2
目を開けるとそこは見慣れた空間。VR上の自分の部屋である。VR とは22世紀中頃に開発され、改良が進んで一般家庭でもなんとか買える値段になってきている。
「お疲れ様」
その声は先程の寝ぼけ魔術師のエルアだ。白髪ショートカット、アホ毛は無く(惜しい)身長155と少し低め。ジト目が似合いそうな可愛い子だ。年齢は多分2つ下、多分と言うのはVRで知り合いリアルでは会ったことがない為だ。
デュラハンに叩き潰された体を伸ばしながら答える。
VR上の自分の部屋のベットで寝転ぶことにより他のコンテンツに接続出来るようになっているのでソコから起き上がる。何故エルアが部屋にいるのかって?友達登録してあり部屋を解放してあるので何時でも入ってこれる設定にしてあるのだ。
「お疲れ様ー、やっぱりBOSSクラス2体はきついね」
今まで闘っていたのは世界で3個目になるVRMMORPG『ファンタジーアース[以下FE]』のオープンテスト、その最終負荷テストによるBOSS百体による首都攻撃イベントだったのだ。
「あー今終わった所だけど早く正式稼働してくれーぃ(笑)」
「明日の15時」
とエルアが答える。
「お、公式サイトに出てるのか」
そう言うとエルアは頭をコクンとさせる。こっちは『FE』からログアウトしたところなのにこっちの部屋に来つつ公式もチェク済みとは何時もながら仕事が早い、、、
「まぁ明日に向けて準備と行きますか、と言っても課金手続きぐらいなんだけどね」
と言いつつ課金手続きを済ましていく。
「エルアはFEでもエルアで行く?」
コクン
「おっけー自分もいつもと同じでヴァンガウにするからinしたらPT誘うね。」
コクン
「さて、明日に備えて今日はそろそろ寝るね、お休み」
コクン
「オヤスミ」
エルアがあまり言葉を出さないのもいつもどうりなのでそのままVRからログアウトし現実の自分の部屋に戻ってくる。VR機は映画『ア○ター』のあれそっくりな機械なので部屋の半分近くを埋め尽くしているが、部屋にいるときはVR空間にいることの方が多いので問題ない、むしろVR機で寝てしまいたいぐらい気持ち良い。だがそういうわけにもいかないので冷たいベットに潜り込み寝ることにする。
「冷たっ、、、FE職業どうするかな、、、」
そんなことを考えつつ眠りについた。