ」


「じゃあ認識しろ! そもそもだ。そもそもこの俺が、そんなジジくさい名前なわけがないだろう。少し考えたらわかるはずだ。お望みなら、このスマホをバッキバキにしてやってもいいんだぞ?」


「いや、そんな要望出してないから。返してって言ってるんだけど」


 やっぱり、反応があると、嬉しそうに見えるんだよな。


 こいつの行動原理って、そういうことかな?


 というか、ヨシミネも充分ジジくさくないか?


 それに、いつまで経ってもスマホを返してくれないし。


「さーて、そんなこたいいんだよ。なに見てたんだ? 言いふらしてやるよ。って、風香!?」


 なんでこんなに小学生みたいなやつが厄介なんだろうか。


 いや、力だけ強い小学生は、相手するのも大変か。


 いやむしろ、小学生に例える方が失礼だ。今の小学生の方がこいつより賢いまである。


「おい。なんだよこれ! さっきからニヤニヤしてないでなんか言えよ!」


 こいつ、幼なじみのくせに、風香さんがやってること知らないのか?


 まあ、なんというか、話を聞く限り、決めつけてばかりで情報収集しない世間知らずみたいだからな。


 きっと、無知を認められないタイプなんだろう。せっかくだし教えといてやるか。


「そうだよ。僕が見ていたのは風香さん。いや、フーカさんだ。フーカさんは、登録者数百万人越えの、動画配信者兼プロゲーマーだよ。その道の人じゃなくても知ってるような、有名人だよ」


 まあ、僕も知らなかったんだけどね。


 不勉強が恥ずかしい。


 僕と同じ気持ちなのか、なんとかくんはプルプルと震え出した。


「はっ! たかだか百万人ぽっちに知られてるじゃないか。日本の人口で考えたら、百万なんて、大した数字じゃないだろ? テレビの方が多くの人に知られるんだ。ネットで有名だからって、なにを偉そうに言ってるんだか」


 ここまで見せられたら、さすがに認めた方が気がラクになると思うんだけどな。


 どうしても大したことないってことにしたいんだろう。


 素直に認めてあげればいいのに。そうしたら、風香さんも、優しくしてくれたかもしれないのに。


 僕に対する日向みたいに。


「どうした。図星か? なにも言えないんだろ?」


「だから」


「ほれみろ!」


「いや、反論させようとしな」


「喋れないか?」


 こいつまじで会話する気ないな。


「ぼっちはこうして、画面越しに妄想するしかないんだろ? かっわいそーだ」


「あー! 影斗! こんなところにいた。今日は離さないからね!」


「よく見つかったわね」


「わたしには影斗の居場所がわかるんですー」


「さっきまで見つかってなかったけど?」


「むー!」


「「……」」


 どうやら日向たちに見つかってしまったらしい。


 だが、これはちょうどいい。


「僕のことをぼっちだなんだと言ってたけど、誰がぼっちだって?」


「しらけることすんなよ。くそっ!」


「おっとっとっと。あっぶな。人のもの投げるなよな、まったく」


「お前ら。あんなぼっちと関わってると、後で後悔するぞ」


 日向と怜をにらみつけるように、なんとかくんは言った。


 だが、二人は、なんとかくんをスルーすると、僕の背後に隠れた。


 どうやら、僕はさらっと盾にされてしまったようだ。


「ねえ、影斗。あれ、誰?」


「あれはえっと……。坂元ヨシ……。ヨシロウさん」


「ヨシミネだ! いい加減にしろ!」


「だそうだ」


「ふーん。あの人から逃げてたの? そうだよね?」


「まあ、そんなところ」


 ここ一日くらいだけど。


「坂元ヨシミネ……。聞き覚えがあるわね。どうしてかしら」


「そうなのか?」


「ん? ふーん。……庄司怜か。お前ら、今に見てろよ……。バカ!」


 もっといい捨て台詞吐けないのかな……。

新作を書きました。


「世界で唯一の天職【配信者】と判明した僕は剣聖一家を追放される〜ジョブの固有スキルで視界を全世界に共有したら、世界中から探し求められてしまう〜」

https://ncode.syosetu.com/n7764io/


よろしくお願いします。

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