鳳凰院凶真の誕生祭 1話
世界線変動率1.048596%。紅莉栖もまゆりも死なない【シュタインズゲート世界線】。
この世界線に岡部倫太郎が辿りついてから、およそ1年と4ヶ月が経過した。
東京の秋葉原にある【未来ガジェット研究所】は、平穏そのものだった。
「あ、紅莉栖ちゃんだ!トゥットゥルー」
「ハロー、まゆり……岡部は?」
「オカリンなら、さっき買い出しに行ったよ?」
「そう……」
ラボにはまゆりだけしかいなかった。紅莉栖は部屋の奥にある冷蔵庫から、残っていたドクペを取り出して飲み干す。
「ねぇ、まゆり」
「んー?どうしたのクリスちゃん?」
「その……岡部は最近どうなの?」
少し間を置いて、まゆりはにっこりと微笑んだ。
「紅莉栖ちゃんはオカリンのこと大好きなんだねー」
「ちょっ!べ、別にそんな、す、好きってわけじゃ」
「ツンデレ、乙!」
「黙れHENTAI!」
気付けばラボの玄関にはダルがいた。
「ダル君、トゥットゥルー」
「おぉ、まゆ氏。今日は買い物に行くって言ってなかったっけ?」
「そのことについて、今から話そうと思ったのです」
まゆりは横に置いてあったトートバッグから、一枚の紙を取り出した。
そこには、様々な料理の材料や調理方法が示されていた。
「明日はオカリンの誕生日なのです!」
今日は12月13日。明日は、岡部の誕生日である。