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日本の待ち人

船を乗り、私は辿り着いた

船を乗り、白い空から青い潮騒の町、日本に着いた。

私は休む間も無く、手紙の宛先の海沿いのサナトリウムまで急いでいった。

そこは昔ながらの町の残る街道が残っており、古都だった事が伺えた。



しかし私にはどうでもよかった、Sの容態と正体が気になっていた、そして寺と教会の建っている山を抜ければ目的地のサナトリウムだった。私は看護師に事情を話し、手紙を見せたらふと目を伏せて私を病室へと案内をした


病室には真っ直ぐな黒髪を切り揃えている痩せた青年がベッドに横たわっていた。

青年は私の姿を見たときに蒼白い顔で優しく微笑んでいた。


「美千代…かい?久し振りだな、君が旅をしてとびだした時はこんなに髪が短かったのにね…」と言っていた。私は彼の血の気の無い顔をただ泣きそうになりながら見ていた。


「そんな顔をしないでくれよ、確かに旅の途中で僕は病にかかってしまったけど…また君にあえて安心したのだから…」


そう残すと彼は自分の名を残して眠りについてしまった…「相良静哉」と一言だけ…


私は抑えていた涙を溢れさせ、旅の思い出も彼の遺していった言葉も全てこのトランクにしまっていった。そして、私の旅も彼の命も此処で最後にしよう。


そして間も無く…友の葬儀が始まる前にこの日記は閉じたい。そのうち私はまた悲しみを思い出すから…

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