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違法ハンター裏ギルドを成敗せよ!

 ハリアの村から車で数時間走らせると、険しい山々で囲まれた平原、ハラノ平原がある。その平原には草食系で大人しいモンスターがいるのだが、まれに凶暴な肉食系モンスターも生息し、暴れまわっている。ギルドではその凶暴なモンスターと討伐してくれと依頼が来ているのだが、たまにハラノ平原に生息する希少なモンスターや生物を捕獲しようとする愚か者が現れる。そいつらの討伐もギルドの仕事に入っている。


 バカップルとクララ、ドゥーレはとある依頼でハラノ平原にいた。


「うひー、何回かここに来たけど、やっぱり広いなー」


 ドゥーレは双眼鏡で辺りを見回し、こう言った。クララは少し不安そうな顔で呟いた。


「本当に広いわね。こんな中で希少なモンスターを捕獲しようとする裏ギルドなんて見つかるのかしら?」


「見つかりますよ。不安にならないでクララ」


「クリムの言う通りだ。俺たちで何とかしようぜ」


 と、バカップルはピクニックの用意をしながらこう言った。呑気なバカップルを見て、クララは呆れたが、ドゥーレはシートの上に座り、水筒のお茶を飲み始めた。


「ま、戦いの前にまずは一服。ふひー、お茶が美味い」


「全くもう」


 依頼は始まっているのに、こんなに呑気でいいのだろうかとクララは思った。




 ことの始まりは先日。ハリアの村のギルドに希少モンスターを見守る団体の代表が来た。本来ギルドに依頼をするときは電話などで連絡をし、依頼内容や報酬金の相談をし、後日以来のカウンターに貼られるのだが、ごくまれに急用な依頼で依頼者がギルドに来ることがたまある。今回の話の前にいろいろと依頼者がギルドに来たりしていたが、急用で来たということなのだ。


 団体の代表はギルドの会議室に案内され、会議室の席に座った。目の前には、ギルドの代表がいた。


「すみません、急な依頼で……」


「いえいえ構いません。それで、急な依頼というのは?」


「こちらをご覧ください。それに合わせて説明をします」


 ギルドの代表は資料を取り、パラパラとページをめくって内容を確認した。


「大体理解しました。ハラノ平原に生息する希少モンスター、ハデナナトリを捕獲しようとする裏ギルドを始末してほしいのですね」


「その通りです。我々の団体も希少モンスターを自然で保護するため、ありとあらゆる情報網を利用しています。そして、そのモンスターを捕獲し、金を儲けようとする裏ギルドのこともちゃんと調べています」


「ほう。で、今回討伐する裏ギルドの情報は?」


「こちらのページです」


 と、代表はページを示した。そこにはゲットフィーバーという裏ギルドの情報が書かれていた。ギルドの代表はゲットフィーバーの情報を見て、頷いた。


「お願いします。それなりの依頼料は払います。ハデナナトリを守るため、ゲットフィーバーを倒してください」


「分かりました。我がギルドの戦士たちに任せましょう」


 ギルドの代表は笑顔を見せ、相手を安心な気持ちにさせた。その後、その依頼をバカップル、そして暇だったクララとドゥーレに任せたという流れとなった。




 クリムはゲットフィーバーの情報をシュウたちに見ながら、今回の依頼の流れを説明していた。


「今回の依頼は久しぶりに裏ギルドの壊滅です。ですが、この場に来るのはゲットフィーバーの重役数名と雑魚多数でしょう」


「捕獲するだけなら、雑魚だけなんじゃないの?」


 ドゥーレがパンをかじりながらこう言ったが、クリムはすぐに返事をした。


「ハラノ平原は田舎な場所ですが、生息する凶暴なモンスターはとても強いです。一年も鍛えていない戦士なら、半分の確率で生きては帰れません。部下の命が大事だとしたら、それなりに場数を踏んでいる重役が来る可能性が高いです」


「部下を捨て駒にするような裏ギルドだったら、重役はいないかもな」


 シュウが付け加えるようにこう言った後、ドゥーレはパンを食べ終えてこう言った。


「腕のある奴と戦えたらいいなー」


「よくないわよ。派手に戦ったらこの辺りの自然が壊滅するじゃない。火を使うストブや派手に雷を使うヴァーナが別の依頼でいなくて正解だったわ」


 周囲の自然を見ながら、クララがこう言った。その後、クララはクリムにこう聞いた。


「それにしても、いつまでのんびりしているのよ」


「奴らが動くまでです。奴らが動くとしたら必ず魔力かどこかで音が聞こえます。のんびりしていると思いでしょうが、私はすでに魔力を探知するように魔力を使っています」


 クリムがこう説明すると、突如クリムが立ちあがった。


「汚い魔力を感じます」


「それに、動物やモンスターの泣き声も」


 シュウも立ち上がり、急いでシートや弁当をしまい、用意した車に乗り込んだ。クララとドゥーレも急いで車に乗り込み、その直後に車は動いた。


「運転手さん、北東の方へ向かってください。そこから奴らの魔力を感じます」


「あいよ! 飛ばすかい?」


「思いっきりお願いします!」


「オッケー! それじゃあぶっ飛ばないようにどこかに捕まっていてくれよ!」


 運転手は深くアクセルを踏み、猛スピードでハラノ平原を走り出した。


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