ロックンロールが鳴り止まない
掲載日:2024/08/29
ボクのほうはと言えば
「許す」ことの意味もわからず
夜のこの街で「むかし」を追いつづけている
だから忘れそうなくらいむかしの
からだ中に鳴り響いた
青い瞳のロッククイーンの叫び声のことを
失敗のない夢なんて無いんだってこと
心臓震わせながら刻み込んでくれたビート
許さなくてもいいものもあるってこともね
心を壊すために生きてんじゃ無いからね
届かなかった女王さまへの恋心
にも似た憧れ、崇拝、尊敬、嫉妬、etc
その夜の満月が真っ赤にみえたならいいね
大きなまんまるのサングラスをかけて
ミナミの街を闊歩するのさ、ロッククイーン
まるでイカれた絵本から飛び出した
両耳ピンと突っ立てたウサギちゃんみたいな
ふざけた可愛さで大笑いしながら
空気を斬るような、暗く激しい歌声で
失っちまった恋や、ままにならない人生を
証明するみたいに歌い狂うのさ
あの女王さまがこの街を歩く姿だけで
それだけでボクの心臓に
千本の黄色い針を突き刺してくれる
ボクの心にむかし灯った黄色い炎が
今も少しも静まらずに燃えつづけてくれる
今日だって、明日だって、いつだって、
許されなくてもかまいやしない、ボクは
そうして抗ってこの街を歩きつづけるんだ
つまり、ロックンロールが鳴り止まない




