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やっぱりセクハラエルフは別世界に飛ばされても変わらなかった

 滅びを望む者のアジトへ攻め込んだクリムたち。団員を相手に暴れ始めたが、途中で男のフェロモンを操作する香水を使う女が現れ、シュウと剣地が動けなくなってしまった。クリムは動きができないシュウと剣地を見て、この危機をどうやって脱するか考えた。相手の女の魔力は大したこともなく、香水以外の武器は身に着けていない。普通に戦えばクリムたちが本気を出さなくても勝てる相手だ。しかし、シュウと剣地の自由が奪われている状況の今、下手に動いたら女がシュウと剣地を操り、反撃を行うだろうとクリムは考えた。


「フフフ……賢者様も流石にこの状況をどう打破するか分からないようね。恋人が盾にされたら何もできないのね」


「グッ……」


 不敵に笑う女を見て、クリムは女を睨んだ。シュウが自由になったら、いち早くあの女の顔面にパンチを喰らわせてやるとクリムは思ったが、後ろにいたルハラが突如動き出した。


「ルハラさん!」


 クリムは驚いた。突如ルハラが魔力を開放し、女に向かって飛んで行ったからだ。この時のルハラの動きを見て、何かアイデアが浮かんだのだとクリムは思った。




ルハラ:滅びを望む者の本アジト


 ウッヒョォォォォォォォォォォォ! 久しぶりの美人のねーちゃん来たァァァァァァァァァァァァァァァァ! スタイル抜群、胸の大きさは大きくもなく小さくもなく美乳と思われるレベル! 肌はぴちぴち、歳は若い! 私は……私は……この時を待っていたんだァァァァァァァァァァァァァァァァ!


「あら? あなたの大事な人が大変なことになっているのに、飛び出していいのかしら?」


 あん? 何か言ってるけどケンジは大丈夫だから問題はないや。今は目の前の相手をセクハラすることに専念しよう! 私が女の胸に飛びつくと、女は甲高い声で悲鳴を上げた。


「ちょっと、あなた一体何を考えてるの!」


「やらしいこと」


「え……それが答え?」


「もちのろん!」


 そう言って私は持ち前のテクでいろいろと始めた。どうやら体を触れることに慣れてないらしく、女は私を追い払おうとした。


「ちょっと……止めなさい! あぁん! そんなことを……したら……」


 おっと、女はシュウを操って私を撃とうとしている。いいのかな~? シュウが使う拳銃は威力がある。私を撃ち抜こうとしたら自分の体にも弾丸が命中するだろうに。


「おっと、撃つの? やっちゃうの? それならやってみなよ。どうなっても私は知らないよー」


 私は女の背中に移動し、にやりと笑いながらこう言った。どうやらこの女も銃で撃った後の展開を察したようだ。シュウの腕がゆっくりと降ろされた。


「グッ……いいから離れなさい……」


「やだねー。極上の美女がいるんだ、あれこれしないと私の気が済まないんだよね!」


 と言って、私は女の体を触り始めた。


「いやああああああああああん! もう止めて!」


「フヒヒヒヒ。止めないよー。動きを止めるのは私の気が収まるまでだよー。その気にさせたあんたが悪いんだよー」


 動きを止めない私を見て、女は悲鳴を上げながら止めてと懇願した。だけど、悪人の言うことなんて聞く気は全くないけどね。


「まずい、フェーロさんがヤられそうだ!」


「このまま見てるってのはダメかな?」


「ダメに決まってるだろ。助けないと!」


 ほう。この美女の名前はフェーロっていうのか。私は助けに来た団員を風でぶっ飛ばした後。フェーロの耳元でこうささやいた。


「さぁ、これ以上の快楽を与えよう」


「これ以上? 止めて……これ以上ってまさか……」


 フェーロは絶望した顔で私を見た。今より激しい衝撃が襲うと知って、絶望してるんだろう。あぁ、いい顔をしてるじゃないか。さぁ、そろそろ終わらせよう!




「ヒィィィィィィィィィィィン!」


 フェーロの悲鳴と共に、シュウと剣地の体は自由になった。が、シュウは目の前で繰り広げられていたルハラのセクハラの光景を見て、茫然としていた。クリムも横でその光景を見ていて、目を丸くしていた。


「まさか……あんな方法でフェロモン使いを倒すなんて……」


「ぶっ飛んでやがる」


 バカップルは改めてルハラの別の意味での凄さを把握した。そんな中、シュガーはフェーロが手にしていた香水を手にし、中身を見た。


「異性のフェロモンを操作する香水ですか。面白い物を作りましたね。これは私が持っています」


「変なことに使うなよシュガー」


 シュウはシュガーに向かってそう言った。その後、シュウたちの元にルハラが戻って来た。


「終わったよーい」


「ルハラ、今回はルハラのおかげで助かったけど、少しは抑えなさい」


「えー? だって目の前で美女が出てきたらつい手を出しちゃうじゃーん」


「手を出すのはルハラだけよ。それと、どさくさに紛れて私の胸を揉もうとしないで」


 と、ヴァリエーレは胸に向かって手を伸ばそうとするルハラを制止した。その一方で、成瀬は操られたシュウと剣地に近付き、状態を確認した。


「二人とも、体の異常はある?」


「うーん、大丈夫だな」


「さっきと比べて、体の節々の痺れもないし、だるさもない」


「よかった。まだ戦えるみたいね」


「当たり前だ。ここでくたばってたまるかよ」


「俺もだ。早くこの戦いに決着を付けないと」


 そう言って、二人は立ち上がった。


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