(4-2)〜美咲的に見て可愛いは正義〜
急遽思いついた4話外伝です(・∀・)
妹視点です。妹欲しぃぇ(・ω・`)←
見なくても5話には繋がる予定です(・∀・)
最近、百合のふつくしさに心が揺れる今日この頃←
どうやら僕は道を踏み外してしまった様です。むしろアクロバティックに飛び越えてしまった様です。
そんなインモラリスト羽崎がお送りする4話外伝です(・∀・)
さて、お兄ちゃんを押しのけて部屋に入ったはいいけど……どうしよう。
お兄ちゃんが連れ込んだ(ハズの)女の子と二人って…気まずい。
ていうか、なんでこの子は私の名前を知っているんだろう?
知っておかないとなんか気持ち悪い。
「ね、ねぇ」
「なぁに?ミサキ」
「ぉふ」
ぬぅ…。なんでそんな笑顔で反応すんのよ、可愛いわね。
変な声出ちゃうじゃない。
……てか、よく見るとすっごい美人。
長いのに手入れが行き届いてる様な綺麗な黒髪。…なんで猫耳?
目も大きいし、鼻筋もまっすぐ。口も小さい。
背は……私と変わらないよね?
なのに私よりなんか細くない⁉
くびれもすごいし……で、でかいし…。…あれ?尻尾?
脚長っ。私が短足なのかな?いやいや、お兄ちゃんだって『お前ニーソ似合うよな』って言ってくれたし、私の脚が不格好なんて事はないはずッ!
モデル体型ってやつかな……羨ましい。
「ミサキ?」
「え?あぁ、いやいや、どうしてあなたが私の名前知ってるのかなぁって思ってね」
「あの人があなたの事『ミサキ』って呼んでた」
「あの人?お兄ちゃん?」
「うん」
ふむ。お兄ちゃんがこの子と話すうちに私の話題になって、名前を言ったのかな?
………ん?『あの人』?
お兄ちゃんが連れ込んだ(ハズ)んだよね?
『あの人』っておかしくない?
「ね、ねぇ」
「なぁに?」
「ぉふ」
質問しようとする度にこんな笑顔で返されるのかな?
美人なのに無邪気な笑顔……かわいいけど、毎回はしんどい。
「えと、『あの人』の名前…、知ってるよね?」
「知らないよ?ミサキが『お兄ちゃん』って呼んでたけど、それは名前じゃないんでしょ?」
「え?う、うん、これは名前じゃない…」
お兄ちゃんったら、名前も教えずに連れ込んだの?
まさか…援○⁉ 猫耳と尻尾まで付けて…にゃんにゃんプレイ⁉
って、お兄ちゃんそんな甲斐性は無いし、年頃なのに下ネタ得意じゃないしね。ラノベ大好きなくせに。
………やばっ、混乱してきた。
「ミサキ」
「え?ぅん、何?」
「あの人、なんて言うの?」
「あの人…あぁ、あの人はね、『優斗』って言うの」
「ユウト…」
あれ?なんで顔を赤らめてもじもじしてんの?本気で何したんだろお兄ちゃん。
……その仕草かわいいなグヘヘ。
「……えと、あなた……名前は?」
「私?クロだよ?ミサキがくれた名前でしょ?」
「………」
クロ?私があげた名前?
私が名前を付けたのは黒猫で……黒いからクロって付けたのは覚えてる。ってか昨日の事だし。
さっきお兄ちゃんもクロがどうのこうの言ってたし…。
「え?クロ?黒猫のクロ?」
「うん」
……ん~。
そんなに迷いなく答えられるとなんかなぁ。
兄妹揃って頭おかしくなっちゃったのかなぁ?
ラノベ大好きなお兄ちゃんはともかくとして、私は架空と現実の区別くらい出来てるハズなんだけど…。
精神科の予約しとこっかな…。
「ミサキ……服…」
「え?あぁ、うん。服着よっか」
「これ…どうやって着るの?」
「……」
この子…本気なのかな?
パンツの着方(穿き方)なんて女の子なら訊かないよ?
演技には見えないのが逆に怪しい。
「そのまま脚を通すんだよ」
「脚を……通す」
「……」
あらら。前後逆から穿いちゃった。
なんか違和感感じて『?』と首を傾げる姿がまたかわいい。
「違う違う。逆だよそれ」
「逆?……こう?」
「……」
あらら。今度は上下逆。前後は合ってる。
それじゃパンツ裏返っちゃうよ。
「違う違う。また逆。貸して」
「?」
「はい、両脚通して」
「こう?」
他人にパンツ穿かせるなんて経験、するとは思わなかった。
本気で穿き方わからないんだ…。
ていうかこの子、全く隠そうとしないんだけど…。逆にこっちが恥ずかしくなってくるんですけど。
「はい、次はこっち。手を上に!」
「てをうえにー!」
とにかく、わからないなら私がさっさと着せてしまう事に。
両腕をピッとまっすぐ上にして見せると、彼女も同じく動いてくれた。満面の笑みで。かわいいなグヘヘ。
ただ……やっぱでかいなこんちくしょう。
この子の扱いは、小さい子の扱い方が適合する様だ。
自慢じゃないけど、小さい子の扱いは慣れている。
「ん?」
ワンピースを着せていると、腰の辺りで何かに触れた。
(なんだろこれ?)
棒?でもなんか動いてる…。
毛の感触も…。
あ、尻尾!すっごいリアルなおもちゃだなぁ。
でも邪魔だし、取っちゃおっか。
「___んにゃう!!」
「え?え?何?」
おもちゃを外そうと掴んだ瞬間、悲鳴に近い声を上げて、力を抜いた様に私にもたれかかってきた。
「ちょっ、ちょっと!どうしたの⁉」
「……ゃ…」
「え?」
「しっぽ…掴んじゃ…ら…めぇ…」
「ッ!!」
身体中に電流が走った気がした。
苦しそうな、だけど恍惚としてる様な。
その苦しさの中に快感すら覗かせる様な顔で、私にもたれかかった少女は上目遣いで私を見つめてくる。
ようはその~………めっちゃエロい。
女の私ですらイケナイ気持ちになりそうだ。
「ご、ごごごご、ごめ、ごめっ」
「にゃっ!…ふっ…んっ……にゅ…」
呂律が回らないながらも謝る私とは裏腹に、尻尾を掴んでいる手に勝手に力が入る。
私にもたれかかって私の服を掴んでいる少女の手にも力が入り、小さく震えているのが感じて取れる。
「ぁ……」
「え?ちょっ!…きゃっ!」
少女の体から一気に力が抜けて、そのまま全体重が私に掛かってきた。
力の入ってない人間の体はとてつもなく重く感じ、私も一緒に倒れてしまった。
「っつ~。ごめんね。大丈夫?」
「………」
私に覆いかぶさって、小刻みに震えている少女は応えない。
「ね、ねぇ、ホントに大丈夫?」
「………」
やっぱり応えない。
とりあえず起きなきゃと、体を起こそうとした____その時。
「え?」
「……」
両二の腕を押さえつけられた。
覆いかぶさる様になっていた少女は、馬乗り状態で私を押さえつける。
「あ、あの~?」
「………」
「な、何か応えて?怒ってる?怒ってるの?」
「………」
「え?あの、ちょっ、ごめっ、ごめんって!近い!顔近い!」
「………」
「ごめん!ごめんなさい!ごめんなさいごめんなさい!_____ひッ!!」
あまりに近くに迫る、恐ろしい程に整った顔に恐怖すら覚え、顔を逸らした私の頬に柔らかい何かが触れた。
いや、何かと考える程でもない。_____キス…された。
初めて……じゃないけど。お母さんはスキンシップで頬にキスする人だったし。
え?てか、顔逸らさなかったら……そのまま口に…?
「え?えっ?ぁ、あの、クロちゃん?」
「………」
ワナワナ震える私の、頬に乗った柔らかな感触は消えない。
唇越しの体温。香水も付けてない(ハズの)少女の、甘ったるい中に柑橘を思わせる様な香り。唇を重ねられた頬を撫でるようなささやかな吐息。
「ちょっ、ちょっと、クロちゃん?聞いて______うひぃッ!!」
そろそろ気が触れそうになってきた私の頬を、にちゃ…と、生々しく艶かしい感触が這った。
これは初めてだ。お母さんも舐めたりなんてしなかった。
さらに淫靡な音を立て、痛いくらいにザラザラしつつも滑らかな感触が頬を這う。
____え?何この感触?これはまるで___猫の舌じゃない。
この時の私は、こんな事を考える余裕などあるハズもなく…。
「きッ……ヤーーーーーーーーーーー!!!!!」
私ってこんな俊敏にかつ力強く動けるんだ…。
未だかつてない動きで無理矢理少女の下から抜け出し、一回転して体勢を立て直し、私は情けなく部屋を飛び出していた。