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文字通り崖っぷちの戦い

 希少な薬草を採りに来たシュウ達。目的の薬草があるとされる崖の方まで来たのだが、最近噂の鳥型モンスター、クチデカクルーに襲われてしまった。


「シュガー‼ 早く薬草を採りに行くんだ‼」


「ここは私と先輩が何とかします」


 シュガーはバカップルの言葉を聞き、急いで薬草の方へ向かって行った。それを察したクチデカクルーはシュガーに向かって火炎球を放とうとしたのだが、シュウが銃を撃って攻撃を妨害した。


「先輩、あまり無理をしたら……」


 クリムはシュウの右腕の怪我の事を気にしている。今、シュウは右腕でロープを掴んでいる状態。もし、無理をしすぎたら右腕がどうなるかクリムは大体分かっているのだ。


「大丈夫だ。この位は何とか平気だ。攻撃はクリムに任す、俺は奴の妨害をする」


「分かりました。私に任してください‼」


 シュウに頼りにされている事を察し、クリムは本気を出した。体中の魔力を開放し、クチデカクルーに向かって飛んで行った。


 クリムの様子が変わったのを察したクチデカクルーは、クリムよりも崖の方にいるシュウに目を付けた。襲い掛かろうとしたのだが、クリムが放った風の刃が、クチデカクルーの爪を切断した。


「少し狙いを外しました……」


 クリムは今後の事を考え、クチデカクルーの足を一本でも切断しようとしていたのだ。ここで奴を追い返しても、似たようなことを必ずするだろう。なら、被害を抑えるために確実に始末するか、奴の体を少しでも傷つけようと思っていた。


 先ほどの攻撃を察し、クチデカクルーは怒り狂ってクリムの方に襲い掛かってきた。


「好都合」


 こう呟き、クリムはクチデカクルーの足元に回り込み、電撃の魔法を放った。クリムの右手から放たれる無数の雷はクチデカクルーを感電させた。しかし、落下しようとしたところで持ち直し、再びクリムの前に現れた。


「見た目通り、結構タフな奴ですね」


 その直後、クチデカクルーは再び火炎球を放とうとしていた。それを察したクリムは魔法の水を放ち、口の中の火を消していった。


「さぁ、そろそろ止めと行きますよ‼」


 クリムは右手に光、左手に闇を発して一つに合わせた。そこから放たれた光と闇はビームのようになり、クチデカクルーを包み込んだ。そして、ボロボロになったクチデカクルーが下に向かって落ちて行った。戦いが終わり、クリムはシュウの元に近付いた。


「久しぶりに本気を出したせいか、ちょっと疲れました」


「お疲れ。あとは俺が支えて下に降りる。ゆっくり休んでくれ」


「は~い」


 その後、クリムはシュウに抱き着き、シュウが下に降りやすいようにサポートした。




 先に下に降りていたシュガーは、サイナから貰った写真を見ながら、薬草を探していた。


「どこにもない……」


 薬草を拾いながらシロドク草を探していたが、なかなか見つからなかった。そんな中、戦いを終えたバカップルが降りてきた。


「見つかったか?」


「まだだよ~。やっぱり全然見つからない」


「希少なだけありますね。根気よく探しましょう、それしかありません」


 合流してから三人で薬草を探したが、なかなか目当てのものは見つからなかった。数時間後、周辺の薬草は全部採ったのだが、それでもシロドク草は見つからなかった。


「別の場所にあるのかな?」


「かもな……」


 シュウはそう言ってため息を吐いた時、シュガーが何かを見つけた。


「これって、もしかして」


 その近くに近付き、何度も写真と見比べてみた。


「シロドク草だ‼」


「おお‼ ここにあったんだ」


「さて、報告しましょう‼」


 シュウ達はシロドク草を採取し、そのまま山から下りて行った。


 数分後、シュウ達はギルドに戻り、サイナにシロドク草を渡した。手にしたシロドク草を見たサイナは、何度も頭を下げて礼を言った。


「本当にありがとうございます。私の研究がうまく行けば、未知の病気と闘う人々を救う事が出来ます」


「頑張ってください。応援してます」


 と、シュガーはサイナにこう言った。




 それから数日後、バカップルはイチャイチャしながらテレビのニュースを見ていた。だが、バカップルはイチャイチャしているだけで、ニュースは見ていなかった。しかし、あるニュースが耳に入り、すぐにテレビの方を向いた。


『昨日、サイナ博士はシロドク草を用いた研究により、新たな薬を開発しました。その薬により、最近新しく発生したウイルスを消滅させる働きがあるようです』


 このニュースを見て、バカップルは話し始めた。


「すごい事になってますね」


「ああ。俺たちの活躍がウイルス撲滅の手助けになってるとはな」


「これは誇りにしてもいい気がします」


 そんな話をしていると、シュガーが部屋に入って来た。


「イチャラブ中ごめん。ニュース見た?」


「はい。今見てました」


「私嬉しいな~、あのサイナさんの手助けになれたんだもん」


「そうだな。俺も手助けをしてよかったって思ってるよ」


「あの時サイン貰っておいてよかった~」


 その後、シュガーはギルドの中を走って自慢し始めた。その様子を見て、クリムはこう言った。


「相当うれしかったんですね」


「あこがれの人の手助けをしたんだからな」


 喜びまわるシュガーを見て、バカップルはこう言った。

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