地獄と化したシェラール
シェラールで暴れている謎の集団は、高笑いをしながら破壊、虐殺など残虐行為を行っていた。
「ギャーハッハッハ! こりゃーすげぇや! 楽しいぜ!」
「こんな力をくれた先生に感謝しないと!」
「もっと暴れろ! もっと殺せ、もっと壊せ! こんな楽しいことは他にない!」
そんなことを言いながら、集団は暴れていた。そんな中、ギルドの戦士の一団が集団に向けて一斉に発砲した。しかし、集団は戦士たちが発砲する前にその存在に気付き、バリアを展開した。
「バカじゃないか? 今の俺らに勝てるわけねーだろ間抜けがぁ!」
「やり返すぜ!」
と言って、集団は火の槍を無数に発し、ギルドの戦士を瞬殺した。
「ギルドの戦士様がこのざまだ! 今までの分をお返ししようぜ!」
「ああそうだな!」
集団は笑いながらシェラールのギルドへ向かおうとした。だがその時、上空から衝撃波が飛んで来た。集団は吹き飛んだが全員生きており、着地して上空を睨んだ。
「誰だ、この野郎!」
「エイトガーディアンだ。これ以上暴れるのは絶対に許さん」
上空からタルトが現れ、それに続くかのようにボーノとスネックが現れた。エイトガーディアンが現れたため、集団の一部は動揺した。だが、集団を率いる男が笑いながらこう言った。
「エイトガーディアン様がお出ましとは! わざわざ俺たちにぶっ殺されるために遠くまでご苦労さんですねぇ」
「貴様らのような下種にやられる私たちではない」
と言って、タルトは剣を構えて走り出した。ボーノもナイフを持ってタルトと共に走り出し、スネックは銃剣を構えた。集団を率いる男は向かってくるタルトたちを見ても動揺することはなく、高笑いしている。
「さーてと、こっちも本気で生きますか」
そう言って、魔力を開放した。解放した時、周囲に強い衝撃波が発して瓦礫など重い物が吹き飛んだ。
シェラールのセントラルタワーはすでに占拠されていた。その頂上では、黒幕がモニターを使いながら地獄と化したシェラールを見ていた。
「あらあら。中心的町のシェラールがたった一日でボーロボロね。綺麗な町が台無し」
「ここが荒れ地になれば、全世界が驚くだろう。だが、俺の目的はそんなもんじゃない」
「分かっているわよ。これはシュウ君とあのクソ賢者をおびき寄せるための罠」
と言いながら、ポーカーはワイングラスを片手に微笑んだ。アロウは立ち上がり、外を見上げた。
「さて、そろそろ奴らが動くだろうな」
「でしょうね。こんなことになったらシュウ君のギルドどころか、他のギルドも動くわ。ま、他のギルドなんて雑魚みたいなものだけど」
「ああ。雑魚相手なら部下たちでも楽に片付くだろう。さて、俺はもうしばらく座っている、手術した痕がまだうずくのでな」
アロウは欠伸をしながらそう言った。そう、と返事を返したポーカーはモニターを見て、タルトたちと戦うアロウの部下の映像を見続けた。
「グハァッ!」
悲鳴を上げながら、タルトは吹き飛んだ。壁に激突したタルトは地面に着地しようとしたが、アロウの部下は瞬間移動並みの速さでタルトに接近し、右ひざをタルトの腹に沈めた。
「ウブッ!」
「そーらーよ!」
アロウの部下は両手を振り上げ、タルトの後頭部に向けて振り下ろした。激しい衝突音が響いた後、タルトは地面に向かって飛んで行き、激突した。
「があ……」
地面に激突した後、タルトは激痛をこらえながら立ち上がった。その時、飛んできたボーノと激突した。
「ガッ!」
「グッ……悪い……タルトさん……」
飛んできたボーノの体からは大量の血が流れており、苦しそうに息を吐いていた。その時、無数のビームが飛んで来て、狙撃していたスネックを撃ち抜いた。
「グゥ……」
「スネック!」
タルトはスネックの方を向いて叫んだが、スネックは片膝をついてこう言った。
「俺は無事だ……グッ……」
「強がるねぇ、いい男さん!」
スネックは背後を見て、アロウの部下が背後にいると察した。銃剣を手にしようとしたが、その前にアロウの部下はスネックに向けて巨大な火の玉を放った。
「グアアアアアアアアアアア!」
「スネック!」
タルトは剣を握り、アロウの部下に斬りかかった。だが、背後にいた別の部下がタルトに襲い掛かり、手にしていた剣でタルトの両腕を斬り落としてしまった。
「ガアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「ギャハハハハハハハハハ! エイトガーディアン一の剣豪様も、腕がなければ剣も持てないねぇ! このまま死んじまいなぁ!」
タルトにとどめを刺すため、アロウの部下は魔力を開放した。その時、発砲音が響き、アロウの部下の右腕を撃ち抜いた。
「ガッ!」
「誰だ!」
アロウの部下たちは背後を見て、襲撃者を睨んだ。その直後、巨大な火の渦がアロウの部下を飲み込み、宙へ打ち上げた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
「グワアアアアアアアアアアアアアアアアア!」
アロウの部下たちは悲鳴を上げながら地面へ落ちて行った。タルトは救いの主を見て、安堵の笑みを見せていた。
「来てくれたか……シュウ、クリムちゃん」
「ごめん父さん、少し遅くなった」
「今治療しますので、待っていてください」
援護に来たバカップルは、急いでタルトたちの元へ向かった。




