白国の暮らし
私の最初の訪れる町、そして人の祈りと願いに触れられる所
朝早くに乗るこの電車は白国中央までしか行けないらしい、そもそも私は白国の北の最果てから出発したからと言うのも有るんだが…
朝方は乗客も多かった、鉱山や工場で出稼ぎする者、旅人や僧侶などが多かった。そして駅に着けばホームで弁当を売る子供達が盛んに黒パンやシチュー、ジャム入りの甘い茶を売っていた
私はシチューと甘い茶を買うと私より少し幼い位の少年が「姉ちゃんが旅人なんて珍しいなー、俺も大きくなったら世界中みてやんのに」と生意気そうな笑顔を見せていた。
夕方を過ぎれば、客は酷く少なくなっていきこの汽車の終点に白国十字町で一泊することになった。
白国十字町は最果てと中央のちょうど境目にして信仰のシンボルとされている歴史有る町なのだ。
その所以は町の真ん中に建てられている夥しい量の十字架である、昔信仰のシンボルとして建てられた十字架をいくら撤去されてもまた先代の人々が建て、そしてこの宗教が認めれた暁に此所をシンボルとしたのだ
なのでこの町は今も巡礼者が訪れ、重厚な石畳の町並みと寺院が残っていて、修道院の鐘の音が人々に時間を教えているような町なのである。
そして此処には巡礼者が泊まる宿も多く、先程から私は色々な人から祝福や十字架を頂いている…多分女一人の旅は複雑な事情かはたまた苦難の連続を連想しているのだろう…きっと
。
次の汽車も朝が早い、酒場が盛り上がる前に私は此処で寝よう、おやすみ…