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セントラルタワーに突入せよ


 エイトガーディアンとストブたちと共に行動するバカップルは、ついにセントラルタワーの前に到着した。


「やっと着いたわね」


「後ろの皆は無事かな?」


 と、ナギは後ろを見てジャックたちの無事を願った。クリムは魔力を探知し、魔力が収まっていることを察してナギにこう言った。


「戦いは終わったみたいです。皆さん無事ですよ」


「よかった」


「だが、私たちの戦いはこれからだ。気を抜くな、ナギ」


 安堵の息を吐くナギに、タルトはこう言った。シュウはアサルトライフルを持ち、スネックは銃剣を構えていた。


「お出迎えって奴だな」


「こりゃー派手な送迎会だな」


 ナギは前を見ると、セントラルタワーを守るようにアロウの部下たちが立ちふさがっていた。


「簡単に中に入れさせないってことね」


「そうみたいですね」


 クリムは魔力を開放し、アロウの部下を一掃しようとしたのだが、ストブたちが前に出た。


「クリム! 雑魚の相手は私たちに任せな!」


「あなたたちは先に中に入って、アロウをぶっ飛ばして」


「この程度の敵、我らだけで上等よ!」


「ま、すぐに片付けるから」


 ストブたちの声を聞き、自分たちが格下に見られたと思ったアロウの部下は、武器を持ってストブたちに襲い掛かった。


「このクソガキが! 俺たちを雑魚だと思ったら大間違いだぜ!」


「ぶっ殺してやるよ! あの世に逝っても後悔するなよ!」


「血祭決定!」


 襲い掛かってきたアロウの部下を見て、クララはため息を吐いた。


「やれやれ、安易な挑発に乗るなんて、本当にアホね」


 そう言って、クララは魔力を開放した。クララの足元から水が発生し、アロウの部下の所まで流れて行った。


「水? 何をするつもりだ?」


 アロウの部下はただの水だと思ったが、その水は急に凍り、鋭い氷柱を伸ばした。


「ギャアアアアアアアアアアア!」


「つ……氷柱で攻撃してきやがった!」


「一旦引くぞ! あんな攻撃、防ぎようがない!」


 クララの自ら逃げるため、アロウの部下は後ろに下がった。しかし、巨大な火の玉がいくつも飛んで来た。


「うわああああああああああ!」


「あっつあああああああああ!」


「ブヘェッ!」


 火の玉に命中したアロウの部下は火に苦しみ、激突して遠くに吹き飛んだ。


「私の火の玉は強烈だぜ? 甘く見ていたら丸焦げになっちまうぜ!」


「ぐ……クソッ!」


 笑い始めるストブを見て、アロウの部下の一部はストブを攻撃しようとした。しかし、上から雷が雨のように降ってきた。


「グワアアアアアアアアアアアアア!」


「ジビャアアアアアアアアアアアア!」


「リャリャリャリャリャリャリャリャ!」


 雷が直撃したアロウの部下は、感電しながら悲鳴を上げ、その場に倒れた。上空にいるヴァーナが、高笑いしながらこう言った。


「フハハハハハハハハハハハハハ! 我の雷を浴びて朽ち果てるがよい!」


「ヴァーナ、殺したら意味がないよー」


 と、少し呆れた様子のドゥーレがこう言った。その時、目の前に武器を持ったアロウの部下が現れた。


「隙あり!」


「一人だけでもぶっ殺す!」


「あーらら、格下だと思われてら、私」


 ドゥーレは欠伸をした後、魔力を開放して風を発した。ドゥーレが発した風は目の前のアロウの部下を浮き上がらせ、後ろに吹き飛ばした。


「おわあああああああああああああああ!」


「急に風が……」


「おーい、君らじゃ私は倒せないから、どっか行ってくれなーい?」


 ドゥーレの言葉を聞き、バカにされたと思ったアロウの部下は怒り出し、武器を持ってドゥーレに襲い掛かった。


「ふざけるな、小娘!」


「今度は貴様をぶっ殺す!」


「全くもー、しょうがないな」


 やれやれと思いつつ、ドゥーレは立ち上がって風の刃を発し、アロウの部下のズボンをズタズタに切り裂いた。


「え? ええええええええ!」


「キャー! 俺のパンツ丸見え!」


 突如汚い下半身が露になり、アロウの部下は恥ずかしさのあまり去って行った。この調子なら先に行っても大丈夫。そう思ったクリムたちはセントラルタワーへ向かった。




 チュエールにて。ローラはテレビでシェラールの惨状を目の当たりにしていた。


「アロウのバカ、こんなことを起こしてまで賢者の称号が欲しいのか。地道に努力すれば、賢者の称号は取れるのに」


 アロウの愚行を見て、ローラは呆れてため息を吐いた。そんな中、ラーソンの悲鳴が聞こえた。それと同時に、女性修行者の怒声が聞こえた。


「あのスケベ親父はどこ?」


「あそこ!」


「今度という今度は許さない! まさかあんな所に女湯を覗く穴を作ったなんて!」


 この怒声を聞き、ローラは深いため息を吐いた。


「あのバカ」


 と言った直後、ラーソンが部屋に入って来た。


「ローラ、助けてチョ!」


「誰がスケベジジイを助けるか」


 そう答えると、ローラは扉を開け、ラーソンを廊下の外に蹴り飛ばした。その直後、ラーソンを見つけた女性修行者が一斉にラーソンに襲い掛かった。それから数分後、ズタズタのボロボロにされたラーソンが部屋に入って来た。


「ひ……酷いことをするじゃないか……」


「愚行を行った罰が当たったのよ。全くもう、こんなことが起きている中でよくもバカなことをやれるね、あんたは」


「こんなこと? あー、アロウのことね」


「知っていたの? じゃあ対策とか練ったりしないのかい?」


 ローラがこう聞くと、ラーソンはソファに座り、欠伸をしてこう言った。


「ワシらがあそこに行く必要はない。クリムたちが戦っている」


「だろうね。クリムのギルド仲間がテレビに映ったよ。でも、本当に無事にこの騒動が終わるかどうか……」


「あの子がそんな簡単にくたばるはずがない。ワシはそう思う。じゃが、いざという時には動く」


 そう言うと、ラーソンはエロ本を取り出し、読み始めた。いやらしい表情のラーソンを見て、ローラは本当にいろいろと考えているのか不安になった。


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