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・白銀の導き手で迷宮を発掘する 1/3

 オアシスの木陰に寝転がり、メープルと一緒に空を見上げていると、報告に向かっていたシェラハゾが帰って来た。

 その隣には見覚えのある白いネコヒトが立っていた。


「ユリウス様、都市長に代わって返事を持ってきたミャ♪」

「あ、ああ……。ユリウス、様……?」


 このネコヒト、こんなキャラだっただろうか……。

 部下には姉御と慕われる勝ち気な女だったはずなのに、どういうわけかゴロゴロとその喉が鳴っていた。


「ユリウス、たらしの才能ある……」

「なんだそれは……」

「な、なんでもないミャ! それより都市長のお言葉を伝えるミャ!」


 身を起こして草地に座り込む。目の前で白いネコヒトの尻尾が左右にルンルンと揺れていた。


「『貴方の仕事の早さには脱帽です、実験の成功を心待ちにしております』とのことだミャ! ユリウス様、アタイもお手伝いするミャ……♪ ゴロゴロ……♪」

「つまり人員が4人か。……なら二手に分かれるか」


「ミャ……ッッ!?」

「そうじゃない……。空気読め、バカバカ、アホマヌケ……」

「バカとはなんだ。手分けすれば効率は2倍だぞ」

「そうだけどそういう問題じゃないのよ……」


 ちょうどそこに生えていた(アシ)でクジを作り、それぞれに引かせてメンツを決めた。

 どうやら俺のペアはシェラハゾのようだ。


「フミャァァァ……。ミャァァァァァ……」

「どんまい……。超どんまい……おお、よしよし……」


「今日ほど、自分の不運を呪った日はないミャァ……」

「ご、ごめんなさい……。交代しましょうか……?」


「アタイに情けはいらないミャ……! フミャァァッ、メープルゥゥーッッ!」


 何が不満なのかよくわからないが、嘆く彼女が可哀想で、俺はメープルの胸にある猫型の頭を撫でた。

 ふわふわで癖になる触り心地だった。


「ミャァァン……♪ ゴロゴロ……♪」

「ユリウス……手つきがやらしい……」

「猫撫でてるだけだろ」

「ネコヒトよ、全然違うわ」


 グダグダしていてもしょうがないので、白いネコヒトが落ち着くのを確認すると俺たちは市長邸に移動した。

 そこでラクダを借りて、北と南に持ち場を分けて広大な砂漠に出た。


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