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「告白」

作者: 内木水龍

初投稿です!下手ですが、良かったら読んでみて下さい!

 キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン……。

 

 終わった。やっとだ。これから昼食の時間である。淡々と教科書を片付けていると、暫くして……、トタトタと何かがだんだんと近づいてくる音がしてきた。僕はもう、わかりきっているから、あえて扉の方を見ない。その音が途切れることもなく、次の音が重なる。その次の音は更に声と重なってバズーカ砲のように発射される。

「おーい、ジンヤはいるかー!」

 そう、扉を勢いよく開けるバンという音に重なって。

 少しあった僕の眠気がその一瞬で打ち抜かれた。声、でか過ぎだろ。

「おー、いたいた。そうだよな、朝いたんだから、聞くまでもないか。愚問だったよなー」

「はいはい。今行くから、そこで待っとってくれ」

「おう、早くこいやー!」

 いつも通りの返答をする。溜め息をしながら。周りに人がいるのに。

「ジンヤはいいよな、いつもお迎えが来てよぉ」

 近くにいた男子がはやし立てる。そういうの、いいって。

「だよなぁ。本当、恵まれてやがるぜ」

 続いて、そう皮肉のようなものを別の男子が言う。

 僕はそそくさと、弁当を持って、始めの声がした方へ行く。


 場所はいつも通りの空き教室だ。

 僕は気怠げに、弁当箱を開く。母さんのほぼ手作り弁当だ。

 ふと、目の前の連れの方を見た。コンビニのサンドイッチを無造作に開けている。

「あのさあ、教室の戸を開けて大声で僕を呼ぶの、やめてくんないかな」

「え、いいじゃん。いつもそうしてきたんだし、今更やめるとか。どうせなら、やり遂げようよ」

 おいおい、やり遂げるって、それ、達成感あるのか?まあ、いいか。

「はあ。やっぱいいよ、君に任せる」

「え、やっぱりいいの?やったー」

……単純だな。


 連れはサンドイッチの袋をまとめながら、話をし始めた。

「よくさ、女子って、ケータイ小説とか、恋愛小説とかを好む人が多いじゃん?そういうの私、嫌なんだよね」

「へえ、そうなの。じゃあ、君は何が好みなのさ?」

「うーん、ミステリーとか、サスペンスとかかなあ」

 横文字ばっかりだな。

「ああ、それなら、僕も読むね。なんで好きなんだい?」

 それは、なんとなく思いついた疑問だった。

 すると、連れは真面目な顔で言った。

「そりゃあ、自分では出来ないことをやってる気分になれるからだよ。殺人なんて、やってみたくても、やれないからね」

 ……。え?

「ん?どしたのさ。そんなに驚いて」

 ……驚いてって、そりゃあ、驚くよ、そんな非人道的なことを君に言われたら。

 僕は返答に困った。この時の僕は恐らく、驚きと言うより、恐れていただろう。

「……。冗談に決まってんじゃん!」

 笑いながらそう言ってきた。

 僕には、それが冗談に聞こえなかった。

 続けざまに、別の話をしてきた。昨日のテレビ番組の話、最近の授業についての話などだ。

 いつもなら、頷いて聞けただろう、でも、この時は違った。僕は愛想笑いをしているだけだった。

 それは多分、僕にはさっきの彼女の言葉が、ある種の「告白」に聞こえたからだろう。

                          《了》

私が高校生二年生の時に書いたものです。自習になった授業中に走り書きでメモ帳の裏に書いた思い付きです。約一時間程で書きました。その時間は、テストの勉強に充てるべきだったんですけれどもね。前の席の友人の「え、何してんの?」っていう顔を覚えています。

読み返してみると、そこそこ暗い内容ですね、これ。


ここまで読んで下さって、ありがとうございます!

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