テレビ局襲撃事件
シェラールにはいくつかのテレビ局が存在する。どの局も、視聴率の為に日夜努力している。しかし、一部の局は視聴率や話題性の為に、犯罪ギリギリの行為をする局や、裏社会をだしにして番組を作っている最中、襲われて事件になるという事もある。
そのテレビ局の一つ、ハチェーズTVのビルでは、目玉となる特別番組を作るために、いろいろと作業をしていた。
「おい、あの時とったビデオはあるか?」
「ここにあります」
「おう。ありがとなギナ」
ギナと呼ばれた男性は、ビデオを渡した後、自分の持ち場に戻った。その時、小腹が空いたので、近くのコンビニに行って何か買おうと考えた。
「少しコンビニ行ってきます」
「早く戻って来いよー」
と、返事を聞いた後、ギナは急いで階段を下りてコンビニに向かった。コンビニで買い物を終え、ハチェーズTVに戻ろうとすると、入口の前で人々が群がっていた。
「何かあったんですか? 俺、この局のスタッフですが……」
近くの男性に聞くと、その男性は驚きながらこう言った。
「あんたあの局の人間だって!? 運がよかったなー。下手したら裏ギルドの連中に人質にされてたぜ」
「え……えええええええええええええええ!?」
ギナは驚きの声を上げ、中の様子を見ようとした。一階部分では見慣れない男達が何かを持って歩いていた。そいつらがきっと裏ギルドの人間だろう。そう思った。
「どうして裏ギルドがテレビ局を?」
「どーせろくでもない番組を作ってる最中、奴らの逆鱗に触れたんだろ」
「最近のテレビはつまんねーし、どうでもいいわ。ぶっちゃけ、局の一つ位ぶっ潰れたって何ともねーだろ」
「だなー」
「ギルド呼んだかー?」
「誰か呼んだだろ? ほっとけばいいさ」
そんな声がギナの耳に入った。世間はメディアに対しての風当たりが冷たい。それはギナでも分かっていた。しかし、そんな世界でも優しい人はいる。それを知っているギナは、急いで携帯を取り抱いて連絡を始めた。
その頃、ハリアの村にいるバカップルは依頼を終え、ベッドの上でくつろいでいた。
「今日も疲れましたねー」
「ああ。終わった後はこうしてクリムとゴロゴロしてるのが一番だなー」
「私も先輩と一緒にゴロゴロするのが一番だと思いますー」
と、バカップルは抱き合いながらベッドの上でゴロゴロニャンニャンしていた。そんな中、ギルドの中でサイレンが鳴り響いた。このサイレンは重大な事件が発生した時の合図。それを聞き、バカップルはすぐにベッドから降りてロビーに向かった。
数分後、ロビーに集まったシュウとクリム、そしてジャック、ミゼリー、ラック、シュガーは受付嬢が来るのを待った。そんな中、シュウは周りを見てジャック達にこう聞いた。
「あれ? 師匠は?」
「酒飲んで爆睡」
「ったく……何やってんだか……」
ティラの行為を知り、シュウは呆れ果てていた。しばらくすると、資料を持った受付嬢が慌ててやってきた。
「シェラールのギルドからの伝令です‼今現在、裏ギルドの野生の咆哮がハチェーズTVを占拠しました」
「何か言ってきたの?」
ミゼリーの言葉を聞き、受付嬢は資料をめくりながらこう答えた。
「奴らの要求は、シェラールのギルドに囚われた仲間の解放、そして身代金1億ネカです」
「1億か……そんな金急に用意できるはずねーだろ」
「奴らは仲間の解放と身代金の用意をしないと、10分おきに人質の命を奪うと言っています」
「チッ……10分か……せこい真似をしやがる」
「事件が起きて何分が経過しましたか?」
「5分です」
答えを聞き、クリムはかなり悩んだ。ハリアの村からシェラールまでは車でも六時間はかかる。自分達が現場に到着するまでに、大人数の人質が犠牲になってしまう。
「何とかできないのですか……」
「今、エイトガーディアンが現場にいるそうです。私達が現場に来るまでは、彼らが何とかするでしょう。それに、今迎えをよこしたと連絡がありました」
「迎え?」
シュウがこう呟くと同時に、外から轟音が聞こえた。外に出てみると、空にはシェラールのギルドのヘリコプターが飛んでいた。
「お待たせしましたー‼」
中にいたフィアットが、扉を開けてこう叫んだが、落ちそうになったのをリナサが引っ張った。
「お兄ちゃん、クリムお姉ちゃん‼迎えに来たよ‼」
「リナサちゃん‼」
「そう言うわけだからさー、現場に行く4人を選んでー‼残った人たちは後でできたら合流してー‼」
「じゃあ俺とクリムが行きます」
「それと、シュガーさんも付いて来てください。怪我人の治療をお願いしたいです」
「任せて~」
「援護も必要ね。私も行くわ」
というわけで、ヘリコプターに乗り込むのはシュウ、クリム、シュガー、ミゼリーに決まった。
「俺達は後から行く‼」
「それまでに片が付いていればいいけれど……」
「任しとけ‼ 俺達が何とかするさ‼」
「では、後で合流しましょう‼」
バカップルはギルドに残ったジャックとラックに向かってこう叫ぶと、ヘリコプターに乗り込んだ。空に飛び去って行くヘリを見て、ジャックはキッチンへ向かってテレビを付けた。
「さて、ここから俺達で出来ることをしないとな」
「テレビで得た情報を伝えるんですね」
「ああ。携帯やネットも用意しとけよ」
その後、ジャックとラックは急いでパソコンや携帯を用意し、事件の情報を得ようとした。




