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木々をかき分けて追い掛けていくと、途中で野良猫の足跡が途切れてしまった。辺りを見回して耳を澄ませると、けもの道の奥から、川の流れる音がする。でも、その川の流れの音は何故か変だった。
どう聞いても、ヘドロか何かがドロドロと流れる音だ。音を追って、けもの道を歩いて行くと、透明な液体がとてもゆっくり流れる川を見つけた。だがしかし、やっぱり川を流れる液体は、ドロドロとしていた。
そこで、ぼくはドロドロとした川に差し掛けられた橋を渡って、向こう岸へ行こうとした。
このまま、興味を持ったぼくは先へ行ってみたくなったのだ。木の板が軋む橋を渡って行くと、途中。野良猫がくわえていたであろう。ぼくの部屋にあった齧り欠けのトーストの欠片が木の板の一枚に落ちていた。
どうやら、野良猫がこの橋を渡って向こう岸へ行ったようだ。きっと、野良猫は未だにトーストをくわえていて、その口の周りはパン屑だらけに違いないと思い。ぼくは無償に腹が立ってきた。
その時、タイミング悪く額の引っかかれた傷が痛みだした。
ぼくは、部屋に残った。きっと素敵な女性のであろう香水のことも、女性自体も少し脇にどけて野良猫を追い掛け回すことにした。




