謎のモンスター
シュウ達は地下の研究所内に入り、クルーガーを探していた。途中、研究員らしき人物と鉢合わせしたが、襲ってきたため返り討ちにした。
「中にも研究員がいるようですね」
クリムは目の前の研究員を縛り、シュウにこう言った。
「モンスターの研究……じゃあなさそうだな」
「なんか物騒なもんを作ってるかもね」
シュウとティラは捕まえた研究員を調べると、ポケットの中に紫色の液体が入った小瓶を見つけた。
「何ですかねこれ?」
「奴らの研究に何か関係があるかもしれません。私の方で保管しておきます」
キャニーは頑丈な金庫を取り出し、小瓶を中に入れた。
「なんかすごい金庫ですね」
「何かあった時、頑丈な入れ物がないと困るでしょ?」
「確かになー」
会話を終え、シュウ達は再び先へ向かった。しばらくすると、地鳴りのような音が響き渡った。
「何かいるな」
ライフル銃を取り出し、ティラは構えた。シュウとキャニーも拳銃を装備し、クリムも魔力を解放した。それから数秒後、剣地達がいる通路の角から、奇妙な形状のモンスターが現れた。
「何だあれは!?」
「知らないけど、私達を狙っているのは確かだ‼」
驚くシュウにティラはこう言い返した後、ライフルでモンスターの額に弾丸を撃ち込んだ。額から緑色の血が流れるが、モンスターは何ともなかったかのようにシュウ達に襲い掛かった。
「どうなってんだ? 脳天ぶち抜いたはずなのに‼」
「クッ、これでも喰らいなさい‼」
キャニーは両手の拳銃を発砲し、モンスターの巨大な腕を撃ち続けた。しかし、緑色の血が流れるだけで、動きに変わりはなかった。
「嘘でしょ!?」
「下がってください‼」
クリムがモンスターの周りに冷気を発生させ、モンスターの足を凍らせた。
「先輩‼」
「任せろ‼」
クリムの合図と共に、シュウがモンスターの凍った足を打ち抜いた。凍った足は氷と共に砕かれたものの、モンスターは這いつくばってシュウ達に襲い掛かった。
「大した根性だな」
ティラはバズーカを装備し、にやりと笑った。それを見て、キャニーは慌てながらこう聞いた。
「まさかそれで……」
「ドカンと一発行ってみましょうか‼」
その直後、ティラは手にしたバズーカをモンスターに向けて発射した。
同時刻、突如研究所内にアラームが響いた。
『爆発発生、爆発発生‼ 火災の可能性があるため、近くの研究員は直ちに消火に入ってください‼ 繰り返します……』
このアラームを聞き、クルーガーは何かを考えているのか、手で顎を触りながら座っていた。
「仕方ない……未完成だがあいつを出そう」
この言葉を聞いたミルチは、恐る恐るクルーガーに近付いた。
「本気ですか?」
「ああ。まぁ、ぶっつけ本番だと思えばいい。いい結果が出れば結果オーライだ」
そう言って、クルーガーは別の部屋へ向かった。そこには人型のモンスターのような物が牢屋の中に入れられていた。
「実験を開始する。不審者を始末して来い」
ティラが撃ち込んだバズーカ弾の爆発で、周囲に煙が充満している。
「先輩、大丈夫ですか?」
「ああ……ゲホッゲホッ」
シュウとクリムは抱き合いながら、無事を確認した。キャニーはメガネを直しながら、バカップルを見て呟いた。
「こんな時に何やってるんだか……」
「皆無事かー?」
ティラが壁の破片を蹴り飛ばしながら、シュウ達に近付いた。
「全く、無茶しないでくださいよもう‼」
「なははははは。ま、たまにはこう言う事も必要だぜ」
「少しは状況ってもんを考えてくださいよ……」
ハチャメチャな行動を起こしたティラに呆れ、キャニーはため息を吐いていた。そんな中、シュウとイチャイチャしていたクリムが何かを感じたのか、周囲を見渡した。
「また何かが来ます」
「あの変なモンスターか?」
「それよりは小さいかもしれません。ただ……変なモンスターがいたので、似たような物だとは思いますが」
クリムの言葉を聞き、キャニーは銃を構え、ティラは欠伸をしながら敵が来るのを待った。数分後、奇妙な雄叫びと共に人型モンスターが姿を現した。
「人か?」
「……何か様子がおかしいです」
クリムはそう言って、弱めの魔法を発し、人型モンスターに攻撃をした。シュウもクリムと同じように急所を外して銃を撃った。
「タ……タスケ……テ……」
戦っていると、モンスターから言葉が聞こえた。
「今、助けてって……」
キャニーは言葉を聞き、倒れたモンスターに近付いたが、その時を待っていたかのようにモンスターはキャニーの首を掴んだ。
「キャニーさん‼」
シュウはキャニーの方を振り返ったが、目の前にいたモンスターがシュウを押し倒した。それを見たクリムが魔法を発し、モンスターを弾き飛ばした。だが、その間にキャニーの顔は青く染まっていた。
「あ……がっ……」
「クッ、ここから狙えるか……」
シュウは拳銃でキャニーの首を掴むモンスターの腕を撃とうとしたが、別のモンスターが襲い掛かってきたせいで、なかなか攻撃できなかった。
「まーったく、私に任せろって」
ティラは周りにいるモンスターを蹴り飛ばした後、物凄い速さでライフルを構えて狙いを定め、銃を撃った。激しい音とともに、モンスターの両腕が弾き飛んだ。
「これなら手を外せるだろ」
「は……はい……」
キャニーは首に付いているモンスターの手を外し、地面に落とした。だが、シュウは周囲を見て舌打ちをしていた。周りには、すでに無数の人型モンスターがシュウ達を囲んでいたからだ。
「絶体絶命だな……こりゃ」
と、シュウは小さく呟いた。




