不幸は突然、音もなく 事故Ver
高齢ドライバーが、高速道路で逆走している、というニュースをよく目にするようになった。
この事件を受けて、世間では免許証の自主返納を呼びかける運動が始まっている。
自分はまだ大丈夫だろう、とたかをくくっていた。
その判断を後悔する日が、最悪の形でやってくる。
今日がその日だった。
今、私の手には冷たい手錠がかけられている。
出先から帰ってきた私は、いつも通り車を車庫に入れていた。
いつもと違ったのは、その時たまたま孫が車庫で遊んでいたことだ。
車内からは孫の姿を目視することができなかった私は、
車の後輪で、まで2歳にも満たない孫をひき殺してしまったのだ。
一人の老人が、放心状態のままパトカーに乗せられ連行されていく。