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・闇の婚礼 2/2

「それ、まさかこの前の……ダンジョンで手に入れた絹か?」

「そうだよ……。これは、運命神の、お導き……」

「こ、これが決断のダメ押しになったのは、間違いないわ……」


 そう言うと2人はとても大切そうに自らのドレスを抱いた。

 なんだかんだ言って、シェラハゾとメープルが嬉しそうにはにかんでいる姿が俺の心を浮つかせた。


「ええ、これは偶然ではありません。運命です。運命の歯車が、貴方たちに婚姻を結べと言っているのですよ」

「それはまた、ずいぶんと爺さんに都合のいい解釈だな……」


「ええまあ、本音を言ってしまえば、私は貴方を絶対に手放すつもりはありませんので。何がなんでも、ここで娘たちと婚姻を結んでいただきます」

「皆サン、オ似合イデス。何モ、問題アリマセン。ラブラブデス(= =)」


 都市長に呆れの目を向けていると、何か言いたいことがあるのかメープルに袖を引っ張られた。


「ユリウスと結婚したい……」

「んなっ……!?」


 それは不意打ちのド直球だった。


「私、ユリウスが好き……。ユリウスの声、聞いていると、安心する……。都市長と同じ……私は、ユリウスを逃がさない……絶対、しばく……」

「しばくなっての……っ!」


「あて……っ。へへへ……♪」


 ティアラ越しにメープルの額を小突くと、明るく無垢な笑顔が帰って来た。

 そういうやつなのは知っていたが、いくらなんでもハッキリと言い過ぎだ……。


 そうしていると今度は右の方から、ちょいちょいと控えめにシェラハゾがこちらの袖を引いて振り向かせて来た。


「く、唇……。あ、あたしの唇……2度も奪ったんだからっ、責任取りなさいよ……っ! あ、あなたが、初めてだったのよ……? なのに、2回も、2回も……っ!」


 その時、俺はハッキリと状況を理解した。

 これはもう逃げられない。背中の都市長へと振り返る勇気が欠片もなくなるほどに、今の俺はもう後戻り出来ない状況にある。


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