表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
明かさないこと  作者: 七賀ごふん
矢千深月

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

7/22

#7



「矢千さん、次のお客様が見えてます」

「はーい」

事務所は午後が特に忙しい。

矢千は昼休憩を早めに切り上げ、雑務に集中していた。必要な案内書を多めに用意したり、部屋の中を片付けたり。やることはたくさんあるが難しい作業はひとつもないので、自分の一日を見た者はこれで給料を受け取っているのか、と憤慨するかもしれない。


男性恋愛カウンセラーという異質な存在。

本来ならば相談を受けて適したプランを紹介するはずのところを、特殊な依頼人に対しては矢千がブレーキ役として出動する。契約締結前のワンクッション。相談窓口のバッファとも言える。心のケアを目的とし、相手の精神状態を見極めるプロセスを担っている。ここで判断を見誤ると多方面からトラブルが発生するし、ただの冷やかしやクレーマーなら会社側の損害になる。高科からはそう深刻に捉えなくていいと言われているが、実際はそうもいかない。

社会人としての責任を持ち、ひとつひとつの業務に緊張感を持って当たること。……それが、高科の部屋にあった会社員の心得十五条というDVDの教えだ。


矢千は職員達に、地方から異動してきた恋愛のカウンセラーだと名乗った。高科に指示されたメモを盗み見しながら話す矢千に、職員達はかつてない危機感を覚えただろう。矢千は自分の素性は一切話さず、淡々と挨拶だけするように言われていたので、その通りにした。事務所の職員達は長いこと動揺していたが、所長の推薦ならタダモンじゃないな、と期待の眼差しも向けていた。


高科はあれでいて人望があるらしい。女性社員は皆高科のことを見て目を細めている。

確かにいつも穏やかだ。声を荒らげてる姿なんて見たことないが、何故自分に関わるのか。気になるが、何故か理由を訊くことはできなかった。





評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ