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覚醒していました


 転移魔法で王都の神殿に着くと既に大神官、宰相、宮廷騎士団総長など錚々たるメンバーが待っていて、彼ら立ち会いのもと属性判定が行われた。


 私が水晶玉に触れるとレオンハルトを治した時と同じ金色の光が放たれた。

 

「おぉっ! 間違いありません! 光属性です!」


 教会の水晶玉で一度確認をしていたので分かってはいたけれど、やはり覚醒していた。


 この結果を基に宮廷で話し合われて私の今後の身の処し方が決まるので、しばらく神殿に留まることになった。


 騎士団長のトゥバルト様に少しだけお話したいと伝えると王宮に戻る前に少し時間を作ってもらえた。


「私の監視役のレオンハルトは宮廷騎士団に入団が決まっていたのに私の監視役に任命されてしまったのです。もし私が無事独り立ちを認められた時は彼の宮廷騎士団への再入団を認めていただくわけにはいかないでしょうか?」


「……彼がそう言ったのですか?」


「いえ違います! レオンハルトは本当に剣も魔法も強くて、あんなに才能があるのに私のせいで夢だった宮廷騎士団を諦めることになってしまったんです。それなのにそんな私に彼は本当に優しくて……今からでも彼には幸せな人生を歩んで欲しいんです」


「貴方はそれでよろしいのですか?」


「えっ? 私ですか? もちろんです。レオンハルトが幸せになる事が私の幸せなので……私はもう充分幸せにしていただきました。この7年ずっと側で見守ってくれて、私が独り立ちした時に困らない様にわざわざ教師までつけてくれて。今度は彼が幸せになる番です」


 そう思うと自然と笑顔になれた。


 元々レオンハルトは貴族で私は平民。

 独り立ちした後もお手伝いという形で側にいれたらと思ってはいたけど、それ以上の事は望んでいなかったし。


「……わかりました。総長に話はしてみます。ですが了承を得られた場合でも長い年月が経っていますので入団試験を受けていただく事になると思います。合格出来るかどうかは彼次第です」


「ありがとうございます!! はい、もちろんです! 彼はコネ入社、じゃなかったコネ、縁故?で入団するなんて絶対に嫌がる人なので。だから、私がお願いした事は内緒にしていただけないでしょうか?」


「わかりました」


 良かった……これでレオンハルトを元のレールに戻せる。


 これだけでも王都に来た甲斐があった。


 そして既に用意されていた部屋に案内され、結局1週間滞在した後「一旦戻っていただいて大丈夫です」と言われ、詳細を教えてもらえないまま来た時と同じ転移魔法で教会に戻った。


 王子様が「危険人物を側に置くなんていやだ」とか言って拒否していて処遇の決定に難航しているのかな?

 それならありがたいのだけど。




誤字報告ありがとうございます。

とても助かります。



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