鳳凰院凶真の誕生祭 2話
「それじゃあ、3人だけの円卓会議を始めるのです」
「まゆ氏流石だお。オカリンを買い出しに行かせた理由はこれだったのか」
「えへへ、照れるのです」
「でも、それなら早めにやった方がいいんじゃね?いつ帰ってくるか分からんし」
3人は静かに頷くと、まゆりが持ってきた紙を見る。
「まずは、明日ラボメンが全員暇かを確認する必要があるお」
「それならまゆしぃに任せるのです!」
「分かったわ。なら私はこの材料をこの後買ってくる」
「それじゃ俺はオカリンにこのことがばれないように、新しいPCでも組み立ててるお」
「…ん?誰か来る!」
3人は一斉に動いた。
まゆりはトートバッグの中から雑誌を取り出し、紅莉栖はまゆりのメモを雑に折り畳んでポケットの中に仕舞い、ダルは研究室の椅子に座ってPCの組み立てを始めた。
ガチャ。ラボの扉が開く音がした。
「フゥーハハハ!ただいま帰還した…」
ドサッ!という音が響く。様々な部品や食糧が入っている袋が床に置かれていた。
「というか何だこれは!この鳳凰院凶真」
「「厨二病、乙!」」
「ぐぬぬ……」
紅莉栖とダルによって、岡部は黙り込んだ。
そこに、まゆりが冷蔵庫から新しいドクペを出して岡部に差しだした。
「ごめんね、こんな買いもの頼んじゃって」
「……いや、まゆりが謝ることは無い。今後の未来ガジェットの制作に役立ちそうなものばかりではないか。それに、しばらくは食糧に困ることもない」
そう言って岡部はドクペを受け取ると、蓋を開けて一気に半分ほど飲み干す。
「そういえば、ダルは何をしているんだ?」
「新しいPCの組み立てだお。ほら、最近そこにあるやつ調子悪いだろ?」
「ふむ、確かに。でも組み立てる必要はないのではないか?」
そんな話をしている2人からこそこそと隠れるようにして、紅莉栖はラボの外に出た。