バカップル、まさかのエイトガーディアンに!?
ティラの励ましを受けた翌日。バカップルは元気なそぶりを見せてギルドのカウンターへ来た。
「お二人とも‼ 元気がないと言聞いていたんですが、大丈夫なんですか?」
心配したギルドの受付嬢がこう聞いたが、バカップルは笑顔を見せて余裕を見せた。
「はい。ティラさんが励ましてくれたので」
「しっかりと気持ちを切り替える事が出来ました」
「それならよかった。ちょうど今、シェラールのタルトさんから連絡があったんです」
「父さんから?」
シュウは電話を受け取り、タルトと連絡を始めた。
『シュウか? 元気がないと話が出たが、大丈夫なのか?』
「うん。ティラさんが励ましてくれた」
『そうか、大丈夫ならいいんだ』
電話の向こうから返事が聞こえているが、それと同時に車の通る音も聞こえる。それが気になったシュウはタルトにこう尋ねた。
「父さん、今どこにいるの?」
『今、こちらに向かってる途中だ。訳は到着してから話をしたいが……実は、渋滞にはまっている』
「あらら……」
『詳しい事はギルドに着いてから話をするが、重要な部分だけ今から軽く聞かせたい。クリムちゃんにも伝えてほしい話だ』
「大丈夫です。私は先輩の横にいます」
クリムは電話の近くで声を出した。声を聞いたのか、タルトはよかったと呟いた。
『実は、しばらく二人にエイトガーディアンに入ってもらいたいんだ』
この言葉を聞き、バカップルは大きな声で驚いた。その声を聞き、ギルドの戦士達が何だ何だと呟きながら集まってきた。
数分後、ギルドにタルトとリナサが入ってきた。その瞬間、ギルドの女性達がタルトに一斉攻撃をし始めた。
「な……何だ何だ!?」
タルトは攻撃をかわしているが、それでも女性達はタルトへの攻撃を止めなかった。
「このクソ親父‼ 私達からシュウ君を引き離そうとしているわね!?」
「そんなこと、絶対に許さないんだから‼」
「ヤロォォォォォォォォ‼ ぶっ殺してやァァァァァァァァァァァァァ‼」
シュウがこのギルドからいなくなると思っているのだろうか、女性達はタルトへ恨みの攻撃を続けていた。そんなタルトを無視し、リナサはバカップルに近付いてこう言った。
「簡単に言うと、スネックが戦線復帰できないからしばらく力を貸してほしいってこと。スネックが戻れば、お兄ちゃんとクリムお姉ちゃんは戻ってもいいって」
「なーんだ。そう言う事だったのですね」
「でも、スネックさんは大した傷は負ってないはずだけど」
シュウはグルザークとの戦いを思い出しつつ、リナサにこう言った。
「怪我はしてないけど、武器が使えないの。スネックの武器は特注品で、作るのに時間がかかるの」
「剣と銃が合体したような武器ですからね、作り方も素材も特別なんですよ」
シュウはクリムの言葉を聞き、なるほどと呟いた。
「で……では……私は……こ……ここの……ギルドマスターに……れん……らく……し……してくる……」
女性達から猛攻撃を受けたタルトは、ボロボロになりつつも立ち上がろうとしていた。その姿を見て、リナサは慌てて近付いた。
「そんな傷だと死んじゃうよ。治療してから行こう」
「だ……だが時間が……」
「話は聞きました。私に任せてくださ~い」
そこに出てきたのはシュガーだった。彼女の手には、新しい薬が握られていた。
「新しい傷薬を試したかったんです。丁度いい実験台があってよかった~」
「私は実験台じゃない‼」
タルトはこう言ったが、シュガーは問答無用でその傷薬をタルトに塗り付けた。
その後、何とか傷が治ったタルトはハリアの村のギルドマスターに話をし、バカップルのエイトガーディアン入隊の許可をもらった。出発の準備をし、バカップルはラックやシュガー、ジャック達に挨拶をしていた。
「君達がいない間は僕達で頑張るよ」
「怪我しないでね」
「ま、お前達なら立派にやれるだろ。とにかく、敵をあまり痛めつけるなよ」
「活躍を祈ってるわ」
ミゼリーがこう言った後、ティラが欠伸をしながら現れた。
「二人が出世するなんてな~」
「出世というか、ちょっと他のギルドに入るだけですけど……」
クリムがこう言ったが、ティラはあんまり気にすんなと言葉を返した。
「じゃ、出世祝いに私に酒を恵んでくれ」
「自分で買ってください」
「父さん、行こう」
「あ……ああ」
バカップルが車に乗り込むと、タルトは運転手に出発するように伝えた。
車の中にて。タルトはこれからの事をバカップルに話していた。
「エイトガーディアンの依頼は他のものと変わらない。ただ、凶暴なモンスターや指名手配されているような犯罪者との戦う機会が多くなる。それと、テロ行為を行う裏ギルドと戦うことも予想される。スネックがいつ復帰できるか分からないが、それまで力を貸してくれ」
「はい‼ 私と先輩なら誰が相手でもやっつけます‼」
「俺とクリムに任してくれ」
バカップルの心強い返事を聞き、タルトはありがとうと呟いた。リナサは返事をするときのバカップルの様子を見ていた。
「落ち込んでたって聞いてたけど……返事をしている中でもイチャイチャしてるなら大丈夫だね」
そう。口では立派なことを言っていたバカップルだったが、その時バカップルは互いの手を握り合っていたのだ。それを見て、リナサは大丈夫だろうと思った。




