その矢は射手を知っている
「この矢はなんなんですか?」
研究室の掃除中、古風な矢を見つけた助手は言った。
「私の作った過去へ飛ぶ矢だ」
博士は曲がった腰をさすって言った。
「撃つときっかり24時間前の発射地点に飛ぶ」
「つまり……」
「ああ、誰も射手を見つけられない。完全犯罪だ」
助手は恐々と矢を置いた。
「恐ろしい矢ですね」
博士は埃でむせたのかゴホゴホ言って、
「しかし、うっかりその矢の特許を取ったせいで、犯人が私だと分かってしまうんだ」
「この矢はなんなんですか?」
研究室の掃除中、古風な矢を見つけた助手は言った。
「私の作った過去へ飛ぶ矢だ」
博士は曲がった腰をさすって言った。
「撃つときっかり24時間前の発射地点に飛ぶ」
「つまり……」
「ああ、誰も射手を見つけられない。完全犯罪だ」
助手は恐々と矢を置いた。
「恐ろしい矢ですね」
博士は埃でむせたのかゴホゴホ言って、
「しかし、うっかりその矢の特許を取ったせいで、犯人が私だと分かってしまうんだ」
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