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【BL】明かさないこと  作者: 七賀ごふん
高科要

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20/21

#4



もう我慢はできない。思いきり抱いて、甘やかして、彼が押し殺していた全てを引きずり出したい。

「好きだ、深月……っ」

何度も深いキスをした

全てが愛らしかった。矢千の全てを手に入れたい。独りが良いなんてもう言わない。もう言わせない。


一緒に生きよう。



「深月。俺と同じ家に住もう」

「ははっ……いいよ」



将来を誓い合った夜。大切な大切な、誰にも触らせたくない宝物。これから素敵な毎日が始まる。その喜びは、突如打ち砕かれた。

『ごめん要、何か道がすごい混んでて……ちょっと時間に遅れそうだ』

一緒に暮らす家の下見をしようと、頼んでいた不動産屋に向かう日だった。深月は長年勤めた会社の退職日でもあり、車で直行しようとしていた。俺は彼の退職祝いも兼ね、近くのレストランを予約していた。

「分かった。向こうには俺から連絡しておくから、気をつけて」

『ありがとう。ちょっとだけ待ってて』

いつもと変わらない、何気ないやり取り。未練など欠片もなく通話は途切れた。ふと見上げた空は鮮やかな紫色で、ぞっとするほど綺麗だった。

実際は「ちょっと」どころの待たされ方ではなかったが、確かに約束通り深月は帰ってきた。俺のことはもちろん、自分のことすら忘れた、まっさらな状態で。



悲惨な交通事故にあった深月は、思いの外元気だった。記憶を失くしたこと以外は脳機能に異常も見当たらず、簡単な計算なら楽に解ける。

鬱になることもなく、寧ろ前向きで社交的な性格に変わった。


深月の姿をした、新しい子どもが現れたような気分だった。




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