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霧の摩周湖  作者: 赤影
3/3

留萌

古びた留萌の駅は、高倉健が出てくる映画の世界だった。

舗装もしていない駅の駐車場に車を止めた。

「此処で弟をお母さんに渡したの!」

「どっちの方向に見送ったの!」

亜紀が指を指した。

「一軒ずつ聞こう!」


「すみません!美奈子さんのお宅ではありませんか!金沢にお嫁に行っていた方ですが!

20軒ほど回った時、「その人なら、吉田さんのとこでないかなー、此処から5件目の家を右にまわって3件目ですよ!」

「ありがとうございます。」


「すみません!すみません!ごめんください!」

家の奥から老婆が出てきた。

「美奈子さんのお宅です!」

「美奈子は嫁に行ったが・・」

「美奈子さんは、石川の金沢にお嫁に行ったことありますか!」

「ああー」

「男の子が一人いますか!」

「ああー」

「その男子の住んでいるところ知りませんか!」

「私は年寄りで解らないが、札幌でないか!」

「では美奈子さんは何処にお嫁にいったのですか!」

「豊富というとこだ!」

「名前は!」

「吉田だ。」

「ありがとうございます。」


僕達は豊富に向かった。

豊富は留萌から稚内に向かって150K、サロベツ原野の中にある小さな温泉町だ。

「色んな事がわかったからもうダイジョブ亜紀!」

「そうね!」

「弟は札幌にいるんだよ!母親に住所を聞けば完璧だ!」

僕は少し興奮して言った。

亜紀も嬉しそうにうなずいた。


日本海に沿って真っ直ぐな道が走っている。

何も遮るものが無く、右は原野、左は日本海だ。

暫らく走ると利尻富士が、海に浮いて見えてきた。

「亜紀!綺麗だね!」

「うん!」

言葉も失ってその景色を堪能しながら走った。


豊富温泉に着いたのは夕方だった。

「亜紀!今日はここに泊まり明日探そう!」

「解った!」



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