人として、鬼として、
人と鬼は共存できない、それは古くから伝えられてきた決して曲げることの出来ない掟であった…
いつからか両者の対立は増し、戦争にまで発展した。
そんな中、戦争から逃れた鬼が先のみえない森で一人彷徨っていた
緑と言うには暗すぎる森だった
血と泥が混じった匂いが体に染み付いている
きっとここが最後なのだろう…
鳥の羽ばたきすら聞こえないこの森で、延々と広がる星空の下で、、、
それから少しの間しんとした静けさが居座っていた。
「だ、大丈夫ですか?ぎゃぁ?!なにこの出血!!早くしないと死んじゃう。」
せっかく静かに死ねると思ったのに…
「ほうっておいてくれ…最後ぐらい…」
「無理に決まってるでしょ!ほら傷口を見せて下さい!」
巨体で恐ろしい鬼の私に小柄な人間の少年が助けようと必死になっている状況に唖然とした。
「おいお前私が怖くないのか」
「怖い?なに言ってるんですか?」
自分でもなぜこんなことを聞かなければならないのかは不思議だか、人と会うときの決まり文句かのように舌にこびりついていた
「こんな傷だらけの人可愛そう以外考えられないですよ!」
「そ、そうか…そう、なのか」
こんな扱いされたのはいつぶりだろうか。
気づけば傷口辺りやその対に当たる部分に強い圧迫感があるのがわかった。どうやら止血も終わり包帯が巻かれている。
「これで応急処置完了です!!」
「後は安静にしてればって…ここじゃ出来ないですよね、一様向こうにテント張ってるので一緒に行きましょう!」
「いやここでいい…それに」
「それに?」
「…誰も助けてほしいなど頼んでいない!」
「素直じゃない人ですねーもう!」
「…」
「良いんですよ。人の役にたっただけで僕は幸せですから!それに貴方は表情に出してないだけで嬉しそうですしね!」
彼はそう微笑んでくれた
暗いはずの森が明るく照らされたようだった。
「お前名は何と言うんだ。」
「僕ですか?僕はシャガ!」
「…!!」
「どうしたんですか?」
「い、いや何でもない…」
偶然か必然かそのときだけは神を信じた。
「このままじゃ体が冷えちゃう。テントに行かなきゃほら!早く!」
「うーむ…」
はじめての投稿ですが辛口コメント待ってます