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みりんの日常  作者: 156
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プロローグのようなイベント周回風景

短めです

2XXX年、VR文化が華開いた時代。様々なVRゲームが市場を賑わせる中、世界中のゲーマーの心を奪ったVRMMOがあった。その名も、ミリオンスターオンライン。剣と魔法と数多のスキルと職業。最新鋭のAIを積んだ生き生きとしたNPC。無限に広がるクエスト。まさに、ゲーマーの夢、理想を全て詰め込んだゲームに、老若男女が歓喜した。

サービス開始から2年、ある男の冒険を覗いてみよう。



透き通る青空、赤い荒野、転がる枯れ草、乾く喉。

ヒリつく空気は対峙する二人の男のせいか、あるいは天候のせいか。

目を潤ませた少女は心を痛めつつも、それでも結末を見届けようと瞬きもせず、涙を落とさず二人を見守る。

目付きの悪いガンマン、胸には保安官の印。嘲るように口を回す。


「よそ者が大きく出たものだ。そんな前時代の武器で俺の早撃ちに勝てるとでも?そもそもここでは私こそが法、今なら降参すれば命までは奪わないでや「負けるのが怖いのか?」・・・なんだと?いいだろう、一撃で決めてやる」


保安官に言葉を重ねた男が携えるは時代錯誤のクロスボウ。男から目を離さず、アクティブバフスキルを重ねていく。弾速強化マークスマン攻撃強化フューリー反応強化シャープネス職業スキル倍率強化(クロスボウマスタリー)、自動装填:星の矢。様々なエフェクトが弾けては消え、最後に白く輝く矢が装填される。目標はただ1つ、光の如く、射抜くために。


ガンマンはその光景に目を丸くし、顔を青ざめさせる。

「ま、待て、いやわかった、貴様の勇気はよくわかった、だから話し合おう、どうだ、そこの娘は諦めるから!だから!」

「悪いな、こちらにも都合があるんだ。さあ、やろうぜ。」


今まで表情を動かさなかった男がはじめて笑う。ガンマンには、それが悪魔の笑みに見えた。


―――特殊バトル【決闘】スタート!目標エネミー:悪徳保安官ブルース


スリーカウントの後に、二人の手が瞬時に持ち上がる。

「貰った!」引き金にガンマンが指を掛ける。

一瞬早くクロスボウの男が引き金を引き、念じる。アクティブスキル【必殺の一矢(スナイピング)

閃光が煌めく。数秒の静寂の後、ガンマンが倒れ、光の粒となった。


―――バトルエンド!EXP獲得!ドロップ:保安官の印×8


「ちっ、しけてんな、せめて10個落とせよ。イベ限見た目装備までの周回が増えるじゃねえか」


先ほどまで目を潤ませていた少女が笑顔で男に駆け寄る。


「ありがとうございます、旅のお方!是非ともお礼をさせて下さい!」

「いえいえ礼には及びませんよお嬢さん、貴女が無事であることが、私にとって一等のご褒美ですから。私は旅の身空、根無し草。強いて言うなら、またいつか会えたときに、貴女が笑顔で迎えてくれることを望みます」


背を向けて去る男の気障な返事に少女は顔を赤くしながらも残念そうに言う。


「まあ、もう行ってしまうのですね・・・またいつか、お元気で!」


―――イベントクエストクリア!イベントエリアを出ますか?はい/いいえ


はいを選択し、リスポーン地点に設定した宿屋の一室に戻る。


「また会いましょう、か。何度も会ってるし俺の台詞も十回目なんだよな、無駄な宴会を断る気障な台詞回しも慣れたもんだよ、全く」


男は目の前にウインドウを開く。

―――特殊バトルイベント【荒野のガンマン】を開始しますか?


周回は終わらない。限定装備を手にいれるまで。もしくはイベント期間が終わるまで。

Q.主人公らしき男の名前出てないけどなんで?

A.僕が知りたい

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